娘に送るはずの「5万円」を別人の口座へ誤送金! 夫は「銀行に連絡すればすぐ返ってくる」と言いますが、相手の同意がなくても戻してもらえるのでしょうか?
例えば、娘へ5万円を送ろうとして口座番号を間違え、別人の口座への振込が完了したとしましょう。「間違えただけだから、銀行に連絡すれば取り消せる」と思うかもしれません。
しかし、振込が完了して相手の口座へ入金されている場合、銀行が自由にお金を取り戻せるわけではありません。本記事では、誤って振り込んだ5万円を取り戻す手続きや、受取人が返金に応じなかった場合の対応を解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
別人の口座に振り込んだ5万円は銀行に連絡すれば取り戻せる?
誤送金に気づいたら、まず振込元の銀行へ連絡しましょう。すでに振込が完了している場合は、「組戻し」という手続きで返金を依頼するのが一般的です。
組戻しとは、振込をした人の事情によって、振り込んだお金の返金を依頼する手続きです。振込元の銀行から振込先の銀行を通して、受取人に返金する意思があるか確認することになります。
ただし、銀行へ連絡すれば、その場で5万円が戻ってくるわけではありません。銀行によっては組戻しに手数料がかかり、返金できなかった場合でも手数料が戻らないことがあります。
また、振込先として指定した口座が存在しない場合などには、資金が自動的に戻るケースもあります。対応は状況によって異なるため、誤送金に気づいたら早めに銀行へ問い合わせましょう。
「組戻し」には原則として受取人の同意が必要
今回のケースで重要なのは、別人の口座へすでに5万円が入金されている場合、原則として受取人の同意なしに組戻しはできないことです。
各金融機関の公式案内でも、受取人の口座へ入金された後の組戻しには、受取人の承諾が必要とされています。つまり、「誤送金であることが明らかだから、銀行が相手の口座から5万円を引き出して返してくれる」という仕組みではありません。
そのため、「銀行へ連絡すればすぐに返ってくる」と考えるのは注意が必要です。銀行へ連絡した後、受取人への確認などが行われるため、返金までに時間がかかる可能性もあります。
誤送金に気づいたときは、銀行へ事情を説明し、組戻しができるか確認しましょう。振込日時や振込金額、振込先などが分かる取引履歴を用意しておくと、状況を説明しやすくなります。
受取人が返金を拒否したら5万円はどうなる?
受取人が組戻しに同意しなかったり、銀行から受取人へ連絡がつかなかったりすると、組戻しによる返金ができないことがあります。
ただし、組戻しができなかったからといって、必ず5万円を諦めなければならないわけではありません。
民法第703条では、法律上の原因なく他人の財産などによって利益を受け、そのために他人へ損失を与えた人には、その利益が残っている範囲で返還する義務があると定められています。いわゆる「不当利得」の返還です。
例えば、本来受け取る理由がない5万円が誤って振り込まれた場合、振込人から受取人へ返還を求められる可能性があります。
もっとも、銀行の組戻しで解決できず、法的な手続きによって返還を求めるとなれば、時間や費用がかかる可能性があります。今回のように誤送金が5万円の場合は、取り戻すためにかかる費用や手間も踏まえて対応を考える必要があります。銀行で解決できない場合は、必要に応じて法律の専門家などへの相談を検討しましょう。
誤送金に気づいたら、まずは振込元の銀行へ早めに連絡しよう
娘へ送るはずだった5万円を別人へ振り込んでしまった場合、銀行へ連絡するだけで必ず返ってくるわけではありません。すでに相手の口座へ入金されていれば、組戻しには原則として受取人の承諾が必要です。
一方、受取人が組戻しに応じなかったとしても、誤送金したお金について返還を求められる可能性があります。まずは取引履歴などで振込日時、金額、振込先を確認し、振込元の銀行へ早めに相談しましょう。
また、今後の誤送金を防ぐには、振込を確定する前に口座番号だけでなく、画面に表示される受取人名や金額も確認することが大切です。特に初めての振込先では最後の確認を丁寧に行い、同じようなトラブルを防ぎましょう。
出典
e-Govポータル法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第三編 債権 第四章 不当利得 (不当利得の返還義務)第七百三条
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
