修学旅行は“お小遣い5000円”だけど「足りないと可哀そう」と、Suicaに「1万円チャージ」して息子を送り出し→帰宅後「自分だけ先生に没収された…」と聞き仰天! 抗議するのはクレーマーですか?
本記事では、修学旅行のお小遣い事情や学校のルール、Suicaを一時的に預かることの考え方を解説します。
FP1級、CFP、DCプランナー2級
修学旅行のお小遣いの使い道とは?
修学旅行で必要になるお金は、学校や行程によって異なります。お土産や飲み物のほか、自由行動中の食事代や交通費などを各自で負担するケースもあるため、まずは「しおり」で何がお小遣いに含まれるのか確認することが大切です。
なお、中学生のお小遣いについては参考になる調査があります。
公益財団法人全国修学旅行研究協会の2025年度調査によると、公立中学校における「小遣い上限」の平均額は、関東が1万5366円、東海が1万5837円、近畿が1万1458円でした。
2023年度はそれぞれ1万4043円、1万3791円、9549円で、調査対象地域では上限額が上昇しています。
このデータと比べると、中学生の修学旅行で5000円という設定は低めに見えます。ただし、昼食代や交通費などが旅行代金に含まれていれば、必要なお小遣いは少なくなるため、一概に金額が多い・少ないとは判断できません。
内緒でSuicaを持たせるのはルール違反? 抗議できる?
学校が「お小遣いは5000円まで」「電子マネーは禁止」などと事前に決められていたのであれば、内緒でSuicaを持たせることはルールに反する行為となります。
文部科学省の「生徒指導提要」では、校則について、社会通念上合理的と認められる範囲で学校が定めるものとしています。学校が集団生活の場である以上、一定のルールに沿って行動することは必要といえるでしょう。
そのため、「ほかの子も持っていたから」「5000円では足りないから」という理由だけで、ルール違反そのものを正当化するのは難しいと考えられます。
一方、ルールへの意見を伝えることまで禁止されているわけではありません。文部科学省も、社会の変化などを踏まえて校則を継続的に見直し、内容によっては児童生徒や保護者から意見を聴くことが望ましいとしています。
「次年度から上限額を見直せないか」「交通系ICカードを緊急時のみ認められないか」など、今後のルールについて相談する方法であれば、学校側とも話し合いやすいでしょう。
学校側にSuicaを没収する権限はある?
学校教育法第11条では、校長や教員は「教育上必要があると認めるとき」に児童生徒へ懲戒を加えられると定めています。この規定を踏まえると、持ち込みが禁止されている物を、教育上必要な範囲で一時的に預かる対応は認められる可能性があります。
ただし、学校教育法に「Suicaを没収できる」と直接書かれているわけではなく、必要性や期間、方法などを踏まえた個別判断となります。文部科学省は、懲戒が認められる範囲については機械的に判断できず、個々の事情を踏まえる必要があるとしています。
したがって、学校に確認する場合は、「なぜ取り上げたのか」と責めるより、「いつ、どのような方法で返却される予定ですか」と尋ねるほうが建設的です。
まとめ
学校が修学旅行のお小遣い上限や電子マネー禁止を事前に定めていた場合、内緒でSuicaを持たせればルール違反となります。一方、全国修学旅行研究協会の2025年度調査では、中学校のお小遣い上限平均額は関東・東海で1万5000円台、近畿で1万1000円台でした。5000円という設定が旅行内容に合っているのか、学校へ見直しを提案する余地はあります。
Suicaを一時的に預かる対応についても、教育上必要な範囲で認められる可能性がありますが、期間や方法を含めて個別に判断されます。まずは返却時期を確認し、金額や電子マネーのルールに疑問があるなら、次回以降の見直しについて冷静に相談するとよいでしょう。
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級
