【高知県=陸の孤島!?】「ドン・キホーテ」「東横イン」…なぜ高知は“大手チェーン”にとって「47都道府県制覇の最後」になるのか―“出店のハードルが高い”とされる理由を在住ライターが解説
「ドン・キホーテ」をはじめ、「東横イン」なども高知県への出店によって47都道府県制覇を達成しています。
今回は、高知県が全国チェーン店にとって出店のハードルが高いとされる理由について、地理的な特徴や人口規模、地元企業の存在などから詳しく解説します。
四国移住ライター
2019年から高知に移住。ライター業以外にも農業や移住関連のNPO法人などで活動し、四国に関しての記事を多数執筆
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高知県が47都道府県制覇の最後となった「ドン・キホーテ」
写真1
筆者撮影
高知県では、全国チェーン店が新たにオープンすると大きな話題になることがあります。
特に近年では、「ドン・キホーテ」の高知県初出店が大きな注目を集めました。開店前から地元メディアなどで取り上げられたほか、県外から訪れる人も見られ、開店を待つために徹夜で並ぶ人が出るなど、大きな盛り上がりを見せました。
開店当日には多くの人が店舗に押し寄せ、レジに数時間並ぶ人が出るなど、まさに「お祭り騒ぎ」ともいえる状況になりました。このように、高知県では全国チェーン店の新規出店そのものが大きなニュースになるケースも少なくありません。
高知県が全国チェーン店の最後の出店先になりやすい理由
では、なぜ多くの全国チェーン店にとって高知県への出店はハードルが高いのでしょうか。その理由として、主に「地理的な条件」「地元企業の存在」「人口規模」の3つが考えられます。
(1) 山と海に囲まれた地理的条件
まず挙げられるのが、高知県の地理的な特徴です。高知県は東西に長く、県の中央部に位置する高知市周辺に人口や商業施設が集中しています。
一方、県境の多くは険しい四国山地の山間部。さらに、四国の南側に位置しているため、他県から高知県へ商品を輸送する場合、物流面で不利になりやすい側面もあります。人口が集中する都市圏から離れている高知県は、他の都道府県と比較して出店のハードルが高くなりやすいと考えられます。
(2) 地元ローカル企業が強い高知県
高知県では、全国チェーン店だけでなく、地元に根付いたローカル企業が数多く営業しています。スーパーマーケットでは、「サニーマート」「サンシャイン」「エースワン」など、県民に広く知られている地元企業が存在します。
飲食店についても同様で、高知県には地域に長く愛されている個人店やローカルチェーンが数多くあります。
全国チェーン店が少ないからこそ、地元企業や個人店が地域の需要を取り込んできたという側面もあるでしょう。過去には高知県へ進出した全国チェーン店が撤退した例もあり、企業側からすると出店後の採算性を慎重に検討する必要があります。
(3) 人口規模から大きな利益を見込みにくい
人口規模も、全国チェーン店が高知県への出店を慎重に考える理由の一つです。
高知県では人口減少や少子高齢化が進んでおり、今後も人口の減少が続くことが予想されています。全国チェーン店が新たに店舗を出店する場合、一定の利用客を確保できるかどうかが重要になります。
特に大型店舗の場合は、広い商圏から集客することが必要です。こうした人口動態や商圏の問題も、全国チェーン店の出店判断に影響すると考えられます。
全国チェーン店が少ないことでローカル企業が強いというメリットも
全国チェーン店が少ないことは、高知県にとってデメリットばかりではありません。全国チェーン店が少ないからこそ、地元企業や個人店が地域の需要を取り込んできたケースもあります。
高知県出身者が帰省した際に、地元のスーパーや飲食店を訪れ、「久しぶりに行ってみた」とSNSで紹介するケースも頻繁にあります。
高知県内の企業の中には、インターネット通販を活用したり、関西圏や首都圏など県外へ進出したりすることで、県外の顧客を獲得している企業も増加傾向です。
全国チェーン店が少ないから、地元企業を応援したいという意識につながることもあるでしょう。「高知県の企業だから積極的に利用したい」という消費者がいることは、地域経済にとって大きな強みともいえます。
今後、多くの企業が高知県へ進出する可能性も
これまで全国チェーン店の出店が少なかった高知県ですが、今後は新たな企業の進出が増える可能性もあります。観光客の増加やホテルなどの宿泊施設の整備が進めば、高知県を訪れる人が増え、県内の商業環境が変化する可能性があります。
また、全国チェーン店だけでなく、高知県内の企業がインターネット通販や県外店舗を通じて、県外の消費者へ商品やサービスを提供する機会も増えています。高知県は人口減少などの課題を抱える一方、豊かな自然や観光資源、地域に根付いた企業など、多くの魅力があります。
全国チェーン店の出店が増えることだけが地域の発展ではありません。全国チェーン店と地元企業がそれぞれの強みを生かしながら共存することで、高知県の商業や地域経済がさらに活性化していくことも期待されます。
執筆者 : 西野くに
四国移住ライター
監修 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

