生活保護費をやりくりし、毎月「3万円」を貯めている知人。本人は「老後のためだから問題ない」と言いますが、貯金が増えても、そのまま生活保護を受け続けられるのでしょうか?

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生活保護費をやりくりし、毎月「3万円」を貯めている知人。本人は「老後のためだから問題ない」と言いますが、貯金が増えても、そのまま生活保護を受け続けられるのでしょうか?
生活保護を受給している知人が、毎月の生活保護費を節約して3万円ずつ貯金していると聞くと、「そんなに貯めても大丈夫なの?」と疑問に思う人もいるでしょう。毎月3万円なら1年間で36万円、3年間では108万円になります。
 
生活保護は、預貯金などの資産を生活のために活用しても、なお生活に困っている人を支える制度です。ただし、生活保護を受給している人の貯金が一律に禁止されているわけではありません。
 
今回は、生活保護費をやりくりして貯金する場合の考え方や、貯金に上限はあるのか、「老後のため」なら問題ないのかについて解説します。
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生活保護費をやりくりして毎月貯金すること自体は禁止されていない

厚生労働省によると、生活保護は、利用できる資産や能力などを最低限度の生活のために活用することを前提としています。そのため、生活保護を受ける際に預貯金などの資産があれば、原則として生活費に充てる必要があります。
 
一方、生活保護を受給し始めてから貯金すること自体は禁止されていません。
 
厚生労働省の「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」では、すでに支給された保護費をやりくりして生じた預貯金について、その使い道が生活保護の趣旨や目的に反しないと認められれば、保有を認めてもよいとされています。
 
その際には、生活保護を受ける前から持っていた資産ではないか、収入を申告しないなど不正な方法で貯めたお金ではないかなども確認されます。
 
したがって、「毎月3万円を貯めている」という事実だけで、直ちに生活保護を受けられなくなるわけではありません。
 

生活保護受給中の貯金には「○万円まで」という一律の上限はない

生活保護受給中の貯金について、全国一律で「○万円までなら貯めてもよい」という明確な上限額が設定されているわけではありません。
 
重要なのは、金額だけでなく、どのように貯めたお金なのか、何に使う予定なのかという点です。
 
例えば、毎月3万円なら1年間で36万円、3年間では108万円です。長期間にわたって同じ金額を貯め続ければ、預貯金はまとまった金額になります。
 
預貯金が増えただけで機械的に生活保護が廃止されるわけではありませんが、使い道が生活保護の趣旨や目的に反すると判断されれば、最低生活の維持のために活用すべき資産として扱われる可能性があります。その場合、状況に応じて生活保護が停止・廃止されることもあります。
 
そのため、「100万円までは大丈夫」などと金額だけで判断しないことが大切です。
 

「老後のため」でもケースワーカーへの相談が大切

今回の知人は「老後のためだから問題ない」と考えているようですが、老後資金という目的なら、いくらでも貯められるというわけではありません。
 
厚生労働省の取扱いでは、保護費のやりくりによって生じた預貯金について、福祉事務所がその使用目的を確認することになっています。
 
例えば「将来が不安だから、使い道を決めずにできるだけ貯めておく」という場合と、将来必要になる具体的な支出に備えて計画的に貯めている場合では、事情が異なります。
 
毎月3万円ずつ貯め続けて残高が大きくなってきた場合は、「老後のためだから大丈夫」と自己判断せず、担当ケースワーカーに貯金額や目的を伝えて相談するとよいでしょう。何のために、どの程度の金額を貯める予定なのかを具体的に説明しておけば、今後の管理についても確認できます。
 

まとめ:貯金が増えただけで直ちに生活保護を受けられなくなるわけではない

生活保護を受給していても、支給された保護費をやりくりして貯金すること自体は禁止されていません。また、「○万円を超えたら生活保護を受けられない」という全国一律の上限が決められているわけでもありません。
 
したがって、毎月3万円を貯めているからといって、直ちに生活保護が停止・廃止されるとは限りません。
 
ただし、貯金が認められるかどうかは、貯めた経緯や使い道などによって判断されます。「老後のため」という理由だけで、無制限に貯められると考えるのは避けたほうがよいでしょう。
 
毎月3万円なら数年で100万円を超えるため、まとまった金額になってから問題になることを避けるには、早めに担当ケースワーカーへ相談することが大切です。制度のルールを確認しながら計画的にお金を管理することで、将来への備えと現在の生活を両立しやすくなるでしょう。
 

出典

厚生労働省 生活保護制度
厚生労働省 生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて 問18 生活保護の受給中、既に支給された保護費のやり繰りによって生じた預貯金等がある場合はどのように取り扱ったらよいか。
厚生労働省 生活保護法 (届出の義務)第六十一条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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