マンションの廊下に「自転車・ベビーカー」を置く隣人。注意しても「邪魔になってない」「通るとこあるでしょ」と言いますが、2歳のわが子が怪我しないか心配です…管理費を払ってるなら“撤去”を求められますか?
特に小さな子どもがいる家庭では、走り回った際にぶつかったり、避けようとして転倒したりしないか心配になるでしょう。共用廊下の私物について、住民はどこまで撤去を求められるのでしょうか。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
共用廊下は「自分の家の前」でも自由に使えない
まず確認したいのは、マンションの共用廊下は原則、個人の専有部分ではないという点です。国土交通省のマンション標準管理規約では、廊下や階段などは共用部分とされています。
そのため、自分の住戸の玄関前であっても、「自分のスペースだから自由に使っていい」とは限りません。共用部分の使い方は、マンションごとの管理規約や使用細則などによって決められています。
例えば、共用廊下への私物の放置を禁止するルールが定められているマンションであれば、廊下の端に置いているだけでも規約違反となる可能性があります。
一方、置き配などで一時的に物品が置かれる場合は許可されているかもしれません。重要なのは、マンションの管理規約などでどのようなルールが定められているかです。
「邪魔になっていない」だけでは問題ないとは限らない
隣人が「廊下の端に置いているから邪魔になっていない」と考えていても、それだけで問題ないとはいえません。
共用廊下は、普段の通行だけでなく、火災や地震などが発生した際の避難経路にもなります。そのため、避難の妨げになるような物品を置くことは、安全面からも問題になるでしょう。
ただし、共用廊下に私物が置かれているからといって、すべての場合で問題となるわけではありません。物品の大きさや数、置かれている場所などを踏まえて判断されます。
例えば、小さな荷物が一時的に置かれているケースと、自転車や大量の段ボールなどを継続的に置いているケースでは、問題の程度も異なります。「子どもがぶつかるかもしれない」という不安がある場合も、まずは具体的にどの程度通行の妨げになっているのかを確認しましょう。
「管理費を払っているから撤去できる」は誤解
では、「自分も毎月管理費を払っているのだから、隣人の私物を撤去してもらえる」と考えてよいのでしょうか。結論として、管理費を支払っていることだけを理由に、隣人へ直接撤去を求める権利は生じません。
管理費は、マンションの共用部分の維持・管理など、マンション全体の管理に必要な費用として負担するものです。一方、共用部分をどのように使用できるかは、管理規約や使用細則などのルールに基づいて判断されます。
したがって、「管理費を払っているのだから撤去してください」と隣人に直接要求するより、まずマンションのルールを確認するのが適切です。管理規約などで共用廊下への私物の放置が禁止されていれば、管理組合や管理会社に相談し、規約に沿った対応を求められます。
隣人と直接対立せず管理会社などに相談を
隣人に直接「子どもが危ないので撤去してください」と伝える方法もありますが、相手が「邪魔になっていない」と考えている場合、住民同士のトラブルに発展するかもしれません。
そこで、まずは管理会社や管理組合に相談するのがおすすめです。相談するときは、「隣人が迷惑な物を置いている」と感情的に訴えるのではなく、「共用廊下に荷物が置かれており、2歳の子どもが通る際に接触する危険を感じている。
管理規約上、問題がないか確認してほしい」と具体的に伝えるとよいでしょう。管理会社や管理組合から、マンション全体への注意喚起や該当する住戸への確認をしてもらえば、隣人と直接言い争うことなく解決できる可能性があります。
まとめ
マンションの共用廊下は、住戸の前であっても個人が自由に私物を置ける場所とは限りません。特に避難や通行の妨げになる場合は、安全面から問題となる可能性があります。
ただし、私物が置かれているだけで直ちに問題となるわけではなく、物の大きさや場所、管理規約などによって判断は異なります。「管理費を払っているから」という理由だけで撤去を求めるのではなく、まず規約を確認し、管理会社や管理組合を通して対応するのが無難でしょう。
出典
国土交通省 マンション標準管理規約(単棟型)
執筆者 : 仲千佳
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
