娘が「自宅から通える大学」と「一人暮らしが必要な大学」で迷っています。「学費はほぼ同じ」でも、4年間の総額ではいくら差が出るのでしょうか?
学費がほぼ同じでも、一人暮らしでは家賃や食費などがかかるため、4年間の総額には大きな差が生じます。本記事では、自宅通学と一人暮らしの費用の違いや、国公私立大学の学費、費用を抑える方法について解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
自宅通学と一人暮らしでは4年間で約323万円の差が出る可能性
全国大学生活協同組合連合会の「第61回学生生活実態調査」によると、2025年の大学生の1ヶ月当たりの支出合計は、自宅生が7万760円、下宿生が13万8020円でした。
この金額を基に4年間の支出を計算すると、表1のようになります。
表1
| 自宅通学 | 一人暮らし | |
|---|---|---|
| 1ヶ月の支出 | 7万760円 | 13万8020円 |
| 1年間の支出 | 約85万円 | 約166万円 |
| 4年間の支出 | 約340万円 | 約662万円 |
※筆者作成
4年間の差額は約323万円です。学費が同じでも、生活に関する支出には大きな差が生じます。
ただし、調査の支出合計には貯金・繰越金も含まれています。また、自宅生の食費や光熱費など、家族が負担する費用は十分に反映されていません。そのため、実際の家計負担とは異なる点に注意しましょう。
下宿生の住居費は月平均5万5452円で、4年間では約266万円になります。さらに、入居時には敷金や礼金、家具・家電の購入費なども必要です。
一人暮らしを検討する際は、毎月の生活費だけでなく、入学前に必要な費用も準備しておきましょう。
国立・公立・私立大学では4年間の学費はどれくらい違う?
今回のケースでは、進学先による学費の差はほとんどないとされていますが、大学にかかる費用を比較するうえで、学費についても確認しておきましょう。
大学の学費は、国立・公立・私立によって異なります。文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」によると、2025年度の授業料と入学料は表2のとおりです。
なお、国立大学は標準額、公立・私立大学は平均額です。公立大学の入学料は地域外からの入学者の平均額を使用しています。4年間の合計には施設設備費などを含みません。
表2
| 年間授業料 | 入学料 | 4年間の合計 | |
|---|---|---|---|
| 国立大学 | 53万5800円 | 28万2000円 | 約243万円 |
| 公立大学 | 約53万7000円 | 約38万3000円 | 約253万円 |
| 私立大学 | 約96万8000円 | 約24万円 | 約411万円 |
※筆者作成
国立大学と私立大学では、4年間の学費に約168万円の差があります。ただし、実際の学費は大学や学部によって異なります。また、生活費を含めると、学費が安い大学でも総額が高くなる場合があります。
例えば、国立大学で一人暮らしをする場合、表1を参考にすると、4年間の学費と支出の合計は約905万円です。一方、私立大学に自宅から通う場合は約751万円となります。
この例では、私立大学に自宅から通うほうが約154万円安くなります。そのため、進学先を比較する際は、学費と生活費を合わせて考えることが重要です。
一人暮らしを選ぶ場合に必要な費用を抑える方法
一人暮らしをする場合は、住居費を見直すことで支出を抑えられます。例えば、家賃を月1万円抑えられれば、4年間で48万円の節約になります。大学の学生寮や、家賃が比較的安い物件を検討するとよいでしょう。
ただし、家賃が安くても大学までの交通費が高ければ、節約効果は小さくなります。通学時間や交通費も含めて比較しましょう。また、奨学金の活用も選択肢のひとつです。奨学金には返済が必要な貸与型と、原則返済不要の給付型があります。
家庭の収入などによっては、給付型奨学金や授業料減免を利用できる可能性があります。日本学生支援機構や大学の案内を確認し、利用できる制度を早めに調べておきましょう。
大学選びでは学費と生活費を合わせた4年間の総額を比較しよう
今回の調査を基に計算すると、自宅通学と一人暮らしでは、4年間の支出合計に約323万円の差が生じます。ただし、大学選びでは費用だけでなく、子どもが学びたい分野や卒業後の進路も重要です。
まずは志望大学ごとに、学費と生活費を含めた4年間の総額を試算しましょう。そのうえで、家計から負担できる金額や奨学金の利用について親子で話し合うことをおすすめします。
費用と子どもの希望の両方を考え、納得できる進学先を選びましょう。
出典
全国大学生活協同組合連合会 第61回学生生活実態調査 概要報告 1.学生の経済状況(2~4ページ)
文部科学省(参考2)国公私立大学の授業料等の推移
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
