退職して職業訓練を受けようと思っています。訓練期間中に月10万円ほどの給付金を受け取れる制度があると聞きましたが、失業手当を受けていても対象になるのでしょうか?
実は、失業手当を受けられる人と受けられない人では、利用する制度が異なります。
ファイナンシャルプランナー、CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー
月10万円の正体は「職業訓練受講給付金」
いわゆる「月10万円の給付金」は、求職者支援制度の「職業訓練受講給付金」を指します。主に、雇用保険の失業給付を受けられない求職者が、無料の職業訓練を受けながら再就職を目指すための制度です。
一定の要件を満たせば、職業訓練受講手当として月10万円が支給され、さらに訓練施設までの交通費にあたる通所手当などが支給される場合もあります。
失業手当との同時受給は原則できない
注意したいのは、失業手当を受給している人は、原則として月10万円の職業訓練受講給付金の対象にならないことです。つまり、「失業手当を受け取りながら、さらに月10万円が上乗せされる」制度ではありません。
一方、失業手当を受給できる人には別の支援があります。ハローワークの受講指示を受けて公共職業訓練を受講する場合、基本手当を受け取りながら訓練を受けられます。
また、一定の要件を満たせば、本来の給付日数が訓練途中で終了しても、訓練終了まで基本手当が支給される「訓練延長給付」の対象になる場合もあります。
月10万円には収入・資産の条件がある
失業手当を受けていなければ、誰でも月10万円を受け取れるわけでもありません。
職業訓練受講給付金には、本人の収入が月8万円以下、世帯全体の収入が月30万円以下、世帯の金融資産が300万円以下などの要件が設けられています。そのため、退職して本人の収入がなくなっても、配偶者など同一世帯の収入や金融資産によっては、対象にならない場合があります。
2025年4月から自己都合退職のルールも変更
2025年4月1日以降の自己都合退職では、給付制限期間が原則2ヶ月から1ヶ月に短縮されました。さらに、一定の教育訓練等を受けた場合には給付制限が解除され、7日間の待期期間終了後から基本手当を受給できる仕組みが設けられています。
退職を機に資格取得やスキルアップを考えている人にとって、確認しておきたい制度改正です。
まとめ
退職後に職業訓練を考えている場合、まず確認したいのは「自分が失業手当を受給できるか」です。
失業手当を受給できず、一定の要件を満たす人は「月10万円の職業訓練受講給付金」、失業手当を受給できる人は「失業手当を受けながら職業訓練」というように、利用する仕組みが異なります。
特に公共職業訓練では、ハローワークから受講指示を受けることが重要です。受けたい講座を自分で申し込む前に、「失業手当を受けながら職業訓練を受けたい」とハローワークに相談し、自分が利用できる制度を確認しておきましょう。
出典
厚生労働省 求職者支援制度のご案内
厚生労働省 ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)
厚生労働省 令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます
執筆者 : 水上克朗
ファイナンシャルプランナー、CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー
