友人に愛車を“半日だけ”貸したら、後日「放置違反金1万5000円の納付命令」が届きがく然…友人は「ちょっと路駐しただけ」と悪びれない様子ですが、運転してない自分が払うんですか? 免許にキズが付くでしょうか?

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友人に愛車を“半日だけ”貸したら、後日「放置違反金1万5000円の納付命令」が届きがく然…友人は「ちょっと路駐しただけ」と悪びれない様子ですが、運転してない自分が払うんですか? 免許にキズが付くでしょうか?
今回は、「ちょっとの間だから」と、友人に愛車を貸した35歳の会社員の話です。友人が車を使ったのは半日ほどでしたが、後日自宅に届いたのは「放置違反金1万5000円の納付命令」という通知でした。友人に問いただすと、返ってきたのは「え、あの日ちょっと路駐しただけだよ」という、悪びれない一言だったとのことです。
西村和樹

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、第一種/第二種電気工事士、医療情報技師、2級ボイラー技士、ボイラー整備士

なぜ“運転していない”会社員に請求が来るのか

駐車違反は、運転者がその場にいれば、警察官に青切符を切られて反則金を納める形で処理されます。一方、運転者が車を離れていて取り締まりを受けても出頭しないままでいると、別のルートで責任が追及されることになります。それが「放置違反金」の制度です。
 
平成18年(2006年)6月1日に施行された改正道路交通法第51条の4に基づく制度で、運転者の責任を追及できない場合に、公安委員会が車両の“使用者”に放置違反金の納付を命じることができます。
 
ここでいう使用者とは、車両を使用する権限を持ち、運行を支配・管理している人のことで、通常は自動車検査証の使用者欄に記載されている人が該当します。友人に車を貸していても、車検証上の持ち主は、この“使用者”そのものにあたります。
 

「運転していなかった」と訴えても

納付命令を受けた使用者が「自分は運転していない」と主張しても、原則として支払い義務からは逃れられません。不服がある場合に認められているのは、公安委員会への異議申立てだけです。友人が違反を認めていたとしても、納付命令の宛先はあくまで車の使用者のほうに向きます。
 

違反点数はつかなくても、違反金だけは発生

放置違反金制度では、自動車の使用者に運転免許の違反点数は加算されません。点数が付くのは、運転者本人が出頭して反則金を納付した場合のみで、使用者として納付命令に応じただけでは、免許にキズはつかないということです。
 
ただ、金額の負担そのものは免除されません。普通車や軽自動車が駐車禁止の場所で放置駐車違反をした場合の放置違反金は1万5000円で、これは運転者が出頭して反則金を納める場合と同じ金額です。点数という“ペナルティ”は運転者のものにならず、“お金”という負担だけが使用者である車の持ち主のもとに残る格好になります。
 

繰り返されると、車自体が使えなくなることも

さらに注意したいのは、同じ車両で6ケ月以内に一定回数以上の放置違反金の納付命令を受けると、公安委員会から車両の使用制限を命じられる可能性があることです。
 
また、納付命令を受けたまま支払わずに督促も無視していると、次の車検のときに自動車検査証を返してもらえない、いわゆる車検拒否の対象になることもあります。車を貸した相手の不注意が、自分名義の車そのものの使用に影響してくる可能性があるということです。
 

車を貸すときに知っておきたいこと

友人や家族に車を貸す行為自体は、法律で禁止されていません。ですが、駐車違反に関しては、運転していた人ではなく、車検証に名前が載っている人に請求が向かうことがあるという仕組みを知っておくだけで、貸すときの心構えは変わってくるでしょう。
 
駐車場所の確認を一声かけておく、違反の通知があったらすぐに連絡してもらうよう伝えておくといった、小さな一手間が、思わぬ1万5000円を防ぐことにつながります。
 
“半日だけだから”と気軽に車を貸した35歳の会社員のように、運転していない自分のところに請求書が回ってくる仕組みは、知らなければ理不尽にしか感じられません。放置違反金は、使用者としての責任を淡々と問う制度だということを、頭の片隅に置いておいてください。
 
執筆者 : 西村和樹
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、第一種/第二種電気工事士、医療情報技師、2級ボイラー技士、ボイラー整備士

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