「世帯年収600万円」は“親ガチャ外れ”!? SNS投稿に「まともな暮らしできない」「子どもはおもちゃじゃない」と批判多数…実際“子ども1人育てる”のに年収低すぎ?「子育て世帯の平均年収」を確認

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「世帯年収600万円」は“親ガチャ外れ”!? SNS投稿に「まともな暮らしできない」「子どもはおもちゃじゃない」と批判多数…実際“子ども1人育てる”のに年収低すぎ?「子育て世帯の平均年収」を確認
先日、X(旧Twitter)で「世帯年収600万円は親ガチャ外れらしいよ! それなら外れの親が多すぎるのでは」といった趣旨の投稿が注目を集め、10月中旬時点で約430万回表示されました。
 
これに対し、「今の物価では不自由な暮らしになる」「子どもはおもちゃじゃない(のだから、経済的に不自由させるのが分かっているのに産むべきではない)」といった厳しい反応がある一方、「3人家族なら暮らせる」「地域や生活水準による」といった意見もみられます。
 
では実際、世帯年収600万円は子ども1人を育てるには低すぎるのでしょうか。本記事では、年収600万円では子育てができないのかについて見ていきましょう。
高柳政道

FP1級、CFP、DCプランナー2級

世帯年収600万円は子育て世帯では珍しい?

厚生労働省の2025年「国民生活基礎調査」によると、児童のいる世帯の2024年の平均所得は857万3000円です。また、児童のいる世帯の所得中央値は766万円となっています。600万円は子育て世帯の真ん中より低い水準といえます。
 
一方、児童のいる世帯の所得分布を見ると、500~600万円未満と600~700万円未満はいずれも約1割を占めています。600万円前後の世帯が極端に珍しいわけではありません。
 
世帯主の年齢別に全世帯を見ると、30~39歳の平均所得は646万9000円、40~49歳は761万8000円です。
 
なお、国民生活基礎調査の「所得」は給与だけではなく、世帯員のさまざまな所得を含みます。そのため、会社員の額面年収と完全に同じではありませんが、600万円が30~40代で例外的に低い水準とはいいにくいでしょう。
 

都内・3人暮らし・家賃18万円なら平均的な支出をまかなえる?

夫婦と子ども1人で東京に住み、家賃18万円と仮定してみましょう。総務省「家計調査」の2025年平均では、全国の3人世帯の消費支出は月32万4047円で、うち住居費は1万7629円です。
 
この住居費を家賃18万円に置き換えると、
 
32万4047円-1万7629円+18万円=約48万6000円
 
となり、年間支出は約584万円です。
 
世帯年収600万円は税金や社会保険料を差し引く前の金額なので、都内で家賃18万円を払いながら、この平均的な支出水準をそのまま維持するのは難しいと考えられます。
 
ただし、「夫1人で600万円」と「夫婦それぞれ300万円」では、世帯の手取りが異なります。また、家計調査の3人世帯には持ち家世帯なども含まれるため、月48万6000円が3人家族に必ず必要という意味ではありません。
 
とはいえ、家賃18万円を負担するなら、食費やレジャー費、保険料、教育費などを平均より抑える必要が生じる可能性はあるでしょう。
 

年収600万円でも大学まで通わせられる?

世帯年収600万円だからといって、大学進学を諦めなければならないわけではありません。2026年度から高校の就学支援金は所得制限が撤廃され、私立高校全日制では最大年45万7200円まで授業料が支援されます。
 
大学では、国立大学の標準額なら入学料28万2000円、授業料年53万5800円で4年間約243万円です。私立大学は、2025年度の初年度納付金が平均150万7647円で、進学先によって必要額は大きく変わります。
 
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金も、家族構成や所得によっては利用できる可能性があります。ただし、奨学金の返還は卒業後に重い経済的な負担ともなり得ます。そのため、子どもによっては「奨学金で進学する=親ガチャ外れ」と考えるケースもあるでしょう。
 

子どもに我慢をさせることになる?

世帯年収600万円でも、公立中心の進学や児童手当の貯蓄、奨学金などを組み合わせれば、大学進学そのものが難しい収入水準とはいえません。
 
一方、都内で家賃18万円を払いながら、習い事を複数続ける、私立中学へ進学する、大学で一人暮らしをするといった希望をすべて無条件にかなえるのは難しい場合があります。
 
「子どもに我慢をさせるか」は、年収600万円という数字だけでは決まりません。住居費を抑えるのか、教育費を優先するのかなど、家庭ごとのお金の使い方によって大きく変わります。
 

まとめ

世帯年収600万円は、児童のいる世帯の中央値766万円を下回りますが、600万円前後の子育て世帯は珍しくありません。ただし、都内で家賃18万円を負担しながら全国平均並みの消費を続けるのは厳しく、住居費や教育費などに優先順位をつける必要があります。
 
年収だけで、子どもの生活を「当たり・外れ」と判断するのではなく、住む地域、家賃、教育方針、貯蓄、利用できる支援制度まで含めて考えることが重要です。
 

出典

厚生労働省 2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況
総務省統計局 国民生活基礎調査 令和7年国民生活基礎調査 所得・貯蓄
総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 第3-1表 世帯人員別1世帯当たり1か月間の収入と支出
 
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級

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