スーパーで会計を終えて帰宅した直後、店から「お釣りを1万円多く渡していました」と突然電話がかかってきました。すでに一部を使ってしまったのですが、それでも全額返すのが普通なのでしょうか?
結論からいえば、余分に受け取ったお金は自分のものになるわけではなく、原則として返還を求められる可能性があります。ただし、いつ間違いに気づいたのか、店側がどのように金額を確認したのかなども大切です。
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多く受け取った釣り銭は「不当利得」として返還の対象になり得る
民法703条は、法律上の原因なく他人の財産や労務によって利益を受け、そのために他人へ損失を与えた人は、利益が残っている限度で返還する義務を負うと定めています。
会計で店員が本来より1万円多く釣り銭を渡した場合、客側にはその1万円を受け取る根拠がありません。そのため、店がミスを確認できれば、余分な1万円について返還を求めることが考えられます。
「店員が間違えたのだから、受け取った側に責任はない」と感じるかもしれません。しかし、店側のミスであることと、余分な金銭をそのまま自分のものにできるかどうかは別の問題です。まずはレシートや当日の支払額、店側のレジ記録などを確認し、本当に1万円多く受け取ったのかを双方で確かめることが大切です。
すでに一部を使ったからといって、返さなくてよいとは限らない
「もう使ってしまったから返せない」という事情だけで、当然に返還義務がなくなるわけではありません。
民法703条では善意の受益者について「利益の存する限度」で返還するとされていますが、現金を生活費などに使った場合でも、その支出によって自分の手元の別のお金を使わずに済んだと評価されることがあります。したがって、単に「使ってしまった」という理由だけで返還額がゼロになるとは考えにくいでしょう。
また、店から連絡を受けて過払いだと知った後に、あえて残りのお金を使うことは避けるべきです。民法704条では、悪意の受益者は受けた利益に利息を付して返還し、なお損害がある場合には賠償責任を負うとされています。
突然の電話だけで支払わず、金額の根拠を確認する
返還すべき可能性が高いからといって、電話を受けたその場で相手の言うまま振り込む必要はありません。まずは店舗名、担当者名、会計日時、レジ番号、購入金額、本来のお釣り、実際に渡したとする金額などを確認しましょう。可能であれば、レシートを手元に置き、自分の記憶や財布の残額とも照らし合わせます。
「スーパーを名乗る電話」を利用した詐欺の可能性を完全に否定することはできませんので、折り返す場合は着信番号ではなく、公式サイトやレシートに記載された店舗の代表番号へ自分から電話し直すと安心です。
返す場合は記録が残る方法にする
返還することになったら、店頭で担当者に手渡して受領書をもらう、または店舗が正式に指定した口座へ振り込むなど、返した事実が残る方法を選びましょう。「現金を持って店まで来てください」と言われた場合でも、返還額と受領日が分かる書面やレシートを受け取っておくと、後日の二重請求を防ぎやすくなります。
一括での返還が難しい場合には、事情を説明して返還方法を相談する余地もあります。重要なのは、過払いを知ったあとに放置したり、返還を拒み続けたりすることではなく、金額を確認した上で誠実に対応することです。
まとめ
スーパーから本当に1万円多く釣り銭を受け取っていたのであれば、そのお金は原則として自分のものにはならず、返還を求められる可能性があります。すでに一部を使っていても、それだけで返さなくてよいとは限りません。
一方、電話だけで金額を決めつけず、レシートやレジ記録などで過払いの事実を確認することも大切です。返還する場合は、受領書など記録が残る形で対応しましょう。
出典
e-Gov法令検索 民法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
