マンションの上階から水漏れし、家具に「20万円」の被害が! 夫は「上の住人が全額払うべき」と言いますが、被害額のすべてを補償してもらえるのでしょうか?
例えば、20万円で購入した家具が水漏れによって壊れても、上階の住人に20万円を請求できるとは限りません。水漏れの原因や家具の現在の価値によって、補償額が変わるためです。
本記事では、水漏れによる損害を誰が補償するのか、補償額はどのように決まるのかを解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
水漏れによる被害は誰が補償する?
マンションで水漏れが発生した場合、誰が損害を補償するかは、水漏れの原因によって異なります。
例えば、上階の住人が浴槽の水を止め忘れたり、洗濯機の排水ホースを正しく取り付けていなかったりした場合です。このような不注意によって水漏れが発生した場合、原則として上階の住人が損害賠償責任を負います。
国土交通省の資料でも、居住者の過失による水漏れで下階のテレビが壊れた場合、損害賠償が必要になると説明されています。
一方、建物の共用部分にある配管の老朽化などが原因の場合は、上階の住人に責任があるとは限りません。分譲マンションでは、管理組合などが責任を負う可能性があります。そのため、水漏れが発生したら、まずは管理会社や管理組合に連絡し、原因を調べてもらうことが大切です。
20万円の家具が壊れても全額補償されるとは限らない
上階の住人に責任がある場合でも、家具の購入金額をそのまま補償してもらえるとは限りません。損害賠償では、原則として被害を受けた時点の家具の価値などを踏まえて金額が判断されるためです。
例えば、20万円で購入したソファが水漏れによって使えなくなったとします。
購入したばかりであれば、購入金額に近い補償を受けられる可能性があります。一方、購入から10年が経過している場合、使用による劣化などを考慮すると、現在の価値は購入時より低くなっている可能性があります。
仮に、同程度の中古ソファを購入する費用が5万円と評価された場合、賠償額も5万円程度になることが考えられます。ただし、実際の金額は家具の状態や市場価格などによって変わります。
なお、家具が修理できる場合は、買い替えではなく、必要かつ妥当な修理費用が賠償の対象となることもあります。つまり、20万円の家具が壊れたからといって、必ず20万円が支払われるわけではありません。
水漏れの被害に遭ったら何をすればよい?
水漏れの被害に遭った場合は、速やかに管理会社や管理組合へ連絡し、被害の拡大を防ぎましょう。
同時に、水漏れした場所や壊れた家具の写真を撮影しておくことも重要です。家具の購入金額が分かる領収書や修理の見積書なども、補償を求める際の資料として役立ちます。
また、保険を利用できる可能性もあります。
例えば、上階の住人が「個人賠償責任保険」に加入していれば、その保険から損害が補償される場合があります。個人賠償責任保険とは、日常生活で他人の物を壊すなどして、法律上の賠償責任を負った場合に備える保険です。
さらに、自分が加入している火災保険でも、家財の水濡れ被害が補償対象となる場合があります。
火災保険には、同等の家具を新しく購入するための金額を基準に補償する契約もあります。そのため、相手への損害賠償請求とは異なる基準で保険金が計算される可能性があります。
ただし、補償対象や自己負担額は契約内容によって異なります。また、同じ損害について、相手からの賠償金と自分の保険金を重複して受け取れるとは限りません。
まずは加入している保険会社に連絡し、補償の対象になるか確認しましょう。
水漏れの補償は原因や家具の価値によって変わる
マンションの上階から水漏れが発生した場合、上階の住人が必ずすべての被害を補償するわけではありません。
誰が責任を負うかは水漏れの原因によって異なり、家具の補償額も購入金額ではなく、現在の価値などを基準に判断されることがあります。
水漏れが発生した際は、管理会社などに原因の調査を依頼するとともに、被害状況を記録し、保険の契約内容も確認しましょう。適切な補償を受けるためにも、被害の証拠をそろえ、冷静に話し合うことが大切です。
出典
国土交通省 民間賃貸住宅に関する相談対応事例集(再改訂版) Q2-1.居住者の過失による水漏れ(66ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
