“出産予定が3月”ですが、姉に「3月生まれは児童手当11万円、扶養控除1年分が損」と言われた!「保育園入園も不利」と聞きますし、早生まれは“デメリットばかり”ですか? 制度のズレと「長期的な視点」が大事な理由
早生まれ(1月1日~4月1日生まれ)には、公的な制度の仕組み、自治体の保育園の入園条件、幼少期の発育スピードの違いなどにより、金銭面や保育園探しのハードルがあります。
本記事では、早生まれが「損」と言われる制度上の根拠を解説します。
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児童手当の受給総額に差が生じる仕組み
早生まれで指摘される金銭的な差が、「児童手当の総受給額」です。
児童手当は、原則として申請した月の翌月分から、高校生年代(18歳に達する日以後の最初の3月31日まで)まで支給される仕組みです。そのため、同じ学年でも「4月生まれ」と「翌年3月生まれ」では、手当を受け取れる月数に差が生じます。
児童手当の月額は、3歳未満が1万5000円、3歳以上から高校生年代までが1万円(第3子以降は一律3万円)です。
4月生まれと3月生まれで11ヶ月分の差が生じた場合、月額1万円で計算すると差は11万円となります。このように、生まれ月によって受給できる期間に差が生じることは、制度の仕組み上避けられません。
扶養控除(高校生年代)で1年遅れる税金面の落とし穴
児童手当だけでなく、将来の税金(扶養控除)においても、早生まれには適用時期のずれがあります。
所得税や住民税の扶養控除は、原則として、その年の12月31日時点で16歳以上の子どもが対象です。高校1年生の年に16歳になる子どもと、翌年に16歳になる子どもを比較すると、扶養控除の適用開始時期に違いが生じます。
例えば、4月2日から12月31日までに生まれた子どもは、高校1年生の年の12月31日時点で16歳になっているため、ほかの要件を満たせばその年から扶養控除の対象です。
一方、1月1日から4月1日までに生まれた早生まれの子どもは、高校1年生の年の12月31日時点では15歳です。そのため、扶養控除の対象となるのは、原則として高校2年生の年からになります。
このように、早生まれの子どもは、扶養控除を受けられる開始時期が1年遅れます。
0歳児4月入園(生後57日ルール)と保活の壁
金銭面と並んで保護者を悩ませるのが、保育園の入園(保活)問題です。自治体や保育施設によっては、0歳児入園の条件として「生後57日以上から」と基準を設けています。
3月生まれの赤ちゃんの場合、4月1日時点では生後57日の基準を満たしておらず、入園しやすい0歳児クラスの4月入園が利用できません。年度途中で入園を希望する場合、定員に空きがなければ入れないため、結果として1歳児クラスでの4月入園を目指すことになるでしょう。
しかし、1歳児クラスは、0歳児クラスからの持ち上がりなどで新規募集枠が限られ、希望する保育園に入りにくい地域もあります。そのため、「希望する保育園に入れない」「育休の延長を検討せざるを得ない」といった保活上の課題に直面する人も少なくありません。
「早生まれは損」という焦りを手放す、長い目で見た子育て
早生まれの子どもを持つ親は、「周りの子に比べて体や言葉の発達が遅いのでは」「運動や勉強で苦労するかもしれない」など、幼児期や小学校の低学年ほど不安を感じやすくなります。
たしかに同じ学年の4月生まれの子どもと比べると、体格差やできることの差が目立ちやすいでしょう。しかし、年齢が同じ学年の子ども同士でも、発達のペースには個人差があります。成長するにつれて月齢による差が目立たなくなることも多く、早生まれだからといって将来の可能性が狭まるわけではありません。
また、少し年上の子どもたちに囲まれて育つ環境が、よい刺激となり、自立心を育むきっかけになることもあります。
制度上の手当や控除のずれなど目先の「損得」に振り回され過ぎず、「うちの子のペースでゆっくり大きく育っていけばいい」という長い目で子どもに向き合うことが、早生まれの子育てを楽しむための秘訣(ひけつ)です。
制度のズレを理解して長期的な視点で子育てを
税制や手当の仕組み上、早生まれは制度の恩恵を受けるタイミングが後ろにずれやすく、「損をしている」と感じてしまいがちです。しかし、こうした違いは生まれ月によって生じるものであり、個人の努力だけでは変えられない部分があります。
児童手当の申請期限や保育園の入園条件などを事前に確認し、必要な手続きを着実に進めることが大切です。そのうえで、デメリットばかりにとらわれず、長い目で子どもに向き合っていきましょう。
早生まれならではの成長のプロセスを温かく見守りながら、安心して子育てを進めていってください。
出典
こども家庭庁 児童手当制度のご案内
国税庁 No.1180 扶養控除
厚生労働省 保育所の設備及び運営に関する基準の条例制定状況及び運用状況等
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
