自宅のテレビでBSは映りますが、わが家ではまったく見ません。夫は「見ないならNHKは地上契約だけでいい」と言いますが、本当でしょうか? 年間の受信料の差も確認
NHKの受信契約はおもに2種類あり、どちらを結ぶかで毎年の支払額が変わります。見ていない放送の分まで払うのは損だと感じるのも、自然なことでしょう。
本記事では、BSを見ない家庭でも衛星契約が必要になるのかを確認したうえで、2つの契約で年間の受信料がどれだけ違うのかを試算します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
NHKの「地上契約」と「衛星契約」の違い
NHKとの受信契約は、自宅に置いている受信機でどの放送を受けられるかによって、種類が分かれます。
・地上契約:地上放送だけを受けられるテレビなどを置いている場合
・衛星契約:地上放送に加えて、BSなどの衛星放送も受けられるテレビなどを置いている場合
衛星契約の受信料には地上放送の分も含まれているため、衛星契約を結んでいれば、地上契約を別に結ぶ必要はありません。
BSを一度も見なくても衛星契約が必要?
夫の考え方は、契約の種類を「見るかどうか」で決めようとしている点で、制度の考え方とずれています。受信契約の種類を決めるのは、「実際に視聴しているか」ではなく、「受信できる設備を置いているか」だからです。
今回の家庭ではテレビでBSが映るため、衛星放送を受けられる設備がそろっていることになります。家族が一度もBSを見ていなくても、結ぶべき契約は衛星契約です。
受信契約を結ぶ義務の根拠は「放送法」の第64条第1項です。同法では「特定受信設備を設置した者」は、「協会と受信契約を締結しなければならない」と明記しています。
正当な理由がないのに受信契約の申込みをしない場合、受信料の2倍に相当する額の「割増金」を求められるかもしれません。地上契約を結んでいる世帯が、新たにBSを受けられるテレビを置いた場合も、期限までに衛星契約への変更を申し込む必要があります。
受信料は年間いくら違う?
NHKの地上契約および衛星契約の受信料を表1にまとめました。括弧内は2ヶ月あたりの金額を表しています。
表1
| 衛星契約 | 地上契約 | 衛星契約と地上契約の差額 | |
|---|---|---|---|
| 2ヶ月払い | 3900円 | 2200円 | 1700円 |
| 6ヶ月払い | 1万1186円 (約3729円) |
6309円 (2103円) |
4877円 (約1626円) |
| 12ヶ月払い | 2万1765円 (約3628円) |
1万2276円 (2046円) |
9489円 (約1582円) |
出典:日本放送協会 NHK受信料の窓口「NHKの料金」を基に筆者作成
受信料は、まとめて前払いするほど割安になる仕組みです。夫の主張の通り地上契約だけで済むなら、1年あたりの負担は12ヶ月払いで9489円、2ヶ月払いで1万200円軽くなる計算です。
反対に、衛星契約のままでも払い方を見直す余地はあるでしょう。2ヶ月払いを1年続けると3900円×6回で2万3400円ですが、12ヶ月前払いにすれば2万1765円となり、1635円安くなります。
なお、沖縄県は料金が別に定められているほか、家族割引や団体一括割引といった割引制度もあります。
地上契約のみにする方法はある?
BSのチューナーを内蔵したテレビにアンテナからの電波が届いている限り、見ていなくても衛星契約の対象です。地上契約にしたいなら、物理的にBSが映らない状態にする必要があります。
具体的には、ベランダや屋根のBSアンテナを撤去するなどして、衛星放送を受信できない環境にする方法が考えられます。ただし、配線の知識が必要になるうえ、集合住宅では共用設備に手を加えられないこともあるため、現実的とはいえない場合もあるでしょう。
もうひとつは、今のテレビをチューナーのない「チューナーレステレビ」に買い替える方法です。チューナーレステレビは、そのままでは地上波もBSも映りません。地上波だけを見たい場合は、外付けの地デジ専用チューナーをつなげば視聴できます。
なお、BSが映るテレビを別の部屋に残していると、衛星契約が必要なままになる点にも注意しましょう。受信環境を変えた後は、NHKに契約の変更を届け出る必要があります。地上契約の料金になるのは、届け出た月の分からです。
BSを見ない家庭でも映る環境なら衛星契約が必要
夫の「見ないならNHKは地上契約だけでいい」という考えは、BSが映る環境のままでは当てはまりません。契約の種類は、見ているかどうかではなく、受信できる設備があるかどうかで決まるためです。
年間の受信料は、地上契約の方が9489円~1万200円安くなります。ただし地上契約に切り替えるには、BSアンテナを撤去するか、チューナーレステレビと地デジ専用チューナーを組み合わせるなどして、衛星放送を受けられない環境に変える必要があります。
出典
日本放送協会 NHK受信料の窓口 NHKの料金 NHKの受信料はいくら?そうした疑問にお答えします。
デジタル庁 e-GOV法令検索 放送法(昭和二十五年法律第百三十二号) 第三章 日本放送協会 第六節 受信料等 (受信契約及び受信料)第六十四条
日本放送協会 NHK受信料の窓口 受信料の割増金制度について
日本放送協会 NHK受信料の窓口 日本放送協会受信規約
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
