SNS「大学費用払えないのに何で子ども産んだの?」に賛否…「今どき大卒・専門卒が当たり前」「義務教育じゃないなら不要」の声も、実際高卒で就職は“13.8%”!?「学費の用意は親の義務」なのか進学率も確認
大学4年間の費用は、国公立で約480万円、私立文系で約690万円が目安です。平均的な収入の夫と年収200万円ほどの妻の共働き夫婦が、毎月3万~4万円ほど進学費用を貯め続ければ、18年間で私立分にも届く計算です。
本記事では、大学費用の目安と試算、進学率、支援制度を紹介します。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP
「大学費用払えないのに子ども産んだの?」の投稿に賛否
先日、親に「奨学金借りて大学行ってね」と言われ、冒頭の言葉を返したXの投稿が話題になりました。
返信には、親がかけてきた食事や娯楽、住まいのお金より学費をためてほしかったという意味で「そんなもんいらんから金貯めとけやと」と共感する声がありました。「払えないなら産むなって話にもなる」という厳しい意見もあります。
一方、「『そこまでして勉強したかった』から大学進学を希望したんですよね?」という異論もあります。また、給料が上がらないまま物価高に耐えてきた親への理解を求める声もありました。
大学費用は4年間でいくら? 国公立と私立の違い
学校に納めるお金は国立で約243万円、私立で約480万円
国立大学は、標準額で入学料約28万円、授業料年約54万円で、4年間で約243万円です。私立大学は、2025年度入学者の平均で入学料約24万円、授業料年約97万円、施設設備費年約17万円で、4年間で約480万円です。
実際に家庭が払った額は国公立で約481万円、私立文系で約690万円
日本政策金融公庫の2021年の調査では、受験や教科書の費用も含めた総額は、国公立で約481万円、私立文系で約690万円、私立理系で約822万円でした。また、日本学生支援機構の2024年の調査では、自宅外の学生は自宅生より年約54万円多くかかります。
年収約687万円・家賃15万円の夫婦は18年で用意できる?
両親が30歳ごろに子どもが産まれたと仮定し、夫は給与所得者の平均給与487万円、妻は年収200万円の共働き世帯で考えます。税金と社会保険料を約2割引くと、手取りは1ヶ月約47万円です。
総務省の家計調査では、世帯主が40歳未満の働く世帯の支出は月約30万円です。住居費を都市部の賃貸を想定した家賃15万円に置き換えると支出は約43万円で、手取りから月4万円ほど残ります。
40代では支出が月約35万円に増えますが、収入も約1割上がり、残りは月3万円ほどです。
残りを全額貯めると、30代の10年で約485万円、40代の8年で約290万円です。児童手当約240万円も全額貯めれば計約1000万円となりますが、塾代や車の買い替えなどがあればこれよりも減ることになります。
今どき「大学卒・専門卒」は当たり前? 進学率と地域の差
大学や専門学校などへの進学率は85.4%
文部科学省の2025年度の調査では、大学・短大・専門学校などへの進学率は85.4%でした。うち大学は58.6%、専門学校は23.1%です。高校卒で就職した人は13.8%で過去最低です。
東京都は74.8%、鹿児島県は48.7%と地域で差がある
高校卒業者の大学・短大進学率は東京都で74.8%、鹿児島県で48.7%です。進学者が多い地域や環境では、高校卒で就職することを引け目に感じる人もいるでしょう。
大学を出ないと苦労する? 義務教育でないなら用意は不要?
生涯賃金は大学卒が高いが、個人差も大きい
労働政策研究・研修機構の試算では、男性の生涯賃金は大学卒で約3億3900万円、高校卒で約2億7500万円です。これは、卒業後すぐ正社員で勤め、60歳の引退まで働いた場合です。
ただし、学歴によって選べる仕事は広がりますが、大学を出れば必ず収入が増えるわけではありません。
使い道を決めずに蓄えておくと選べる道が広がる
大学は義務教育ではありませんが、貯めたお金は専門学校や医療費、結婚資金にも回せます。2027年1月からは子ども名義のNISAでも積み立てられますが、元本は保証されません。
奨学金には、返済が必要な貸与型と返さなくてよい給付型があり、大学生の51.1%が奨学金を受給しています。また、子どもを3人以上扶養する世帯なら、所得を問わず授業料と入学金が一定額まで減免されます。
まとめ
大学費用は4年間で、国公立で約481万円、私立文系で約690万円が目安です。平均的な収入の夫と年収200万円ほどの妻の共働き世帯が、毎月3万~4万円ほど18年貯めれば私立分にも届く計算です。
大学は義務教育ではないものの、蓄えがあれば進学以外の道も選べます。急な出費や2人目以降の子どものことも考え、子どもが小さいうちから準備を始めましょう。
出典
株式会社日本政策金融公庫 教育費に関する調査結果
執筆者 : よし・こう
1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP
