函館のホテルで「宿泊税と入湯税で1000円です」と言われビックリ! 予約時に“全額決済済み”なのに「追加で現地払い」が発生!? なぜ“ホテル”で入湯税までかかるのか…2026年4月に始まった仕組みを確認
2026年4月から北海道と函館市で宿泊税が始まり、函館市内の宿泊施設に泊まると宿泊料金とは別に税金がかかります。予約サイトで全額を支払い済みなのに、チェックアウト時に追加の支払いを求められて驚く人もいるでしょう。
本記事では、夫婦2人が1人1泊2万5000円(税込・素泊まり)の温泉付きホテルに泊まる例で、支払額と理由を整理します。
FP2級、北海道在住ライター
現地で求められた1000円の内訳は?
今回求められた1000円は、宿泊税と入湯税を夫婦2人分合わせた金額です。それぞれの税額がどのように決まるのかを、函館市と北海道の資料をもとに確認していきましょう。
宿泊税は北海道と函館市の「合算」で4段階
函館市内の宿泊施設に泊まると、北海道と函館市の宿泊税を合わせた金額が、1人1泊ごとにかかります。税額は1人1泊あたりの宿泊料金によって4段階に分かれており、区分ごとの内訳は図表1のとおりです。
図表1
| 宿泊料金(1人1泊) | 函館市税 | 北海道税 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 2万円未満 | 100円 | 100円 | 200円 |
| 2万円以上5万円未満 | 200円 | 200円 | 400円 |
| 5万円以上10万円未満 | 500円 | 500円 | 1000円 |
| 10万円以上 | 2000円 | 500円 | 2500円 |
函館市 宿泊税の導入、函館市 函館市宿泊税Q&Aより筆者作成
1人1泊10万円以上の区分では市税が2000円に上がり、道税と合わせて2500円となる点を覚えておきましょう。
「1人2万5000円」は消費税を除いても2万円を超える
宿泊税を判定する宿泊料金は、素泊まり料金とサービス料などを指し、食事代や消費税は含まないとされています。消費税の標準税率は10%のため、今回の例では2万5000円を1.1で割った約2万2727円で判定します。
この金額は「2万円以上5万円未満」の区分にあたるため、宿泊税は1人400円、夫婦2人で800円となります。
温泉に入れるホテルでは入湯税もかかる
温泉に入れるホテルでは、宿泊税とは別に入湯税がかかる場合があるため、あわせて確認しておく必要があります。函館市は宿泊税を課税する間、宿泊者や事業者の負担増に配慮して、一般客の入湯税を150円から100円に引き下げました。
ここまでの内容をもとに、今回の例で現地で求められる金額を整理すると、図表2のようになります。
図表2
| 項目 | 1人あたり | 夫婦2人 |
|---|---|---|
| 宿泊税(道税+市税) | 400円 | 800円 |
| 入湯税 | 100円 | 200円 |
| 合計 | 500円 | 1000円 |
函館市 宿泊税の導入、函館市 函館市宿泊税Q&Aより筆者作成
宿泊税は連泊した泊数に応じてかかるため、連泊する場合は1泊あたりの金額に泊数を掛けて見積もっておくとよいでしょう。
写真1
筆者撮影
事前決済したのに、なぜ現地で払うの?
事前決済の金額に宿泊税が含まれていないのは、宿泊税を誰がどのように集めるかという制度の仕組みが関係しています。ここでは、北海道と函館市の資料や市内ホテルの案内をもとに、現地払いになる理由を確認します。
宿泊税は「宿泊施設が集めて納める」仕組み
宿泊税を納める義務があるのは宿泊者ですが、実際には宿泊施設が宿泊料金と一緒に集めて、自治体に納める仕組みです。これを「特別徴収」といい、函館市内の施設では北海道の分も含めて、函館市がまとめて課税と徴収を行っています。
事前決済に含めるか、現地で集めるかは施設次第
函館市のQ&Aでは、宿泊税の支払い方について以下のような考え方が示されています。
・宿泊税は、泊まった宿泊施設に支払う
・予約サイトや旅行業者への支払額に、宿泊税が含まれている場合もある
・事前決済時に集めるか、現地で集めるかは宿泊施設が選べる
・旅行会社が宿泊税を預かるかどうかは、旅行会社と宿泊施設の取り決めによる
同じ函館市内でも宿によって支払い方が異なるため、予約時の案内や宿泊施設の公式サイトで、宿泊税の扱いを確認しておきましょう。
写真2
筆者撮影
市内ホテルでも「事前決済でも現地精算」と告知
例えば、函館市内のセンチュリーマリーナ函館は、宿泊税と入湯税をチェックアウト時に支払うよう公式サイトで案内しています。事前決済やパッケージツアーでの予約でも現地精算が必要で、旅行会社経由の場合は契約により異なることがあるとしています。
函館に泊まる前に知っておきたい3つのポイント
宿泊税は宿泊料金の区分で金額が決まるため、予約の仕方によっては負担額が想定と異なることもあります。函館への旅行を計画する際に押さえておきたいポイントを、ここでは3つに絞って紹介します。
素泊まり「税込2万2000円」が分かれ目
前述のとおり宿泊料金は消費税を除いて判定するため、素泊まりの税込料金では2万2000円がおおよその分かれ目です。税込料金ごとに、消費税を除いた金額と1人あたりの宿泊税を比べると、図表3のとおりです。
図表3
| 素泊まり料金(税込) | 消費税を除いた金額 | 宿泊税(1人1泊) |
|---|---|---|
| 2万1000円 | 約1万9091円 | 200円 |
| 2万2000円 | 2万円 | 400円 |
| 2万5000円 | 約2万2727円 | 400円 |
函館市 宿泊税の導入、函館市 函館市宿泊税Q&A、国税庁 No.6303 消費税および地方消費税の税率をもとに筆者作成
表示価格が2万円を少し超えていても宿泊税が200円で済む場合があるため、気になる人は料金の内訳を宿泊先に確認するとよいでしょう。
予約サイトのポイント利用は「割引前の金額」で判定
予約サイトのポイントで宿泊料金を割り引いた場合、宿泊税は割引前の金額で判定されるため注意しましょう。函館市のQ&Aに示された例をもとに、割引の種類による違いを比べると図表4のようになります。
図表4
| 変動金利 | 固定金利(当初10年) | |
|---|---|---|
| 予約サイトのポイント(第三者による割引) | 割引前の3万円 | 400円 |
| 宿泊施設が発行するポイント(自社割引) | 割引後の1万円 | 200円 |
※宿泊料金3万円の施設で2万ポイントを使い、1万円を支払った場合
函館市 函館市宿泊税Q&Aより筆者作成
予約サイトのポイントで支払額が大きく下がっても宿泊税は安くならないため、現地での支払額は割引前の料金で見込んでおくと安心です。
函館の宿泊では「宿泊税+入湯税」を見込んで予約しよう
今回の例のように、1人1泊2万5000円の温泉付きホテルに夫婦で泊まると、現地では2人で1000円が必要になります。宿泊税は宿泊施設が集めて納める仕組みで、事前決済の金額に含まれるかどうかは宿ごとに異なります。
少額でも現地で支払いが発生する前提で準備しておけば、チェックアウト時に慌てずに済むでしょう。なお、宿泊税は観光の振興に充てる税で、函館市は使い道を公式サイトで公表しているため、気になる人は確認してみてください。
執筆者 : 木彫りグマ
FP2級、北海道在住ライター


