「NHK受信料は5年経てば時効で消える」と聞き“3年間滞納”してたら、行政書士に「時効は自動成立せず、内容証明で主張しないと消えません」と言われ青ざめ! 本当に“5年放置すれば消える”のか? 最高裁判決を確認

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「NHK受信料は5年経てば時効で消える」と聞き“3年間滞納”してたら、行政書士に「時効は自動成立せず、内容証明で主張しないと消えません」と言われ青ざめ! 本当に“5年放置すれば消える”のか? 最高裁判決を確認
3年間、“NHK受信料”を滞納している29歳の甥の話です。叔父に「5年経てば時効で自然に消えるから、焦らなくても大丈夫だよ」と言われて安心していたところ、行政書士に「時効は自動で成立するわけじゃありませんよ。内容証明で主張しないと、消えるはずの債務も消えません」と言われ、青ざめたと言います。
 
本記事では、滞納している受信料は5年経てば本当に消えるのか、時効が成立するための要件と合わせて解説します。
西村和樹

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、第一種/第二種電気工事士、医療情報技師、2級ボイラー技士、ボイラー整備士

“5年”という期間自体は間違っていない

NHK受信料の消滅時効については、最高裁判所が明確な判断を示しています。
 
最高裁判所は平成26年9月5日の判決で、受信契約を結んでいる人が支払うNHK受信料は、各月分の支払期日から5年で消滅時効にかかると判断しました。叔父が言っていた“5年”という数字自体は、この判決に基づく正しい期間です。
 
例えば、NHKの地上契約の受信料は2026年時点で月額換算1100円なので、3年、つまり36ヶ月分滞納していれば、金額としては3万9600円になります。
 

ただし、“一括で消える”わけではない

注意したいのは、5年という時効期間は、滞納している金額全体に一斉にかかるわけではなく、“各月分の支払期日”ごとに、個別に進んでいくという点です。
 
つまり3年前から滞納しているなら、最初に滞納した月の分から順番に、支払期日の5年後に時効が完成し始める形になります。滞納を続けている限り、直近の分はまだ時効が完成していない状態が続きます。
 

時効は、“主張”しなければ成立しない

また、行政書士が指摘した通り、消滅時効は期間が経過しただけでは完成しません。
 
民法第145条は、時効は当事者が“援用”しなければ、裁判所がそれを理由に判断することができないと定めています。援用とは、時効の利益を受ける意思を相手方に伝えることで、これをしない限り、時効が完成した期間の分であっても、債務は法律上消えたことになりません。
 

なぜ“内容証明”が勧められるのでしょうか

援用そのものの方法は、法律で特に決められているわけではなく、理屈のうえでは口頭でも成立します。
 
ただ、口頭だと「言った言わない」の水掛け論になりやすいうえ、電話でうっかり支払いの必要を認める発言をしてしまうと、債務を認めたとみなされ、時効の主張ができなくなるおそれがあります。こうしたリスクを避けるため、送付した日付や内容を証拠として残せる内容証明郵便で伝えるのが定番の方法とされています。
 

援用の通知を送った後も、油断はできません

内容証明で援用の意思表示をしても、それで滞納の問題がすべて解決するわけではありません。
 
援用できるのは、支払期日からすでに5年が過ぎた分だけで、直近5年分の受信料についてはNHKへの支払い義務がそのまま残ります。ここをあいまいにしたまま話を進め、まだ時効が完成していない分まで含めた滞納額を認める発言などをした場合、時効の交渉が不利になる可能性があります。
 

滞納を続けるより先に、知っておきたいこと

放置しているだけでは時効の利益を受けられず、むしろ滞納が続くほど支払う義務のある“直近5年分”は膨らんでいきます。NHKから督促や催告を受けて、支払いの約束をしたような場合は、時効の進行自体がリセットされることもあります。援用するかどうかを含めて、滞納分をどう扱うかは早めに整理しておいたほうがよさそうです。
 
“5年経てば自然に消える”と思い込んでいた29歳の甥のように、正しい期間を知っていても、手続きを知らなければ、時効の利益は受けられません。受信料等の滞納は、都合の良い解釈で放置することなく、正しい手続きで対応した方がよいでしょう。
 
執筆者 : 西村和樹
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、第一種/第二種電気工事士、医療情報技師、2級ボイラー技士、ボイラー整備士

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