夫は「教育費は1000万円あれば足りる」と楽観的。でも、高校まで公立でも塾や受験にはお金がかかるはず…。大学だけ私立に進学する場合、本当に「1000万円」で足りるのでしょうか?
本記事では、文部科学省の調査をもとに、高校まで公立、大学だけ私立に進学する場合の教育費を試算します。また、教育資金を準備する際のポイントも解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
高校まで公立でも教育費は約614万円かかる
文部科学省が公表している「令和5年度子供の学習費調査」によると、幼稚園から高校までの15年間をすべて公立に通った場合、学習費の総額は614万466円です。
学校ごとの内訳は、表1のとおりです。
表1
| 学校 | 学習費総額 |
|---|---|
| 公立幼稚園(3年間) | 53万2177円 |
| 公立小学校(6年間) | 219万7261円 |
| 公立中学校(3年間) | 162万6133円 |
| 公立高校(3年間) | 178万4895円 |
| 合計 | 614万466円 |
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」を基に筆者作成
この金額には、授業料や教材費だけでなく、塾代や習い事の費用なども含まれています。
例えば、公立中学校の学校外活動費は年間平均35万6018円です。学校外活動費とは、学習塾や家庭教師、習い事などにかかる費用を指します。
特に高校受験に向けて塾に通う場合、通常の授業料に加えて夏期講習や冬期講習などの費用が発生することもあります。
ただし、約614万円は各学年の平均額を合計したものです。実際の負担は塾に通う期間や習い事の数などによって異なります。
私立大学に4年間通うと教育費は合計で1000万円を超えるケースも
高校卒業後に私立大学へ進学すると、さらに数百万円の教育費が必要になります。
文部科学省が公表している「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」によると、私立大学の初年度学生納付金等の平均額は150万7647円です。このうち入学料は24万365円で、残りは授業料や施設設備費などです。
仮に、2年目以降も入学料を除いた年間126万7283円がかかるとすると、4年間の合計は約531万円になります。高校までの教育費約614万円を加えると、幼稚園から私立大学卒業までの教育費は約1145万円です。
つまり、1000万円の予算では約145万円不足する計算になります。
ただし、大学4年間の費用は初年度の調査結果をもとにした概算です。実際の学費は大学や学部によって異なり、在学中に改定される場合もあります。
塾代や一人暮らしの費用によってはさらに負担が増える
教育費を考える際は、大学の学費以外にかかるお金にも注意が必要です。
例えば、大学受験で複数の大学に出願すれば、それぞれ受験料がかかります。遠方の大学を受験する場合は、交通費や宿泊費も必要になるでしょう。また、大学進学をきっかけに一人暮らしを始める場合、家賃や食費などの生活費も発生します。
仮に毎月8万円を仕送りすると、4年間で384万円です。先ほどの教育費約1145万円に加えると、合計は約1529万円になります。
一方、自宅から通える大学を選べば、一人暮らしに伴う費用を抑えられます。
なお、高校までの約614万円には平均的な塾代などが含まれているため、二重に加算する必要はありません。ただし、大学受験に向けた予備校の費用などが平均を上回れば、その分の負担は増えます。
教育費1000万円では足りない可能性があるため早めに準備しよう
高校まで公立、大学だけ私立に進学する場合、今回の試算では教育費が約1145万円となり、1000万円では約145万円不足します。そのため、教育資金は1000万円を目標とするだけでなく、子どもの進路に合わせて準備することが大切です。
例えば、大学進学まで15年間ある家庭が追加で150万円を準備するなら、毎月約8300円を積み立てる計算になります。
また、教育費の負担を軽減する方法として、奨学金の活用も考えられます。奨学金には、原則として返済不要の「給付型」と、卒業後に返済が必要な「貸与型」があります。ただし、利用には収入や学業などに関する条件があるため、事前に確認しましょう。
まずは夫婦で教育費の試算結果を共有し、必要な金額を話し合ってみてください。早めに貯蓄を始め、奨学金などの制度も調べておくことで、子どもの進路の選択肢を広げやすくなるでしょう。
出典
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査 2 調査結果の概要 4 幼稚園から高等学校卒業までの15年間の学習費総額(18ページ)
文部科学省 私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
