更新日: 2020.05.24 家具・片付け
外出自粛で家の片づけをする人が増えている?
自宅でどう過ごすか……ずっと気になっていたけれどあと回しになっていた、家の片づけをする人が増えています。
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
片づけは重要事項
整理整頓・お片づけ・断捨離、いろいろ呼称はありますが、整った環境でスッキリ暮らしたいと思う気持ちは誰にでもあります。
これまでは会社と家の往復で慌ただしい毎日を理由にあと回しにしてきましたが、自宅時間が増えて外出自粛が続く今、片づけに着手した人が増えています。片づけ事情にはいくつかのパターンがあるようです。
(1)仕事上の都合から
いざ長時間(長期間)自宅で仕事をするとなると、作業机や書類・備品の収納場所が必要です。プライベートと仕事は分けて管理したいので、それなりのスペースを空けるには片づけが不可欠です。
ペーパーレス化が進んだとはいえ、ファイルもゼロではありません。もともとは重要書類なので、家族が知らずに破棄しては取り返しがつきません。
またZoom会議などを利用する機会があると、背景が気になります。好みの背景に差し替えられる“バーチャル背景”の機能はありますが、オフィシャルな会議では自然体が好まれそうです。となると「どの場所?」となり、周辺の片づけが必要になります。
(2)自宅で過ごす時間が増えたので、居心地よく暮らすため
かわいい! と衝動買いした洋服や雑貨類、お気に入りだったアレコレは使う予定はありませんがクローゼットの奥に閉じ込められたまま数年がたっています。
この手付かずの領域が場所を占領しているために、リビングがモノであふれているご家庭は多いようです。当初は気になっていても、しだいに物置になっているソファーを見慣れてしまい今に至る、ということも。
数年目から断捨離や片づけがブームとなり、テレビや雑誌で特集が組まれることも増えました。片づけをプロに依頼することや、ノウハウを学ぶためスクールに通うことも珍しくありません。
コツを学ぶことは大事ですが、基本は自分で片づける習慣を身につけることです。「家にこもって何をしているの?」「片づけたら、お家がきれいになった」「友だちは“片づけ”しているらしい」という情報が、「わが家も流行に乗り遅れるな」と背中を押しているようです。
“片づけ”による効果
片づけにより精神的にスッキリすることは明らかですが、上記の2つについて、その効果も考えてみます。
(1)いうまでもないことですが、整理整頓をすることで効率が上がります。
事務作業をしていると、いつも使っているマーカーや付箋がない、昨日見ていた添付資料が見当たらない、ということはありませんか。探し物をする時間は意外に多く、コクヨ(株)が2017年に行った調査によると1日に紙書類を探す時間は約20分だそうです(※)。
探し物が見つからないイライラを解消して仕事に集中できれば、外出自粛で溜まったストレスも軽減できるかもしれません。
(2)効果が分かりやすいのは、整理した不用品をフリマサイト等に出品した場合です。
例えばメルカリは、在宅で売買できることから「巣ごもり消費」関連銘柄として株価も堅調です。本やDVD、ゲームなどの出品が増えているそうです。
どれも自分が使用して(飽きたら)出品→次の商品を購入というサイクルができているかもしれません。もちろん購入する側となった場合も、新品に比べて割安で買えるので節約になります。
不用品を売らない場合も、効果はあります。「どこかにあるはずだけど見つからない」ということはありませんか。「諦めて購入した途端に見つかった」もよくある話です。このような無駄遣いが減らせます。同じものをいくつも持つことで“モノが増えていく”スパイラルに陥ってしまいます。
実際に「片づけ」に取り組んでみると、簡単なようで手ごわいことが分かります。これはダイエットできない、貯金できない、と似ていると感じます。
日頃の習慣で楽々とこなせるとよいのですが、うっかりしているとすぐにリバウンドしてしまいます。巣ごもり期間中に、片づけを習慣化したいところです。
(※)コクヨ株式会社「書類を探す時間は“1年間で約80時間”」
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士