更新日: 2020.11.17 子育て

大学生の一人暮らし、いくらかかる?節約のカギと住居を決めるときの注意点

大学生の一人暮らし、いくらかかる?節約のカギと住居を決めるときの注意点
自宅から通える範囲の大学に進学する場合、交通費が増える可能性がありますが、その他の生活費については高校生の頃と大きく変わらないので、それほど心配する必要はないと思います。
 
しかし、下宿となると自宅生の2倍近くの生活費がかかります。そのためか、地方の生徒は自宅から通える大学を選択しがちです。下宿を視野に入れれば大学の選択肢が大幅に増えます。
新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

大学生の1カ月の生活費はいくら?

全国大学生活協同組合連合会のウェブサイト「親子で要チェック!大学生活ハウマッチ」によると、下宿生の生活費支出合計の全国平均は約12万円となっています。
 
内訳は、
食費:2万6390円
住居費:5万3930円
交通費:4070円
教養娯楽費:1万2870円
書籍費:1860円
勉学費:1900円
日常費:7620円
電話代:3550円
その他:3430円
貯金・繰越:1万3470円
です。
 
単純に計算する大学卒業まで約620万円になります。このほかに下宿を始めるには準備の費用もかかります。
 
前掲のウェブサイトによると、敷金(保証金)、礼金、仲介手数料、前家賃に、交通費と滞在費などの「住まい探しにかかる費用」は、北海道では平均約15万6500円、1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)では28万4500円となっています。
 
また、「生活用品購入にかかった費用」は、下宿生の全体平均で30万4400円となっています。なお、生活用品は新しく買いそろえるのではなく、リサイクル品などを利用する工夫が大切です。このほか、引っ越し代や4月分の生活費なども必要になります。
 

節約のカギは食費と生活費

生活費の支出で大きな割合を占めるのは、住居費(41.8%)と食費(20.4%)です。この2項目について節約の方法を検討してみましょう。大学の中には「100円朝食」や300~500円で利用できる学食があります。進学する大学の学食をうまく利用しましょう。
 
外食やコンビニ弁当では栄養が偏りますので、基本は自炊を心がけるとよいでしょう。普段から親の手伝いをして料理ができるようにしておくとよいでしょう。レシピを考えるのは苦手という方には、前掲のウェブサイトに、手軽な「カンタンレシピ」が公開されていますので参考にするとよいでしょう。
 
住居費の節約としては学生寮を検討しましょう。特に国立大学の学生寮は激安で利用できる場合があります。
 
たとえば、静岡大学学生寮(片山寮)の寮費は月額2万1621円となっています。内訳は、寄宿料700円、食費(2食・土日パン食含む)7981円、公共料金(光熱水料・ネット料)7540円、経常費900円、寮食調理人人件費4500円となっています。ただし各室4人部屋です。
 
相部屋に抵抗を感じる生徒もいるかもしれませんが、集団生活をすることは社会人になったときに役立ちます。前向きにとらえましょう。国立大学の4年間の学費は約250万円ですので、生活費を含めても私大文系の学費程度ですみます。
 
また、道府県の育英会などが運営している、その道府県の出身者限定の学生寮を利用するという方法もあります。首都圏の大学に通う学生のために都内に所在している学生寮がほとんどです。
 
例えば、長野県の信濃学寮(公益財団法人信濃育英会)は、東京都杉並区にあり、寮費は朝夕食事付(休食日を除く)で月額4万2000円となっています。こちらは個室です。これらの寮を利用すれば住居費だけではなく、食費も節約でき生活費を大幅に軽減することが可能です。
 

住居を決めるときの留意点

大学の場合、学年によって通うキャンパスが異なる場合があります。キャンパス変更により引っ越しをしなければならない場合、敷金・礼金など新たに数十万円の負担が生じる場合があります。志望大学の4年間の授業が、どこのキャンパスで行われるのか留意しておく必要があります。
 

奨学金の利用も視野に入れよう

日本学生支援機構の奨学金の使途は学費に限られません。家賃の支払いなどにも利用できます。下宿を選択肢に入れれば大学の選択肢が大幅に増えます。学びたい大学が自宅通学圏外にある場合、学生寮や奨学金の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。


 

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