キャッシュカードの盗難や偽造被害…。被害に遭ってしまった場合にするべきこととは?

配信日: 2020.12.25

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キャッシュカードの盗難や偽造被害…。被害に遭ってしまった場合にするべきこととは?
キャッシュカードの盗難や偽造被害に遭ってしまったとき、どう対応すればいいかご存じですか?
 
キャッシュカードの盗難や偽造というのはひとごとではなく、誰にでも起こり得ることです。有事の際にスムーズに動けるよう、キャッシュカードの盗難や偽造被害に遭ってしまったときの対応について紹介します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

キャッシュカードの盗難・偽造の被害に気づいたらまず警察と銀行へ

キャッシュカードの盗難や偽造の被害に遭ったことに気づいたら、まずは落ち着いて警察と銀行へ被害に遭った旨の連絡をするようにしてください。キャッシュカードや暗証番号について、日頃からきちんと管理をしていれば被害に遭った金額を金融機関にて全額補償してもらうことができます。
 

どんな補償が受けられるの?

基本的に金融機関からの補償は金銭により行われます。しかし、常に100%の補償を受けられるわけではありません。例えば三井住友信託銀行では、偽造カードおよび盗難カードの不正利用による補償について下記のように要件を定めています。

偽造カードの不正利用による被害 盗難カードの不正利用による被害
利用者に故意または重大な過失があった場合 補償なし 補償なし
利用者に過失があった場合 被害額の100%を補償 被害額の75%を補償
利用者が無過失の場合 被害額の100%を補償 被害額の100%を補償

※三井住友信託銀行 「偽造・盗難キャッシュカードの不正利用による被害への対応について」を基に筆者作成
 

また、上記に加えカードが盗難された場合は補償を行うための条件として以下の3つの要件を掲げています。

・カードの盗難に気づいてから速やかに金融機関へ通知が行われていること
・調査に対し十分な説明が行われていること
・警察に被害届を提出していること、その他盗難に遭ったことが推測される事実を確認できるものを示していること

 

過失の具体例は?

過失とは、いわば不注意です。少し気をつけて意識をしておけば防げた場合に過失有りと判断されることが多いです。三井住友信託銀行では、過失に該当する具体的な例を以下のとおりとしています。
 

・暗証番号を容易に第三者が認知できるような形でメモなどに書き記し、かつ、キャッシュカードとともに携行・保管していた場合
 
・別の暗証番号に変更するよう個別的、具体的、複数回にわたる働きかけが行われたにもかかわらず、生年月日、自宅の住所など推測されやすい暗証番号にしていた場合であり、かつ、キャッシュカードをそれらの暗証番号を推測させる書類など(免許証など)とともに携行・保管していた場合

 
上記の他、個別の事情次第では同程度に注意義務違反があると判断され、過失有りと見なされることもあるため注意してください。
 

重大な過失の具体例は?

基本的に重大な過失というのは故意と同視できるくらいに不注意があるような状況をいいます。例えば下記のような事例が重大な過失に該当します。

・他人に暗証番号を知らせた
・暗証番号をキャッシュカード上に書き記していた
・他人にキャッシュカードを渡した

 

補償を受けられないのはどんなとき?

キャッシュカードの盗難や偽造によって被害を受けたとしても、利用者側で故意や重大な過失があれば補償を受けることができません。その他にも下記に該当する場合も補償を受けられないので注意してください。
 

・カードの盗難に遭ってから原則30日以内に金融機関へ通知が行われなかった場合
 
・配偶者、二親等内の親族、同居の親族、その他の同居人、または家事使用人(家事全般を行っている家政婦など)によって払い戻しが行われた場合
 
・被害状況についての金融機関への説明において、重要な事項で偽りの説明を行った場合
 
・戦争、暴動などによる著しい社会秩序の混乱に乗じ、またはこれに付随してカードが盗難に遭った場合

 

キャッシュカードの盗難や偽造による被害に遭ったらすぐ金融機関と警察へ

キャッシュカードの盗難・偽造による被害に遭ってしまったら、即座に銀行や警察へ報告することでその損害の補償を受けることができます。
 
しかし、本人に過失があれば補償額が減額されたり、補償を受けられないこともあります。キャッシュカードについては盗難や偽造がされないよう厳重に管理するとともに、万が一、被害に遭ったら落ち着いて速やかに金融機関と警察へ届け出るようにしてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士
 

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