更新日: 2021.02.28 その他暮らし

フリーランスの7割以上がコロナ禍で収入減。政府による支援策への不満の声も

フリーランスの7割以上がコロナ禍で収入減。政府による支援策への不満の声も
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、休業や倒産に追い込まれる企業も少なくありません。そんななか、どこにも所属せず働くフリーランスのみなさんは、どのような働き方をしているのでしょうか。

今回は、一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が発表した「コロナ禍でのフリーランス・会社員の意識変容調査結果」(※)をひもといてみましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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コロナ禍における仕事の満足度とは。会社員よりフリーランスのほうが収入に不満を感じている!

フリーランス1611名について、まずは現在の働き方やその満足度について見てみます。
 

【今の働き方に対する満足度】

<全般>
・非常に満足・満足計 69.2%
・非常に不満・不満計 10.3%
 
<就業環境(働く時間/場所など)>
・非常に満足・満足計 72.8%
・非常に不満・不満計 8.8%
 
<家族のために使う時間>
・非常に満足・満足計 62.3%
・非常に不満・不満計 8.5%
 
<自分の休息・リフレッシュ、趣味のための時間>
・非常に満足・満足計 62.3%
・非常に不満・不満計 14.4%
 
<収入>
・非常に満足・満足計 31.2%
・非常に不満・不満計 38.5%
 
<社会的地位>
・非常に満足・満足計 31.9%
・非常に不満・不満計 29.5%

 
全般のほか、特に気になる項目を5つピックアップしてみました。就業環境や家族のために使う時間、自分のためのプライベートな時間については、おおむね満足している人が多いという結果に。
 
しかし、収入や社会的地位となると、満足している人は3割程度までガクっと減り、不満を感じる人も同程度まで増えていることがわかります。特に収入に至っては、不満を感じている人のほうが上回っていますね。
 
ちなみに、同調査で会社員を対象に同じ質問をしたところ、収入に対する回答は「非常に満足」「満足」計が40.1%、「非常に不満」「不満」計が29.3%という結果に。このことからも、フリーランスのほうが現在の収入に不満を感じている率が高いということがわかります。
 
収入に不満を感じているフリーランスのほうが多いという背景には、やはり新型コロナウイルスの影響があるようです。
 
「新型コロナウイルス感染拡大により、業務に影響はありましたか」という質問の回答では、「非常に影響があった」59.7%、「やや影響があった」27.6%とあり、9割近くの人が影響を受けている状態が見て取れます。具体的にどのような影響があったのかは、以下のとおり。
 

【どのような影響がありましたか。(複数回答)】

1位:取引先の業務自粛による取引停止 53.9%
2位:自身の業務自粛 35.7%
3位:客数の減少 32.4%
4位:新規事業開発の延期 21.9%
5位:家族の在宅による業務効率の低下 15.4%

 
このランキングを見る限り、マイナスの影響ばかりということがわかります。
 
まとめると、やはりコロナの影響で収入が減ったことで不満を感じているフリーランスが多いということになりそうです。

 

気になるフリーランスの収入や国の支援について

では、具体的にコロナ以前と比べ、フリーランスの収入はどのように変化しているのでしょうか。
 

【コロナショック前に比べて、収入は変わりましたか。】

・減った 74.4%
・変わらない 23.0%
・増えた 2.6%

 
増えたと回答した人はかなりの少数派。およそ75%の人は収入が減っているようです。コロナ禍で収入が減ったフリーランスは、持続化給付金や雇用調整助成金をはじめとした、さまざまな国の支援制度に申請することができます。
 
しかし、実際になんらかの支援制度に対し申請して「既に給付を受けた」と回答した人はわずか1.9%にとどまりました。「申請している」という待機状態の人も、8.4%と少なめ。多くの人が「申請しようと思っているが準備をしていない」36.0%、「申請の準備をしている」30.5%という段階のようです。
 
フリーランスのみなさんは、このような国の支援策に対しどのように感じているのでしょうか。
 

【政府による支援策へのあなたの評価を教えてください。】

・非常に満足 1.4%
・満足 17.8%
・どちらともいえない 20.5%
・不満 35.0%
・非常に不満 25.2%

 
満足計は19.2%、不満計は60.2%と、圧倒的に不満を感じている人が多いという結果に。
 
なぜ不満に思うのかは、「今年(2020年)開業の個人事業主にも支援してほしい。厳しい」「開業届は2019年以前に行っているが、実働(売上の計上)は2020年1月からで、持続化給付金の対象にならない点」「申請しようにも書類の準備にとても時間と労力がかかる」という具体的な意見が。
 
お役所ならではの手続きの煩雑さや、対象となる期間の区切り方などに批判が集まっているようです。そのせいで、実際に申請済みという人が少数派になっているのかもしれません。
 
自分で時間を決め、自分の選んだ場所で自由に仕事ができる──そんな印象のあるフリーランス。自由度が高い代わりに、会社員より収入にバラつきがあることも。コロナ禍で収入が減っている人も多いですが、なんとか国の支援策を活用して乗り切りたいものですね。
 
[出典]
※一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「コロナ禍でのフリーランス・会社員の意識変容調査結果」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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