年収「500万円」の息子が「4000万円」の住宅ローンを検討中。本人は「審査に通れば大丈夫」と楽観的ですが、親として心配です…。年収の“8倍”でも返済していけるのでしょうか?
金融機関の審査に通れば「銀行が貸してくれるのだから大丈夫」と考える人もいるでしょう。しかし、審査に通ることと、無理なく返済できることは同じではありません。
本記事では、年収500万円で4000万円を借りた場合の返済額を試算し、返済できる金額を考えるポイントを解説します。
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年収500万円で4000万円の住宅ローンは「年収の8倍」にあたる
年収500万円で4000万円を借りると、借入額は年収の8倍です。借入期間35年の場合、住宅ローンの借入額は「年収の5~7倍程度」が一般的な目安とされています。
ただし、年収倍率だけで借りられる金額や返済の余裕を判断することはできません。住宅ローンでは「返済負担率」も確認する必要があります。返済負担率とは、収入に占める年間返済額の割合です。
例えばフラット35では、自動車ローンや教育ローンなども含めた「総返済負担率」について、年収400万円以上なら35%以下という基準があります。
一方、住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)」によると、実際の利用者の返済負担率で最も多かったのは「15%超~20%以内」で、全体の26.2%でした。
審査基準の範囲内だから余裕があるとは限らないため、実際の返済額を家計と照らし合わせることが大切です。
4000万円を35年で借りると毎月の返済はいくらになる?
4000万円を35年間、ボーナス払いなし、元利均等返済で借りたとして試算してみましょう。
金利が年1%なら、毎月の返済額は約11万3000円で、年間では約135万5000円です。年収500万円に対する返済負担率は約27%になります。
年2%なら毎月約13万3000円、年間約159万円で返済負担率は約32%です。年3%になると毎月約15万4000円、年間約184万7000円となり、返済負担率は約37%まで上昇します。
特に変動金利を利用する場合は、将来の金利上昇にも注意が必要です。同じ4000万円を借りても、金利が上がれば返済負担は大きくなります。
また、返済負担率は税込年収をもとに計算しますが、実際に生活に使えるのは税金や社会保険料を差し引いた手取り収入です。無理なく返済できる金額については、手取り年収に対して25%程度がひとつの目安とされています。
年収だけではなく、毎月の手取りに対して住宅ローンがどの程度を占めるのかも確認しましょう。
住宅ローンは「審査に通る金額」ではなく「無理なく返せる金額」で考えよう
住宅を購入すると、住宅ローン以外にもお金がかかります。固定資産税や火災・地震保険料が必要になるほか、マンションなら管理費や修繕積立金なども発生します。
さらに、結婚や出産を予定していれば、将来は教育費などの支出が増える可能性があります。住宅ローンの返済額が手取りの25%以内であっても、教育費などの支出が増える時期と重なると家計が苦しくなる可能性があります。
そのため、住宅ローンを検討するときは「4000万円を借りられるか」ではなく、「毎月いくらなら貯蓄を続けながら返せるか」を考えることが重要です。
返済が厳しくなりそうなら、購入する物件の価格を下げたり、自己資金を増やして借入額を抑えたりする方法があります。購入前に家計を確認し、金利が上昇したケースも試算しておくと安心です。
まとめ:年収500万円で4000万円を借りるなら将来の支出まで含めて確認しよう
年収500万円で4000万円を借りる場合、借入額は年収の8倍です。ただし、年収倍率だけで返済できるかどうかは判断できません。
大切なのは、金利や返済期間から毎月の返済額を出し、手取り収入や生活費、教育費などと照らし合わせることです。審査に通ったとしても、将来の支出によって家計に余裕がなくなる可能性があります。
住宅購入前に現在と将来の支出を整理し、「借りられる金額」ではなく「無理なく返せる金額」を基準に考えることで、住宅購入後も安定した家計を維持しやすくなるでしょう。
出典
住宅金融支援機構「フラット35サイト」 よくある質問 年収による借入額などの制限はありますか。
住宅金融支援機構 住宅ローン利用者の実態調査 住宅ローン利用者調査(2026年1月調査) 調査結果 1 利用した住宅ローン 4 返済負担率(7ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
