離婚することになり、夫が家に住み続けることになりました。住宅ローンは夫婦で借りていますが、夫の単独ローンに変更して、私はローンから抜けることはできるのでしょうか?
今回はペアローンのリスクと対処法について解説していきます。
FPオフィス Conserve&Investment代表
2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級
製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。
特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。
資金計画やリスク管理の乱れは最終的に老後貧困・老後破たんとして表れます。
独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。
ペアローンと収入合算+連帯保証人の違いとは?
住宅ローンは他の債務がない場合、年収の5~7倍が融資額の目安といわれています。ただし、昨今の住宅価格の上昇からひとりの年収では融資額が不足することがあります。ペアローンや収入合算+連帯保証人型は、夫婦で共同して返済したり、収入を合算したりするなどして融資総額を増やすことを目的とした住宅ローンです。
ペアローンは夫婦それぞれが別個に住宅ローンを契約し、収入合算+連帯保証人は主契約者がひとりでもう一方が連帯保証人となる仕組みです。それぞれ、「住宅ローン契約時の事務手数料」「マイホームの所有権」「住宅ローン減税の利用」「団信への加入」に違いがあります。
・住宅ローンの事務手数料が2人分必要
・マイホームは夫婦それぞれの共有となる
・住宅ローン減税は夫婦それぞれで利用可能
・団信にも加入できる
・住宅ローンの事務手数料は1人分
・住宅ローンの契約者は1人
・住宅ローン減税は契約者のみ利用可能
・連帯保証人は基本的に団信に加入できない
ペアローン状態を解消しない場合に想定されるトラブルは?
離婚後に夫婦どちらかがマイホームを利用する場合、ペアローンや連帯保証人の地位を解消しておかないと、以下のような大きなトラブルにつながる恐れがあります。
ペアローンの場合、離婚後も双方に住宅ローンの返済義務が残ります。これは財産分与で住宅ローンの残債は居住を続ける方が支払うとしていても変わりはありません。そして、住宅ローンの支払いが滞った場合、最終的にマイホームは競売にかけられ、双方の信用情報に影響が生じる可能性があります。
収入合算+連帯保証人の場合、住宅ローンの返済が滞ると連帯保証人が支払いを督促されます。これは、主契約者が意図的に支払わない場合でも、連帯保証人が支払うことになります。連帯保証人側は最悪の場合、自分が住んでいないマイホームの返済を続けることになってしまい、離婚後の再婚やローン利用などで大きなデメリットとなります。
ペアローンを解消するにはハードルがある
ペアローンの解消は、簡単にはいきません。ペアローンの場合は、現在の住宅ローンから別の単独名義での住宅ローンに借り換えが必要になるケースが多くなります。この時再度審査が行われるので、年齢・年収・健康状態・融資額・マイホームの資産価値などによって審査結果が左右され、審査に通らない可能性もあります。
次に連帯保証人から外れる場合ですが、これも審査があり、別に連帯保証人をたてる必要があったり金融機関によっては保証会社の利用を求められたりすることもあります。ペアローン等から単独名義の住宅ローンへの切り替えは、審査を経て金融機関の最終判断に委ねることになります。
ペアローン状態から抜けられなかった場合はどうする?
ペアローン等から抜ける場合、金融機関の審査があります。万が一審査が通らなかった場合は、速やかにマイホームを売却し清算することをおすすめします。
というのも、離婚後は元夫婦双方の近況が把握しにくくなるため、居住していないマイホームの返済リスクがいつまでも続いてしまいます。これは、離婚後の新生活を送るうえで、大きなデメリットとなってしまいます。
ただし、マイホームを売却するといっても居住を続ける側が反対した場合は、ご自身の共有持分だけしか売却できず、住宅ローンの残債に足りなかったり、また合意が得られたとしても売却額が安い場合、不足額を補てんしなければならなかったりする場合だと、離婚後もペアローン状態から抜け出せない恐れがあります。
ペアローン利用時は返済計画だけでなく、万が一の場合のリスクも考えてから利用するようにしましょう。
執筆者 : 菊原浩司
FPオフィス Conserve&Investment代表
