更新日: 2020.12.06 住宅ローン

住宅を購入するのは今でいいの? 購入する物件価格の目安は?

住宅を購入するのは今でいいの? 購入する物件価格の目安は?
住宅購入に関して、次のような相談が多くあります。
 
「住宅を購入したいと思っているけど今でいいの? もう少し待ったほうがいいの?」、「購入する物件価格はいくら位までなら将来の生活で困らないの?」、「住宅ローンを組む場合の注意点を教えてほしい」などです。
 
今回はそれぞれについて筆者のアドバイスを記述します。
村川賢

執筆者:村川賢(むらかわ まさる)

一級ファイナンシャル・プラニング技能士、CFP、相続診断士、証券外務員(2種)

早稲田大学大学院を卒業して精密機器メーカーに勤務。50歳を過ぎて勤務先のセカンドライフ研修を受講。これをきっかけにお金の知識が身についてない自分に気付き、在職中にファイナンシャルプランナーの資格を取得。30年間勤務した会社を早期退職してFPとして独立。「お金の知識が重要であることを多くの人に伝え、お金で損をしない少しでも得する知識を広めよう」という使命感から、実務家のファイナンシャルプランナーとして活動中。現在は年間数十件を越す大手企業の労働組合員向けセミナー、およびライフプランを中心とした個別相談で多くのクライアントに貢献している。

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※ただし、審査の結果金利プランが保証付金利プランとなる場合、ミックスはご利用いただけません。

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住宅購入は今で大丈夫?

新型コロナウイルスの影響で、飲食業界や観光業界などは大きなダメージを受けています。しかし、住宅関連では新築住宅の着工件数は若干減ったものの、住宅価格にはほとんど影響がないようです。むしろリモートオフィスの普及で、郊外の住宅に注目が集まってきており、今後郊外で価格が上がる可能性があります。
 
ただ、住宅購入に関しては、新型コロナウイルスの住宅価格への影響よりも、購入者自身の収入に影響がないかの見極めが大切です。売り上げや利益が大きく落ち込んだ会社では、給料が減ったりリストラなどが起きています。昨年までの収入から購入物件を決めてしまうと、購入したとたんに生活が苦しくなってしまうおそれもあるので気を付けましょう。
 

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購入する物件価格はいくら位までなら大丈夫?

購入する物件価格の目安は以下の通りですが、注意も必要です。
 
●「年収の5倍+自己資金」をなるべく超えないようにしましょう。
最近では夫婦共働きが多くなってきています。住宅を購入するときも夫婦合算の年収で住宅ローンを組めますので、高額な物件も購入可能になります。しかし、何らかの理由でどちらかの収入が少なくなると、住宅ローンを払えなくなりマイホームを手放すリスクもありますので、余裕を持った返済計画が必要です。
 
●「自己資金は物件価格の20%以上」が望ましい。
自己資金は、住宅購入時の諸費用や手付金・頭金などの支払いで必要になります。諸費用には、印紙税・登録免許税・司法書士手数料・保証料・火災保険料・引っ越し費用などがあります。諸費用の金額としては、新築物件で物件価格の5%から7%、中古物件(仲介手数料のある場合)で10%程度を見込んでおきましょう。
 
なお、手付金の支払いは最低限で良いでしょう。万が一解約するときには、解約手付として不動産会社に没収されます。また、住宅ローンの金利が低い現在では、頭金を多く払うよりも、預貯金として手元に多く残したほうがその後の生活に余裕ができて良いという考えもあります。
 

住宅ローンを組む場合の注意点

住宅ローンを組む場合の注意点は、以下の通りです。
 
●住宅ローンの組み方には3種類あります(※1)。
住宅ローンを組む場合には、(1)変動型、(2)全期間固定型、(3)固定期間選択型、の3種類があります。
 
(1)変動型は、半年ごとに金利を見直して、5年ごとに返済額が変わります。3種類のうち一番金利が低く、最近ではおよそ60%の人が変動型で借りています。
 
(2)全期間固定型は、フラット35が代表例ですが、35年間など全期間にわたって金利が一定です。一生にわたっての生活設計が立てやすいなどのメリットがありますが、金利が一番高く、最近では14%程度の人しか選択していません。
 
(3)固定期間選択型は、最初の10年や20年などの期間を固定型とし、その後に変動型か固定型かを選択できるタイプです。金利が変動型に近く低いため、26%程度の人がこのタイプで借りていますが、固定期間が終了したときに金利が上がっていると、そこからの支払額が多くなるリスクがあります。
 
●年間返済額の目安と返済期間
金融機関の融資基準としては、年間返済額が年収の35%以下とするところが多いようです。しかし、目安とすべきなのは、「いくら借りられるか」ではなく、「いくらなら余裕を持った返済ができるか」です。ライフプランを立てて支払計画を検討し、なるべく手取り年収の25%以下に抑えるようにしましょう。
 
返済期間としては、定年時に完済となるようにするか、定年後に支払う期間をなるべく短くするようにしましょう。また住宅ローンの残債を退職金で支払う支払計画は、老後の生活資金を減らすことになるので注意が必要です。
 
●住宅ローン控除を受けられるようにしましょう。
住宅ローンを組んだ場合、最初の10年間にわたり年末残高(上限は4000万円、認定物件で5000万円)の1%が税額控除できます。また11年目から13年目までは、年末残高の1%か建物購入価格の2%÷3の小さい方の金額を控除(ただし中古物件は除く)できます。
 
最初は所得税から控除しますが、控除しきれない場合は住民税からも控除されます(ただし、住民税の控除上限額は13.65万円)。
 
さらに収入が一定以下の人は、「すまい給付金」ももらえます。これらは、2021年12月末までに入居した人に適用されます。ただし、「住宅ローン控除」も「すまい給付金」も受けるには諸条件に適合する必要がありますので、詳しくは国土交通省のホームページ(※2)などを参照してください。
 

終わりに

住宅購入は、ほとんどの人にとって一生に1度で最大の買い物です。楽しいはずのマイホーム生活も、毎月支払う住宅ローンに追われて苦しくなり、せっかく買ったマイホームを手放してしまう結果となっては最悪です。慎重に物件を選ぶのはもちろんですが、ライフプランを立てて余裕のある返済計画としましょう。
 
[出典]
(※1)住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査」(2020年6月19日)
(※2)国土交通省「住宅ローン減税制度の概要」
 
執筆者:村川賢
一級ファイナンシャル・プラニング技能士、CFP、相続診断士、証券外務員(2種)


 

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