最終更新日: 2020.03.19 公開日: 2020.03.20
老後

定年退職すると、健康保険や住民税はどうなるの? 知っておきたい定年後のお金の話

執筆者 : 伊達寿和

定年退職は、長い人生の1つの区切りです。長い間、会社員として働いていた人にとっては、生活面でもお金の面でも大きな変化が起こります。
 
定年退職をすると、社会保険や税金でどのような手続きが必要になるのでしょうか。定年退職前に知っておきたいお金に関することを紹介します。
 
伊達寿和

執筆者:

執筆者:伊達寿和(だて ひさかず)

CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員

会社員時代に、充実した人生を生きるには個人がお金に関する知識を持つことが重要と思いFP資格を取得。FPとして独立後はライフプランの作成と実行サポートを中心にサービスを提供。

親身なアドバイスと分かりやすい説明を心掛けて、地域に根ざしたFPとして活動中。日本FP協会2017年「くらしとお金のFP相談室」相談員、2018年「FP広報センター」スタッフ。
https://mitaka-fp.jp

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伊達寿和

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執筆者:伊達寿和(だて ひさかず)

CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員

会社員時代に、充実した人生を生きるには個人がお金に関する知識を持つことが重要と思いFP資格を取得。FPとして独立後はライフプランの作成と実行サポートを中心にサービスを提供。

親身なアドバイスと分かりやすい説明を心掛けて、地域に根ざしたFPとして活動中。日本FP協会2017年「くらしとお金のFP相談室」相談員、2018年「FP広報センター」スタッフ。
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定年退職後に必要な健康保険の手続き

定年退職をすると、それまで勤務先で加入していた健康保険の加入資格を失います。公的医療制度の適用を受けるためには、定年退職後に健康保険の手続きが必要です。もし、手続きをしないまま病気やケガで治療を受けると、保険が適用されないため、高額な医療費を全て負担しなければなりません。
 
定年退職後の選択肢は、大きく分けて次の4つがあります。
 
・それまで加入していた健康保険の任意継続制度を利用する
・国民健康保険に加入する
・特例健康保険組合の特例退職被保険者になる
・家族の健康保険の被扶養者になる

 
1つ目の任意継続制度は、定年退職後も在職中と同じ健康保険の被保険者となる制度です。退職前の被保険者の期間が2ヶ月以上あれば、2年間利用することができます。
 
保険料は、在職中は労使折半だったものが、退職後は全額自己負担になるため、だいたい2倍に上がります(保険料の上限の設定があります)。妻や子の扶養についても在職中と同じ扱いとなります。保険料の負担は大きくなる可能性がありますが、慣れた制度を続けられる点でメリットがあります。
 
加入手続きは退職の翌日から20日以内にする必要があるので、注意しましょう。
 
2つ目の国民健康保険は、市区町村が運営する健康保険です。保険料は前年の所得、家族の人数、家族の資産などをもとにして決まります。しかし、保険料の計算方法は市区町村により異なりますので、お住まいの市区町村の窓口などで確認するとよいでしょう。また、加入の手続きを退職の翌日から14日以内にする必要があります。
 
国民健康保険には扶養の考え方がありません。扶養している家族の人数も保険料に影響するので注意しましょう。
 
3つ目の特例退職被保険者は、一定の要件を満たす健康保険組合で利用できる制度です。後期高齢者医療制度に加入するまでの期間、在職中と同様の扱いを受けることができます。任意継続制度の最長2年間と比べて、長期間続けられる点がメリットです。
 
4つ目は家族の扶養に入る方法です。扶養に入った場合、保険料を負担する必要がありません。しかし、扶養に入るためには年収などの条件がありますので、必ず家族の勤務先の健康保険に確認しましょう。
 
4つのうちどれを選ぶか考えるときには、まず自分が加入している健康保険にどのような制度があるかを確認しましょう。その上で、退職後の保険料がいくらになるか、付加給付や人間ドックの費用補助など独自制度があるかなど、メリットとデメリットを比較して選ぶとよいでしょう。

所得税・住民税の手続きも忘れずに

定年退職をすると、所得税や住民税の手続きも大きく変わります。在職中は、年末調整の制度があるので勤務先で納税の手続きが完結することが多く、確定申告が必要なケースは少ないでしょう。しかし、定年退職後は税金に関する手続きも自分でする必要があります。
 
特に、定年退職をした年は注意しましょう。年の途中まで給料をもらうケースが多いですが、年末調整はされない場合がほとんどです。もし、源泉徴収されている税額が本来の税額より多い場合は、自分で確定申告をしなければ還付を受けることができません。
 
住民税についても注意しましょう。住民税は1月から12月までの1年間の所得をもとに税額が計算されます。そして、翌年の6月から翌々年の5月までに後払いで納める仕組みです。
 
在職中は、給料から天引きされているため住民税を意識することは少ないかもしれません。しかし、退職をしたら5月までの残額を自分で納めなければなりません。時期や勤務先によって、天引きされる場合もありますが、納税通知書を使って自分で納めるケースが多いので、退職までに勤務先に確認しましょう。
 
また、退職した年の所得に対しても住民税は課されます。退職した翌年の6月以降に市区町村から納税通知書が送られてきます。定年退職時に給料が高かった人は、その納税額に驚くことが多いです。住民税を払うためのお金は、事前に確保しておきましょう。
 
定年退職をすると、社会保険や税金の手続きを自分でする必要があります。会社員時代とはやり方が大きく変わります。退職前にどんな手続きが必要か知っておくとよいでしょう。
 
執筆者:伊達寿和
CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員

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