最終更新日: 2020.04.06 公開日: 2019.11.22
老後

退職するなら65歳よりも、64歳と11ヶ月のほうがお得? いったいどういうこと?

執筆者 : 古屋禎之

高年齢者雇用安定法改正により、企業は希望者全員を65歳まで雇用することが義務付けられました。これは、年金支給開始年齢の65歳までの段階的引き上げにより、年金や賃金のいずれもない「収入空白期間」を生じないようにするための措置です。
 
しかし、年金支給開始年齢の65歳で退職する場合、退職日によってはお得になる場合があります。
 
 
古屋禎之

執筆者:

執筆者:古屋禎之(ふるや よしゆき)

古屋FP事務所 代表
CFP(R)資格
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

私は皆様の将来の夢を実現するため住宅・教育・老後等のご相談から不安を解消するファイナンシャル・プランニング業務を行い、素敵なライフプランをご提案しています。
相談業務から提案業務に不安解消から夢のある人生に、をモットーに活動中です。
2015年に日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」相談員に就任し、
現在は児童養護施設での子供たちへの金銭教育・生活困窮者家計相談支援業務・就学者支援業務にも力を注いでいます。

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古屋禎之

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執筆者:古屋禎之(ふるや よしゆき)

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2015年に日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」相談員に就任し、
現在は児童養護施設での子供たちへの金銭教育・生活困窮者家計相談支援業務・就学者支援業務にも力を注いでいます。

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65歳以降退職で失業保険の給付が変わる

雇用保険に加入していた人が、65歳になる前に退職すると、失業保険(基本手当)の給付を受けられる場合があります。一方、65歳以降に退職した場合は、異なる失業保険(高年齢求職者給付金)の給付になります。
 
そして、基本手当と高年齢求職者給付金は、給付の内容に違いがあります。基本手当は、失業中の生活保障として再就職するのを支援するために支給されるものです。
 
雇用保険をかけていた期間により、基本手当の支給が90日分(被保険者期間10年未満)、120日分(被保険者期間1年以上20年未満)、150日分(被保険者期間20年以上)と変わります。
 
一方で、高年齢求職者給付金は、雇用保険をかけていた期間により、30日分の一時金(被保険者期間1年未満)か50日分の一時金(被保険者期間1年以上)となります。
 
このように、基本手当と高年齢求職者給付金では、受け取れる金額に大きな違いがありますので、65歳前後で退職時期に悩まれている場合、失業保険の受給額のことのみを考えるなら、65歳に到達する前に退職し基本手当を受給したほうがお得ということになります。
 

失業保険と特別支給の老齢厚生年金

65歳になる前に失業保険(基本手当)を支給される人は、特別支給の老齢厚生年金(65歳前に支給される厚生年金)との併給はされません。特別支給の老齢厚生年金を受給している人が失業して基本手当を受けようとするときは、求職の申し込みをした月の翌月から特別支給の老齢厚生年金の支給が停止されます。
 
この場合、特別支給の老齢厚生年金と失業保険のいずれか高いほうを選択することができます。
 

失業保険と老齢厚生年金

65歳以降に失業保険(基本手当)を受給する場合は、老齢厚生年金と基本手当が両方受け取れます。ただし、65歳以降に退職すると、失業保険は高年齢求職者給付金が適応されます。しかし、時期を選んで退職することで、失業保険(基本手当)と厚生年金の両方を受け取ることができます。
 
基本手当を受給するためには、65歳より前(65歳の誕生日の前々日)までに退職することが必要です。そして、65歳に達する日以降に求職の申し込みをします。そうすると、64歳で退職し、65歳以降に基本手当を受給することになるため、失業保険と老齢厚生年金の両方が受け取れるのです。
 
ただ、基本手当の受給が可能な期間は退職日の翌日から原則1年です。なので、あまり早い時期に退職してしまい65歳まで待っていると、受給できるすべての期間が退職日から1年以内に入らず、残りの日数分が受給できなくなってしまいます。
 
なので、ぎりぎりまでは働いてお給料をもらい、65歳に一番近い時期、64歳と11ヶ月での退職を選ぶことで、お得に失業保険と年金を受け取れるようになります。
 

多方面から検討する

今回の内容は、失業保険と老齢厚生年金についての関係での考察です。給与面から見ると、64歳11ヶ月で退職すると当然1ヶ月分の給料がもらえなくなってしまいます。
 
また、企業との雇用契約によっては、65歳の期間満了まで就業したことによる賞与や退職金に影響するかもしれません。このような個別の状況もかんがみてお決めください。さらに、この制度が将来変更になることがあるかもしれません。定期的なチェックが必要になります。
 
執筆者:古屋禎之
古屋FP事務所 代表
CFP(R)資格1級ファイナンシャル・プランニング技能士

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