60歳から「客室清掃」の仕事をはじめたいです。年収はどれくらいなのでしょうか？

株式会社マイナビが実施した「ミドルシニア／シニア層のアルバイト調査（2024年）」によると、60代の平均年収は、男性は129万1000円、女性は98万9000円です。希望する年収になると、男性は154万8000円、女性は114万1000円となっています。この記事では、客室清掃の仕事に就いた場合の収入や客室清掃をおすすめする理由を解説します。

客室清掃の就労状況

客室清掃の仕事に従事している人は全国で88万7020人とされています。勤務地は、大都市の大型ホテルや地方都市のホテル、観光地の旅館などです。最近では清掃専門業者に就職して派遣されるという形も増えています。雇用形態や勤務状況はさまざまですが、以下より客室清掃の収入や求人状況について解説します。
 

客室清掃の収入

厚生労働省が運営する職業情報サイト「jobtag」によると、客室清掃の全国平均の年収は329万6000円です。時給でみると、一般労働者は1552円、短時間労働者は1141円となります。60歳から仕事に就くのであれば、正社員での雇用より短時間のアルバイトやパートで勤務することが多いでしょう。そのため、短時間勤務の時給で年収を計算してみます。
 
勤務時間を10時～15時の5時間とし、週に3日働いた場合（1ヶ月4週）、1年で82万1520円の収入になります。勤務する時間や日数によって変わるため、目安として参考にしてください。
 

客室清掃の求人状況

令和5年度における客室清掃の有効求人倍率は2.38倍です。客室清掃の仕事に就く人は年齢の幅が広く、シニア世代となる60歳からの雇用も積極的に行われています。就業形態で最も多いのはパートタイマーの75.0％で、次にアルバイトの17.3％となっており、短時間勤務の求人が多いようです。
 

シニア世代に客室清掃がおすすめな理由

60歳からの就職は若い頃の就職に比べて年齢や経験、体力的なことなど悩むことも多くなるでしょう。しかし、客室清掃の仕事は次のような特徴があるため、シニア世代にとって働きやすい仕事といえます。

●年齢制限がない
●未経験でも始めやすい
●生活スタイルに合わせて働ける

以上3点について、シニア世代に客室清掃がおすすめできる理由を解説します。
 

年齢制限がない

客室清掃の求人条件の多くは年齢制限を設けていません。シニア世代では、40％の人が仕事を探す際に年齢の問題を感じたというデータもありますが、客室清掃の仕事では、年齢の壁に悩まず、60歳からでも応募が可能です。また、幅広い年代の方と交流するきっかけにもなります。
 
ただし、客室清掃の仕事は清掃道具の運搬や大きなベッドのシーツ交換などある程度の体力が必要です。体力に自信がない場合には、働く時間や日数を考えましょう。
 

未経験でも始めやすい

客室清掃の仕事に就くにあたって、これまでの経験や特別な資格は必要ありません。客室清掃経験者に聞いたデータによると、70％以上の人が未経験でも仕事に就けると答えており、32.7％の人が1ヶ月以内にサポートなしで働けるようになると回答しています。仕事の手順が決まっていることが多く、覚えて慣れてくればスムーズに仕事を進められるようです。
 

ライフスタイルに合わせて働ける

客室清掃の仕事の多くは、宿泊客がチェックアウト後に清掃に入り、次のチェックインまでに終わらせることが基本です。そのため、ほぼ残業もなく決まった時間で働けます。また、シフト制であることが多く、土日・祝日も稼働している仕事なので、週末だけなど生活スタイルに合わせた勤務ができます。
 

60歳から客室清掃で収入を得よう

60歳から仕事をするためには、収入以外にも生活スタイルや健康状態なども考慮しなければなりません。これらを調整しながら働くにあたり、客室清掃という仕事はおすすめできるものといえます。柔軟に働いて60歳からの収入につなげましょう。
 

出典

株式会社マイナビ　ミドルシニア／シニア層のアルバイト調査（2024年）
厚生労働省　職業情報提供サイト jobtag　客室清掃・整備担当（ホテル・旅館）
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー