父の介護で仕事を減らしました。「介護休業給付金」がもらえるって本当ですか？ 条件はどうなっていますか？
本記事では、介護休業給付金の条件のポイントや注意点を詳しく解説しています。いざというときに役立つ制度ですので、覚えておきましょう。
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介護休業給付金とは？
介護休業給付金とは、雇用保険の被保険者が、配偶者や父母、子どもを介護するために仕事を休んだ際に、賃金の67％を受給できる制度です。条件を満たした場合、93日を限度に最大3回に分割して支給されます。
支給対象となる「介護休業」の判断は「2週間以上の常時介護が必要な状態」とされていますが、介護休業の期間は2週間以下でも問題ありません。介護施設を利用している場合や、入院介護が必要な場合もあるため、対象家族の介護必要期間と、介護者の休業期間は必ずしも同じではないからです。
介護休業給付金の3つの条件
介護休業給付金が受給できる申請条件を、3つのポイントに分けて見ていきましょう。
介護休業開始前2年間に11日以上就業した月が12ヶ月以上
労働契約で契約期間が決まっていない場合、介護休業開始前2年間に11日以上就業した月が12ヶ月以上あることが条件です。契約期間が決まっている場合は、上記の条件に加えて「介護休業開始予定日から93日が経過する日から6ヶ月経過する日までに労働契約が終わっていないこと」と定められています。
要するに、入社して間もない方や、もともと休みがちだった方は、介護休業給付金は受給できません。また、介護休業が終了してから半年以内に契約期間が終わる方も同様です。
介護休業中に就業した日数が月に10日以下
月に10日以上就業すると、その月は給付の対象になりません。一般的に月に20日前後働くと想定した場合、仕事は半分以下に減らす必要があります。また、休業開始日から休業終了日までが1ヶ月未満の場合は、勤務日数10日以下の条件に加えて、全日休業している日が1日以上必要です。
介護休業中の賃金が休業前の80％未満
介護休業給付金の支給対象となるためには、休業中に受け取る月々の賃金が休業前の80％未満であることが条件です。これ以上賃金を受け取っている場合は、介護休業給付金は原則0円となります。
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介護休業給付の注意点
ここからは、介護休業給付を受ける際に知っておきたい注意点を紹介します。なお、条件や制度は勤務先によって異なる場合があるため、注意してください。
休業中は給付金を受け取れない
介護休業給付金は休業終了後に申請するため、休業中に給付金は受け取れません。介護中の生活費に困らないように事前に対応しておきましょう。
別の給付と同時には利用できない
「産前・産後休業」や「育児休業」を取得している場合は、介護休業を同時に利用できません。また、別の家族の介護休業を取得している場合も、同時には利用できないので注意しましょう。
対象家族の範囲には決まりがある
介護する人が、対象に当てはまらない場合は、介護休業給付金が受け取れない場合があります。厚生労働省は、介護休暇の対象家族の範囲を「配偶者（事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む）」「父母（養父母を含む）」「子（養子を含む）」「配偶者の父母（養父母を含む）」「祖父母」「兄弟姉妹」「孫」としています。
介護休業給付金の支給額
ここからは、実際に介護休業給付はどのくらい支給されるのかを見ていきましょう。
介護休業給付金の計算式は、「休業開始時賃金日額×支給日数×67％」です。休業開始時賃金日額の67％ですので、月額約15万円の場合の支給額は約10万円、月額約30万円の場合は約20万円です。
ただし、介護休業中に賃金が発生している場合は、その分が減額されるので注意しましょう。会社からの給料が13％以下の場合は67％全額支払われますが、13～80％の場合は80％までの差額が支払われます。
また、休業開始時賃金月額には上限と下限額があり、毎年8月1日に変更される場合があります。2024年8月1日時点では、上限額が51万8100円、下限額が8万6070円です。支給上限額も34万7127円に設定されているため、注意しましょう。
正確な金額は、ハローワークに提出する「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」で確認してください。
給付金を利用して仕事と介護の両立を
ここまで、介護休業給付金を受給できる条件や注意点について紹介しました。細かい受給条件が決められていて理解するのが大変ですが、仕事と介護の両立を図りやすくするために、上手に給付金を活用していきましょう。少しでも分からないことがあれば、勤務先に確認することが大切です。
出典
厚生労働省 Q＆A～介護休業給付～
厚生労働省 雇用保険事務手続きの手引き 第11章 介護休業給付について
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
