【働きたい高齢者】65歳の父が月5万円稼ぎたいと希望しています。シルバー人材センターでそれって“現実的な数字”ですか？

退職後も少し働いて生活費の足しにしたい、社会とのつながりを保ちたい。そのような思いから、シルバー人材センターで働こうと考える高齢者が増えています。なかでも、「月に5万円くらい稼ぎたい」という希望はよく耳にする目標です。
 
では、65歳の父親がシルバー人材センターで月5万円を稼ぐことは、現実的なのでしょうか。本記事では、収入の実態や働く時間、注意すべき点を解説します。

シルバー人材センターで月5万円は実現可能？

シルバー人材センターでは、全国で多くの高齢者が日常的に働いています。その収入の実態を見ると、月に2〜3万円程度という人が多い一方、条件がそろえば5万円前後まで稼ぐことも可能です。公益社団法人大津市シルバー人材センターによると、全国平均で月8～10日就業した場合、月額3～5万円程度だといわれてます。
 
ただし、この収入はあくまで“目安”であり、地域や仕事内容、個人の体力や希望する働き方によって変わります。センターによって紹介できる仕事の種類や件数が違うため、地域差も無視できません。とはいえ、「月5万円」というのは決して高すぎる目標ではなく、現実的な範囲といえるでしょう。
 

月5万円稼ぐには何日・どれくらい働く必要がある？

では、実際に月5万円を得るにはどのくらい働けばよいのでしょうか。シルバー人材センターでは、就業時間の上限として週20時間未満という制限があります。
 
この制限のなかで、時給1000円の場合、月に5万円を得るには約50時間の就業が必要です。週20時間未満・月10日以内という条件下では、週あたり12～13時間・月8～10日程度働くことで理論上5万円に到達します。
 
ただし、仕事の種類によって報酬の体系が異なります。派遣型の仕事では時給制が一般的ですが、請負型の仕事では作業の成果に応じて報酬が支払われます。時給が高い仕事や、短時間で済む効率的な業務を選べば、より少ない日数で5万円に届く可能性もあるでしょう。
 
仕事の例としては、公園の清掃や植木の手入れ、書類整理などがあります。経験や資格がある人であれば、パソコン入力や簡単な経理といった、比較的高単価の仕事を受けられるケースもあります。
 

年金や税金への影響は？注意しておきたいポイント

シルバー人材センターからの報酬は、「雑所得」として扱われます。年間の雑所得が20万円以下であれば確定申告は原則不要ですが、住民税の申告が必要になることもあるため、自治体に確認してください。
 
また、収入が増えることで年金に影響が出ることもあります。とくに厚生年金を受給している場合、所得額によっては年金支給が一部停止されることもあるため、注意が必要です。ただし、月5万円程度の収入であれば、影響は軽微で済む場合が多いとされています。
 
税金や年金への影響について不安がある場合は、早めに税務署や年金事務所に相談するのがよいでしょう。収入を増やすこと自体はよいことですが、それに伴う制度上の手続きも、あわせて理解しておくことが安心につながります。
 

まとめ

65歳の父親がシルバー人材センターで月5万円を稼ぐという目標は、無理のない範囲で実現可能です。ただし、安定的にその金額を得るためには、働く日数や仕事内容の選び方がポイントになります。
 
報酬の高い仕事を選ぶことや、自分の得意分野を生かせる業務に就くことが収入アップの近道です。さらに、税金や年金への影響をあらかじめ確認しておくことで、安心して仕事に取り組めます。月5万円という金額は、生活の助けになるだけでなく、生きがいや社会とのつながりを持つ意味でも価値のある目標です。
 

出典

公益社団法人 大津市シルバー人材センター Ｑ．月にどのくらいの収入を得ることができますか。
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー