母が「老後は子どもに迷惑をかけたくない」と、一人暮らしを続けると言っています。年金だけで生活しているので心配ですが、母の意見を尊重した方がよいのでしょうか?

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母が「老後は子どもに迷惑をかけたくない」と、一人暮らしを続けると言っています。年金だけで生活しているので心配ですが、母の意見を尊重した方がよいのでしょうか?
高齢の母から「できる限り一人で暮らしたい」と言われると、子どもとしては尊重したい気持ちと、生活費や体調への心配の間で迷うでしょう。年金だけで暮らしているからといって、一人暮らしを続けられないとは限りません。
 
一方、家計にほとんど余裕がない場合や、日常生活で困ることが増えてきた場合には、早めに支援の方法を考える必要があります。「同居するか一人暮らしか」の二択にせず、本人の希望を尊重しながら家族や地域の支援を組み合わせる方法を考えましょう。
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年金だけでも生活できるかは毎月の収支を見て判断する

一人暮らしを続けられるか考えるとき、最初に確認したいのは毎月の家計です。
 
総務省の2025年家計調査では、65歳以上の単身無職世帯の実収入は月平均13万1456円、税金や社会保険料などを差し引いた可処分所得は11万8465円でした。
 
一方、消費支出は月14万8445円で、可処分所得を約3万円上回っています。この統計の世帯主の平均年齢は77.8歳です。ただし、この結果だけを見て「高齢者の一人暮らしは年金だけでは無理」と考える必要はありません。
 
持ち家で住居費が少ない人と賃貸住宅で家賃を支払う人では、必要な生活費が大きく異なります。受け取る年金額にも個人差があります。母についても、年金の手取り額と、家賃または住宅維持費、食費、光熱費、通信費、医療費などを一度整理してみましょう。
 
毎月ほぼ収支が合っており、ある程度の予備資金もあるなら、年金だけでも一人暮らしを続けられる可能性があります。反対に毎月数万円の赤字が続いているなら、支出の見直しや家族からの支援も考える必要があります。
 

一人暮らしを希望しているならすぐ同居を迫る必要はない

「心配だから一緒に住もう」と子どもが考えるのは自然ですが、本人にとって住み慣れた家を離れることが必ず最善とは限りません。近所に知人がいる、通い慣れた病院やスーパーがある、長年築いた生活リズムがある、といった場合は、現在の住まいを続けたい理由もあります。
 
内閣府の「令和5年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査」では、65歳以上の94.0%が、現在の地域に住み続ける予定があると回答しています。そのため、家計や日常生活に大きな問題がないのであれば、本人の希望を尊重する選択肢もあります。
 
ただし、「子どもに迷惑をかけたくない」という言葉だけで、困り事を全部一人で抱えてもらう必要もありません。
 
たとえば「毎週日曜日に電話する」「数日に一度メッセージを送る」「困ったときは遠慮せず連絡する」など、負担の小さい約束を決めておく方法があります。
 
近くに住んでいる家族がいるなら、月に数回訪問する形でもよいでしょう。一人暮らしをやめてもらうのではなく、「一人暮らしを続けるために何を準備するか」と考えると、母にも受け入れてもらいやすくなります。
 

家族だけでなく地域の見守りや相談先も利用する

高齢者の一人暮らしを支える仕組みは、家族だけではありません。
 
厚生労働省によると、地域包括支援センターは、高齢者に関するさまざまな相談を受け、必要に応じて適切な機関や制度、サービスにつなぐ地域の相談窓口です。
 
まだ介護が必要な状態でなくても、今後の生活に不安がある場合は相談できます。
 
地域によっては、見守り・安否確認、配食、緊急通報などの生活支援サービスを利用できる場合もあります。対象者や費用、サービス内容は地域によって異なるため、市区町村や地域包括支援センターへ確認しましょう。
 
また、一人暮らしを続けるなら、緊急時の連絡先も整理しておくことが大切です。家族の電話番号、かかりつけ医、服用している薬などを、本人と家族がすぐ確認できるよう整理しておけば、突然の入院などにも対応しやすくなります。
 
将来、買い物や家事が難しくなったときも、「もう一人では暮らせない」とすぐ結論を出すのではなく、利用できるサービスを増やすことで自宅生活を続けられる場合があります。
 

まとめ

母が年金だけで一人暮らしをしていることを心配しても、すぐに同居を勧める必要があるとは限りません。まず、年金の手取り額と毎月の生活費を確認し、今の暮らしが経済的に継続できるかを見てみましょう。
 
そのうえで本人が食事や買い物、家事などを無理なく行えているなら、一人暮らしを続けたいという意思を尊重することも選択肢です。ただし、「迷惑をかけたくない」という気持ちから、困っていても助けを求めない可能性には注意しましょう。
 
定期連絡の方法や緊急時の連絡先を決め、必要に応じて地域包括支援センターなどにも相談しておくと安心です。
 
「同居しなければ支えられない」と考えるのではなく、本人の自立と家族の安心を両立できる支援体制を作っておけば、母も希望する生活を続けやすくなります。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2025年(令和7年)平均結果の概要
内閣府 令和5年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果(全体版)HTML形式
厚生労働省 地域包括ケアシステム
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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