年金暮らしの母が以前より服や食事にお金を使わなくなりました。「お金には困っていない」と言うのですが年金は月15万円ほどで、貯金はあまりないようです。何か支援した方がよいのでしょうか?

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年金暮らしの母が以前より服や食事にお金を使わなくなりました。「お金には困っていない」と言うのですが年金は月15万円ほどで、貯金はあまりないようです。何か支援した方がよいのでしょうか?
年金暮らしになった母が急に服を買わなくなったり、食費を抑えたりしていると、「本当は生活が苦しいのでは」と心配になるでしょう。
 
ただし、支出が減ったという理由だけで、すぐ金銭的な援助が必要とは限りません。仕事を辞めれば衣服や外食への支出が自然に減ることもあります。
 
一方、年金が月15万円程度で貯蓄が少ないなら、家賃や医療費などによっては余裕が小さい可能性があります。まず「節約している」のか、「必要なものまで我慢している」のかを確認することが大切です。
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年金月15万円でも余裕があるかは住居費などで大きく変わる

月15万円の年金なら、単純計算では年間180万円です。
 
一見すると一人暮らしには十分そうに見えるかもしれませんが、年金額と実際に生活費として使える金額は同じではありません。税金や健康保険料、介護保険料などが差し引かれることがあるため、まず実際に手元へ入る金額を確認することが大切です。
 
総務省の「令和6年全国家計構造調査」では、高齢者の無職単身世帯について、65~74歳では、税金や社会保険料などを差し引いた可処分所得が月14万1629円、消費支出が17万1924円でした。
 
一方、75歳以上では、可処分所得が14万5146円、消費支出が13万8285円となっています。
 
同じ高齢者の一人暮らしでも、年齢などによって平均的な収入と支出には違いがあります。そのため、「年金15万円なら十分」「高齢者の一人暮らしだから足りない」と、年金額だけで判断することはできません。
 
たとえば、母が住宅ローンのない持ち家で暮らしているなら、住居費を抑えられている可能性があります。反対に、仮に年金の手取りが月15万円で家賃が7万円なら、残る8万円から食費、光熱費、通信費、医療費などを支払うことになります。
 
また、貯金が少ない場合は、給湯器やエアコンの故障、入院などで突然まとまったお金が必要になったときに対応しにくくなります。「年金が月15万円あるか」だけではなく、実際の手取り額、毎月の生活費、貯蓄がどの程度あるかを合わせて確認しましょう。
 

服を買わないことより必要な食事まで減らしていないか確認する

高齢になると、生活スタイルが変わって支出が自然に減ることがあります。退職して外出する機会が少なくなれば、新しい服を頻繁に買う必要はなくなるでしょう。
 
外食より自宅で食事することが増えれば、食費全体が下がる場合もあります。こうした変化なら、必ずしも問題ではありません。
 
一方で、「お金が減るのが怖いから肉や魚をほとんど買わない」「冷暖房をできるだけ使わない」「病院へ行く費用が惜しい」といった状態なら、必要な生活費まで削っている可能性があります。
 
厚生労働省の「令和6年国民健康・栄養調査」では、65歳以上の19.5%が、BMI20以下の「低栄養傾向」に該当していました。65歳以上の女性では25.2%と、およそ4人に1人です。
 
もちろん、低栄養傾向になる原因は食費の節約だけではありません。ただ、母のように食事に使うお金を減らしている様子があるなら、金額だけでなく、必要な食事をきちんと取れているかにも目を向けたいところです。
 
母へいきなり「お金を渡そうか」と聞くより、「最近食費はどのくらいかかっている?」「固定費で負担になっているものはない?」と具体的に話してみましょう。
 
「困っている」と認めることに抵抗を感じる人でも、家計の話なら答えやすいことがあります。通帳の残高を無理に聞き出すのではなく、本人の意思を尊重しながら毎月の収支を一緒に確認することが大切です。
 

援助するなら現金を渡す以外の方法もある

母の家計に余裕がないと分かった場合でも、すぐ毎月数万円を渡す方法だけが支援ではありません。
 
たとえば食料品を一緒に買う、スマートフォン料金や保険の契約内容など固定費を見直す、家電が壊れたときに子どもが一部を負担する、といった方法があります。
 
毎月赤字ではないものの貯蓄がほとんどないなら、突発的な支出だけ家族が支援する方法も考えられます。また、お金以外の生活上の困り事がある場合は、地域包括支援センターへ相談できます。
 
厚生労働省によると、地域包括支援センターは市町村が設置し、高齢者の総合相談や介護予防などを行い、必要な支援につなぐ地域の相談窓口です。
 
買い物や家事が負担になって食費が減っているのであれば、単純にお金を渡すより、生活を支えるサービスを利用するほうが本人に合うこともあります。家族がすべて抱え込まず、地域の窓口も利用しましょう。
 

まとめ

年金月15万円で服や食事への支出が減ったからといって、母が必ず生活に困っているとは限りません。生活スタイルが変わり、自分の意思で不要な支出を減らしているだけなら、それも合理的な家計管理です。
 
一方、年金が月15万円でも、税金や社会保険料などが差し引かれることがあり、住居費などによって家計の余裕は大きく変わります。貯蓄が少なければ、急な出費への備えも必要です。まず確認したいのは、「欲しい服を買わなくなった」ことより、「必要な食事や医療、冷暖房まで我慢していないか」です。
 
援助が必要なら、毎月現金を渡すだけでなく、食料品や大きな支出を手伝う方法もあります。母の「困っていない」という言葉を否定せず、家計を一緒に確認するところから始めれば、本人の自立を尊重しながら必要な支援につなげられます。
 

出典

総務省 令和6年全国家計構造調査 家計収支に関する結果 結果の要約
厚生労働省 令和6年国民健康・栄養調査報告
厚生労働省 地域包括ケアシステム
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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