父が退職を機に、これまで付き合ってきた友人との外食をほとんど断るようになりました。退職金も受け取っているはずなのですが、やはり老後は交際費まで切り詰めたほうがよいのでしょうか?
しかし、友人との付き合いをすべて断つ必要があるとは限りません。老後の家計では支出を見直すことが重要ですが、人との交流も生活の一部です。まず父が外食を断っている理由を確認し、生活費を守りながら無理なく使える「交際費の予算」を決める方法を考えてみましょう。
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退職後に交際費を見直すこと自体は合理的
退職すると、毎月の給与がなくなったり、大きく減ったりする人もいるため、現役時代と同じ支出を続けられるとは限りません。
内閣府の「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査」では、全国の60歳以上に、現在より収入を増やす必要がある場合の対応を尋ねたところ、「節約等により支出を減らす」と答えた人が54.3%で最も多くなっています。
また、今後の経済面について不安に感じることでは、「物価が上昇すること」を挙げた人が74.5%で最も多くなっています。退職後に収入が減ることや、将来の物価上昇を考えて、外食などの支出を見直すこと自体は不自然ではありません。
また、退職金を受け取ったからといって、自由に使えるお金が突然増えたとは限りません。
たとえば毎月5万円の赤字を退職金などで補う状態が続けば、年間では60万円、10年間なら単純計算で600万円になります。さらに、住宅の修繕や医療など、まとまった支出が必要になる可能性もあります。父がこうした将来を考え、外食の回数を減らしているのであれば、それ自体は合理的な判断です。
ただし、「老後はお金を使ってはいけない」と考え、友人との付き合いまでほとんどなくしてしまう必要があるかは、別に考えたほうがよいでしょう。
高齢期でも友人との付き合いは生活の一部
高齢期になったからといって、友人との付き合いそのものがなくなるわけではありません。
内閣府の「令和5年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査」では、65歳以上に親しくしている友人や仲間がいるかを尋ねています。「たくさんいる」が7.8%、「普通にいる」が39.0%、「少しいる」が36.0%で、合わせると8割以上が親しくしている友人や仲間がいると回答しています。
また、同調査では、日常生活の作業を一人でできなくなったとき、同居している家族以外で頼れる人として「友人」を挙げた人も15.4%いました。
友人は、楽しみを共有する相手であると同時に、いざという時に心の支えになってくれます。
節約のために外食の頻度を減らしたり、以前より安い店を選んだりすることはできます。一方で、「お金がもったいないから誰とも会わない」と考える必要があるかは、本人の家計や希望を踏まえて考えることが大切です。
外食をゼロにするより月の予算を決める方法もある
父に「退職金があるのだから使えばいい」と勧める前に、まず本人がなぜ外食を断っているのか聞いてみましょう。純粋に外食へ行きたいと思わなくなったのであれば、無理に誘う必要はありません。
一方、「年金生活になったから1円でも節約しなければ」と必要以上に不安を感じているのであれば、家計を数字で確認することで安心できる場合があります。
まず、年金などの毎月の収入と、食費、住居費、水道光熱費、医療費などの支出を確認します。そのうえで余裕があるなら、友人との付き合いに使える金額をあらかじめ決めておく方法があります。
たとえば「友人との付き合いには月5000円まで」と決めれば、年間では6万円です。この金額を家計から無理なく出せるのであれば、「外食は全部断る」と決めるより、付き合いを続けやすくなります。
費用を抑えたいなら、夜の飲み会を昼食に変える、毎回参加せず月1回にする、食事ではなく喫茶店で会うといった方法もあります。「以前と同じように付き合うか、全部断るか」の二択にする必要はありません。
大切なのは、現役時代と同じ金額を使い続けることでも、交際費をゼロにすることでもなく、退職後の家計に合った範囲へ調整することです。
まとめ
退職後に交際費を見直すこと自体は、老後資金を長持ちさせるための合理的な方法です。
退職後に収入が減れば、現役時代と同じようにお金を使い続けることが難しくなる場合もあります。まず家計全体を確認し、交際費をどの程度まで無理なく使えるか考えることが大切です。
ただし、友人との付き合いまで一律にゼロにする必要はありません。
友人との外食は、食事をするだけでなく、人とのつながりを保つ機会にもなります。まず父が外食を断る理由を聞き、金銭面が理由なら老後の収支を確認しましょう。そのうえで、月5000円、1万円など無理のない範囲で交際費の枠を決める方法もあります。
老後の節約では、すべてを我慢するのではなく、自分にとって大切な支出を残しながら優先順位をつけることが重要です。家計を守りながら本人が望む人付き合いを続けられる形を探してみましょう。
出典
内閣府 令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果(全体版)HTML形式
内閣府 令和5年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果(全体版)HTML形式
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
