64歳で「厚生年金月10万円」を“繰上げ受給中”の父がハローワークへ。失業給付を「1円も」受け取っていないのに「月10万円」が支給停止に!“求職を申し込んだだけ”なのにナゼ!? 併給調整の仕組みとは

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64歳で「厚生年金月10万円」を“繰上げ受給中”の父がハローワークへ。失業給付を「1円も」受け取っていないのに「月10万円」が支給停止に!“求職を申し込んだだけ”なのにナゼ!? 併給調整の仕組みとは
定年後も働くつもりでハローワークに行ったところ、まだ失業給付を1円も受け取っていないのに年金が支給停止になったら、驚く人もいるのではないでしょうか。
 
例えば、64歳で老齢厚生年金を月10万円繰上げ受給している父親が、再就職を目指してハローワークで雇用保険の基本手当の受給手続きを行ったケースです。実は65歳未満では、基本手当と老齢厚生年金を同時には受け取れません。
 
ただし、止まった年金が全て失われるわけでもありません。本記事では、なぜ求職の申込みをしただけで年金が止まるのか、止まった年金はどうなるのかを解説します。
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65歳未満は「基本手当」と老齢厚生年金を同時に受けられない

雇用保険の基本手当は、離職した人が再就職を目指して求職活動をしているものの、職業に就けない場合に支給される給付です。
 
一方、日本年金機構によると、65歳になるまでの老齢厚生年金を受け取っている人が、基本手当を受けるためハローワークで求職の申込みをすると、老齢厚生年金との併給調整が行われます。対象になるのは、特別支給の老齢厚生年金だけではなく、繰上げ支給の老齢厚生年金も含まれます。
 
年金が止まるのは、原則として求職の申込みをした月の翌月からです。そこから、基本手当の受給期間が終わった月、または所定給付日数(基本手当をもらえる日数)を全て受け終わった月までが対象になります。
 
この間は、実際に基本手当が振り込まれたかどうかに関係なく、老齢厚生年金がいったん全額止まります。なお、65歳になるまでの老齢厚生年金に限った仕組みです。
 

失業給付が「0円」でも月10万円が止まることはある

例えば、父親が9月にハローワークの窓口を訪れ、基本手当の受給手続きをして求職の申込みをしたケースでは、年金の調整対象期間は翌月の10月から始まります。
 
一方、基本手当はすぐに振り込まれるわけではありません。受給資格決定日から7日間の待期期間があり、その後は原則として4週間に1回、失業の認定を受けてから支給される仕組みです。そのため、父親は失業給付をまだ1円も受け取っていない時期に、年金の停止だけが先に始まる可能性があります。
 
父親の老齢厚生年金が月10万円なら、1ヶ月分の停止で10万円、2ヶ月分なら20万円です。基本手当と年金を同時に受け取れる前提で生活費を考えていると、実際に手元へ入る金額が想定を大きく下回ります。
 

支給停止された年金が全て失われるわけではない

支給停止された年金が後から支払われるケースは、大きく2つあります。
 
1つ目は、調整対象期間中に基本手当を受けなかった月がある場合です。日本年金機構によると、その月分の年金は給付情報を確認した後、約3ヶ月後に支払われます。
 
2つ目は、基本手当の受給が終わった後に行われる「事後精算」です。実際に基本手当の支給対象となった日数をもとに、止めすぎた分の支給停止が解除されます。
 
日本年金機構の「老齢年金ガイド 令和8年度版」では、給付制限期間2ヶ月、所定給付日数150日のケースを例に挙げています。図表1にあるように、年金が止まる月数は7ヶ月です。
 
ここから、支給対象となった150日を30日で割った5ヶ月を差し引いた2ヶ月分について、所定給付日数の満了後に支給停止が解除されます。
 
図表1

図表1

日本年金機構 老齢年金ガイド 令和8年度版より筆者作成
 
この例と同じ条件で、父親の老齢厚生年金が月10万円なら、2ヶ月分にあたる20万円がさかのぼって支払われる計算です。最終的にいくら戻るかは、基本手当の支給対象となった日数などによって変わります。
 

繰上げ受給中なら「老齢基礎年金」との違いにも注意

今回、支給停止の対象としているのは月10万円の「老齢厚生年金」です。繰上げ受給している人が老齢基礎年金も受け取っている場合、基本手当との調整で止まるのは老齢厚生年金だけで、老齢基礎年金は支給停止されません。
 
「年金が全てなくなる」と身構える前に、受け取っている年金の内訳を確かめておくと安心です。
 

まとめ

65歳未満で老齢厚生年金を受けている人が、基本手当を受けるためハローワークで求職の申込みをすると、実際に失業給付をまだ1円も受け取っていなくても、翌月から老齢厚生年金が全額止まる場合があります。
 
ただし、全額が失われるとは限りません。基本手当を受けなかった月分は後から支払われ、受給が終わった後の事後精算で一部の停止が解除される場合もあるからです。
 
月10万円の年金が一時的に止まれば、その間の生活費を別に用意する必要があります。手続きの前に、基本手当の受給額や日数、年金の内訳を確認し、当面の生活費まで含めて考えておくとよいでしょう。
 

出典

日本年金機構 年金と雇用保険の失業給付との調整
日本年金機構 失業給付・高年齢雇用継続給付を受けるとき
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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