退職金「1000万円」を受け取った60歳の夫が、定年祝いに「300万円」の車を購入予定。「10年乗る最後の車だから」と言いますが、退職金の“3割”を車に使っても老後資金は足りるのでしょうか…?

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退職金「1000万円」を受け取った60歳の夫が、定年祝いに「300万円」の車を購入予定。「10年乗る最後の車だから」と言いますが、退職金の“3割”を車に使っても老後資金は足りるのでしょうか…?
退職金として1000万円というまとまったお金を受け取ると、家計に余裕ができたように感じる人もいるでしょう。しかし、まとまった支出が続けば、想定していたよりも早く退職金が減ってしまう可能性があります。
 
本記事では、退職金を受け取った後に注意したい支出を確認しながら、老後の家計を安定させるための資金の使い方について分かりやすく解説します。
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退職金1000万円の「3割」で車を購入! 無計画な浪費は定年後の家計を圧迫する可能性

60歳で定年退職を迎えたことをきっかけに、自分へのご褒美として高額な買い物をしたいと考える人もいるでしょう。1000万円という金額は大金に思えますが、退職後の生活は20年、30年と長期間に及びます。
 
総務省統計局によれば、老後の生活は想像以上に持ち出しが多く、平均的な収支・支出の世帯でも毎月赤字が続いている状態です。まとまった金額を一度に支出すると、その後の家計に影響することがあります。購入に踏み切る前に、老後の収入や支出に関するデータを参考にしながら、今後必要となる資金を確認しておくとよいでしょう。
 

高齢夫婦世帯は毎月4万円以上の赤字? 統計データから見る現実の生活費

公的年金を中心に生活する65歳以上の無職世帯では、実際のところ毎月どのくらいの生活費がかかり、いくらの収支不足が発生しているのでしょうか。
 
総務省統計局が公表している「家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの世帯(無職世帯)における1ヶ月当たりの平均的な実収入は約25万4400円です。
 
これに対し、税金や社会保険料などの非消費支出が3万2850円、日常の生活費である消費支出が26万4000円となっています。実収入から支出合計を差し引くと、毎月4万円以上の不足(赤字)が生じていることが分かります。
 
もし毎月4万円の赤字が続いた場合、1年間で約48万円、20年間では約960万円の生活費補てんが必要です。退職金1000万円から車の購入費300万円を引くと、残りは700万円です。この時点で、毎月の平均的な不足分を補っていくと、残った退職金にも余裕がなくなってくる計算です。
 

車は「買ったら終わり」ではない! 所有し続けることでかかる維持費

300万円で車を購入する際に見落としがちなのが、購入後の「維持費」です。「10年乗る最後の車」と考えていても、車は所有しているだけでさまざまな費用が発生し続けます。
 
ガソリン代はもちろんのこと、毎年の自動車税、車検費用、任意保険料、駐車場代、定期的なメンテナンスやタイヤ交換などの費用も必要です。交通・移動に関する費用は家計において無視できない負担です。
 
仮に年間20万円の維持費がかかるとすると、10年間で200万円程度の追加支出が発生します。退職金1000万円の多くが車関連で消えてしまうことを考えると、老後の予備資金としては心もとない状況といえるでしょう。
 

無理のない老後資金計画と話し合いを

定年退職という節目に、長年働いてきた自分へのご褒美として、憧れていた車を購入したいと考えることもあるでしょう。大切なのは、感情だけで購入を決めてしまうのではなく、将来の生活費と維持費を数値化して夫婦で共有することです。
 
老後には、日々の生活費の赤字補てんや車の維持費だけでなく、自宅の修繕費用や医療費、介護費用など、予期せぬ支出が発生する可能性もあります。そのため、事前にしっかりシミュレーションしておくことが欠かせません。
 
夫婦で将来のライフプランとお金の使い方についてじっくりと話し合い、納得のいく形で老後生活のスタートを切りましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2025年-(18ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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