40歳を超えた息子がまだ結婚しません。一人のまま老後を迎えるとなると、介護費用が高くつきませんか? 独身の場合、老後資金はどのくらい準備しておけばいいのでしょうか?
老後に必要なお金は、結婚しているかどうかだけでは決まりません。年金額や住まい、生活水準、介護が必要になったときの暮らし方によって変わります。本記事では、独身者の介護費用と老後資金の考え方を紹介します。
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独身者の介護費用は本当に高くなるのか?
独身の場合、「家族に介護してもらえないため、介護費用が高くなるのでは」と心配する人もいるでしょう。しかし、公的介護保険の自己負担割合は、結婚しているかどうかで決まるものではありません。介護サービスを利用した場合の自己負担は原則1割で、一定以上の所得がある人は2割または3割となります。
特に、独身者は配偶者による介護を受けられないため、訪問介護などのサービスを利用する機会が増えたり、施設への入居を選んだりする可能性があります。そのため、結果的に負担額が大きくなるケースも考えられるでしょう。
参考として、生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査(2人以上世帯)2024年度」によると、介護にかかった一時的な費用は平均47万2000円、毎月の費用は平均9万円、介護期間は平均55ヶ月でした。これらを単純計算すると、介護費用は約542万円になります。
この結果から、介護にはまとまった費用がかかる可能性があることが分かります。独身だからといって介護費用が必ず高額になるわけではありませんが、家族に頼れない場合も想定し、介護費用をあらかじめ準備しておくことが大切です。
一人で老後を迎える場合に必要な資金の目安
独身者の老後資金を考える際は、老後の生活費と年金収入の差をもとにすると、必要額をイメージしやすくなります。
総務省の「家計調査報告(家計収支編) 2025年」によると、65歳以上の単身無職世帯では、1ヶ月の実収入は平均13万1456円でした。一方、消費支出は14万8445円で、さらに、税金や社会保険料などの非消費支出が平均1万2990円かかっています。
これらを合わせた支出は16万1435円となるため、収入との差額は平均2万9980円の赤字です。仮に、この不足額が65~90歳までの25年間続くとすると、「2万9980円×12ヶ月×25年=約899万円」となります。
また、老後は介護が必要になる可能性もあるため、その費用も含めて備えておく必要があります。介護費用を前述の約542万円とすると、生活費の不足分と合わせて約1441万円となるため、老後資金は1400万円前後が一つの目安になるでしょう。
もっとも、この金額は平均値をもとにした試算にすぎません。実際に必要となる老後資金は、受け取る年金額や毎月の生活費、住まいの状況などによって異なります。特に賃貸住宅に住み続ける場合は、老後も家賃の支払いが続くため、住居費を含めて余裕を持った資金計画を立てることが重要です。
40代から始める老後資金の準備
40代であれば、老後までまだ時間があります。そのため、まずは将来受け取れる年金額を把握しておくことが大切です。
日本年金機構の「ねんきんネット」では、現在の加入状況などをもとに、将来の年金見込額を試算できます。受け取れる金額が分かれば、老後の生活費との差も見えやすくなるでしょう。
例えば、老後の生活費を月16万円、年金収入を月13万円と見込む場合、毎月3万円が不足します。この状態が25年間続くと、必要な金額は約900万円です。こうした不足額をもとに、老後までにどの程度準備すればよいかを考えられます。
また、老後に必要となるのは日々の生活費だけではなく、医療費や介護費用もかかります。さらに、賃貸住宅に住み続ける場合は家賃の支払いも続くため、こうした費用まで含めて見積もることが大切です。必要な支出を幅広く想定することで、より現実的な必要額を把握しやすくなります。
40代から準備を始めれば、老後までの時間を活用しながら少しずつ資金を積み立てることができます。まずは将来の年金額と生活費の差から不足額を把握しましょう。そのうえで、必要な金額を老後までの残り年数で割れば、1年あたり、あるいは毎月どの程度積み立てればよいかが見えやすくなります。
自分に必要な老後資金を知り、今からできる準備を始めよう
独身だから介護費用が必ず高くなるわけではありませんが、配偶者に頼れない分、介護サービスや施設を利用する可能性はあります。平均的な家計をもとにすると、生活費の不足分と介護費用を合わせて1400万円前後が一つの参考になります。ただし、必要額は年金収入や住居費、現在の資産によって異なります。
老後資金を準備する際は、「ねんきんネット」で将来の年金額を確認し、老後の生活費との差額を計算するとよいでしょう。40代から準備を始めれば、毎月少しずつ積み立てるなど、無理のない方法で老後に備えられます。将来必要になる金額を早めに把握し、自分に合った方法で老後資金を準備していきましょう。
出典
厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索 サービスにかかる利用料
公益財団法人生命保険文化センター リスクに備えるための生活設計 介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕 2025年(令和7年) 平均結果の概要
日本年金機構 ねんきんネット
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
