子どもが独立し、住宅ローンを完済した「4LDK」に夫婦2人。私は広すぎるから住み替えたいのですが、夫は「このまま住むのが一番安い」と反対…。老後の住居費を抑えられるのはどちらでしょうか?
では、現在の持ち家に住み続ける場合と、コンパクトな賃貸住宅へ住み替える場合では、30年間でかかる住居費にどのくらいの差が生じるのでしょうか。比較するうえでポイントとなるのが、「現在の持ち家がいくらで売却できるか」です。
本記事では、持ち家の維持かかる費用と賃貸住宅へ住み替えた場合の費用を数値で比較しながら、どちらを選ぶか判断する際のポイントを分かりやすく解説します。
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ローン完済後も安心できない? 隠れたコストに注意
住宅ローンを完済した4LDKの持ち家であっても、今後の住居費が0円になるわけではありません。持ち家を所有し続ける限り、固定資産税や都市計画税、火災保険料、そして建物の修繕費用などが発生するためです。
また、戸建て住宅の場合は外壁塗装や屋根の防水工事、水回り設備の交換などが必要になるケースがあります。固定資産税と将来の修繕費の積立を合わせると、年間30万円ほどの維持コストが見込まれる場合もあるため、ローン完済後であっても一定の住居費を想定しておく必要があります。
賃貸への住み替えは要注意! 平均家賃は上昇傾向で老後家賃が重荷に
「4LDKは夫婦2人には広すぎるからコンパクトな賃貸に住み替えたい」と考えた場合、注意したいのが近年の賃料相場の上昇傾向です。
アットホーム株式会社の調査によれば、首都圏(東京23区・東京都下・神奈川県・埼玉県・千葉県)をはじめとする主要都市で、マンションの平均募集家賃が全面積帯において前年同月を上回る推移を見せています。
老後に賃貸住宅へ住み替えた場合、住み続ける間は毎月の家賃を支払う必要があります。更新料や共益費を含めた支出は、将来的な物価高や市場動向によってさらに膨らむリスクがあり、公的年金を中心に生活する老後において固定費の増加は大きな負担となり得ます。
持ち家と賃貸、老後の住居費を抑えられるのはどちら? 売却価格が判断のポイント
老後の総住居費をどちらが低く抑えられるかは「現在の持ち家がいくらで売却できるか」によって大きく分かれます。まずは所有物件の査定価格を確認することが大切です。
仮に持ち家が2000万円を超えて高値で売却できる場合、その売却益を賃貸の家賃や引っ越しなどの初期費用に充当できるため、住み替えを選んでも資産寿命を縮めずに済む可能性があります。
しかし、売却価格が低い場合は慎重な判断が必要です。持ち家の維持費が仮に年間30万円で30年間に900万円、大規模修繕費に300万円かかったとしても、30年間の総コストは1200万円程度に収まります。
一方で、家賃月10万円の賃貸に30年間住み続けると家賃だけで3600万円が必要です。持ち家の売却によって得られる資金で住居費の差額を賄えない場合は、現在の持ち家に住み続けたほうが、住居費を抑えられると考えられます。
まとめ
老後の住居費を抑えることを優先するのであれば、住宅ローンを完済した持ち家にそのまま住み続けることも有力な選択肢です。賃貸住宅では住み続ける間は毎月の家賃が発生し、将来的に家賃が上昇する可能性もあります。
一方、住宅ローンを完済した持ち家であれば、家賃の支払いはなく、主な住居費は固定資産税や修繕・維持管理費などとなるため、費用を抑えられる場合があります。
もし4LDKという広さが負担であったり、段差などのバリアフリー面に不安があったりする場合は、住み替えだけでなく、必要な箇所を部分的にリフォームすることも選択肢のひとつです。
公的制度も活用しながら、使わない部屋の荷物を整理して生活動線を1階にまとめたり、手すりの設置や段差解消を行ったりすることで、住居費を最小限に抑えつつ老後も安全で快適に暮らし続けることができるでしょう。
出典
アットホーム株式会社 2026年8月 全国主要都市の「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
