定年退職した父が「すぐ再就職せず、まず失業手当をもらう」と言っています。60代なら、働き始める時期を遅らせたほうが金銭的に得なのでしょうか?

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定年退職した父が「すぐ再就職せず、まず失業手当をもらう」と言っています。60代なら、働き始める時期を遅らせたほうが金銭的に得なのでしょうか?
定年退職後も働く予定なら、「すぐ再就職するより、失業手当をもらってから働いたほうが得なのでは?」と考える人もいるでしょう。
 
しかし、失業手当は仕事をせず休むためのお金ではありません。また、早めに再就職すると「再就職手当」を受け取れる場合があり、失業手当を最後までもらうことが必ずしも金銭的に有利とは限りません。
 
今回は、60代で定年退職した場合の失業手当と再就職手当について解説し、どのタイミングで働き始めるとよいのかを考えます。
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60代でも定年退職後に「失業手当」を受け取れる

一般に「失業手当」と呼ばれているのは、雇用保険の「基本手当」です。定年退職した人も、一定の条件を満たせば受給できます。
 
基本手当を受け取るには、原則として離職前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上必要です。また、働く意思と能力があり、求職活動をしているにもかかわらず仕事に就けていない「失業の状態」でなければなりません。
 
そのため、「定年後は半年ほど休み、その間に失業手当をもらう」という使い方はできません。定年後にしばらく休養したい場合は、受給期間を延長できる制度があります。離職日の翌日から2ヶ月以内に申請することで、本来1年間である受給期間に、求職をしない期間を最大1年間加えられます。
 
また、60歳以上65歳未満の場合、基本手当日額は離職前の賃金をもとに決まり、賃金日額のおよそ45~80%です。厚生労働省によると、2026年8月1日現在、基本手当日額の上限は7830円となっています。
 
なお、65歳以上で離職すると、基本手当ではなく「高年齢求職者給付金」の対象となります。65歳前後で退職する場合は、年齢による制度の違いにも注意しましょう。
 

失業手当を満額もらってから働くほうが得とは限らない

「失業手当を途中までしかもらわずに就職すると損」と考える人もいるでしょう。しかし、再就職を遅らせれば、その期間に得られたはずの給与も受け取れません。
 
定年による離職の場合、基本手当の所定給付日数は、雇用保険の加入期間が10年未満なら90日、10年以上20年未満なら120日、20年以上なら150日です。
 
例えば、基本手当日額が6000円で所定給付日数が150日なら、単純計算した総額は90万円です。
 
一方、月給20万円の仕事に3ヶ月早く就けば、その3ヶ月で60万円の給与を得られます。さらに、一定の条件を満たして早期に再就職すれば、「再就職手当」を受け取れる可能性もあります。
 
失業手当の総額だけを見るのではなく、再就職後に得られる給与も含めて比較することが重要です。
 

早く再就職すれば「給与+再就職手当」で収入が増える可能性がある

前述した通り、基本手当の受給資格がある人が早期に安定した仕事に就くと、一定の条件を満たせば再就職手当を受け取れます。
 
厚生労働省によると、再就職手当は、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の2以上なら「基本手当日額×支給残日数×70%」、3分の1以上なら「基本手当日額×支給残日数×60%」です。
 
例えば基本手当日額6000円、所定給付日数150日の人が、30日分を受け取った後に再就職したとします。ほかの要件も満たしていれば、残りは120日なので、再就職手当は「6000円×120日×70%=50万4000円」です。
 
すでに受け取った基本手当18万円を合わせると68万4000円です。150日分の基本手当90万円より少ないものの、再就職後の給与が加わります。そのため、合計収入では早く働き始めたほうが多くなる可能性があります。
 
ただし、再就職手当には複数の支給要件があります。対象になるか分からない場合は、就職前にハローワークへ確認しましょう。
 

定年後は失業手当だけでなく再就職後の給与まで含めて判断しよう

60代だからといって、「失業手当を全部もらってから再就職するほうが得」とは一概にいえません。
 
早く再就職すれば基本手当の受給額は減りますが、条件を満たせば再就職手当を受け取れます。さらに給与も得られるため、合計収入では早く働いたほうが多くなる場合があります。
 
「失業手当を最大限もらうこと」だけを目的に再就職を遅らせるのではなく、基本手当、再就職手当、再就職後の給与を合わせて比較することが大切です。希望する働き方や体調も考えながら、ハローワークで受給額などを確認し、自分に合った再就職時期を検討しましょう。
 

出典

厚生労働省 離職されたみなさまへ
厚生労働省 ハローワークインターネットサービス 基本手当について
厚生労働省 ハローワークインターネットサービス 基本手当の所定給付日数
厚生労働省 ハローワークインターネットサービス 雇用保険受給資格者のみなさまへ 再就職手当のご案内
厚生労働省 大阪労働局 受給期間の延長
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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