父が亡くなり、母が一人暮らしになりました。家賃は月10万円で年金暮らしです。安い部屋へ引っ越したほうがいいと思いますが、引っ越し費用を考えると、どのくらい家賃が下がれば住み替えるメリットがあるでしょうか?

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父が亡くなり、母が一人暮らしになりました。家賃は月10万円で年金暮らしです。安い部屋へ引っ越したほうがいいと思いますが、引っ越し費用を考えると、どのくらい家賃が下がれば住み替えるメリットがあるでしょうか?
賃貸物件から別の賃貸物件へ住み替えるときには、住み替えにかかる費用を家賃が安くなった分で、何年くらいで回収できるかが一つの判断基準となります。本記事では、住み替え時にはどのような費用がどれくらいかかるのか、そしてどれくらい家賃が下がれば住み替えるメリットがあるかを解説します。
堀江佳久

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

住み替え時の費用

住み替え時の費用には、現在の賃貸物件からの退去費用、引っ越し費用、そして新しい賃貸物件の初期費用という3つの費用がかかります。住み替え時にかかる費用は、新しい賃貸物件の家賃を基準として、4~6ヶ月分が目安ともいわれています。図表1は、3つの費用別に家賃8万円の賃貸物件の場合を記載しています。
 
費用変動の大きな引っ越し費用は、引っ越しのピーク時期は高くなりがちです。また、最近は敷金・礼金ゼロや入居後の一定期間家賃が無料になる賃貸契約などもありますので、費用が大きく異なる場合があります。
 
図表1:住み替え時の費用(目安)

No. 区分 内容 概算費用
1 現在の賃貸物件からの退去費用 ハウスクリーニング代や鍵交換費用、原状回復の差額 3万~5万円
2 引っ越し費用 引っ越し業者代 4万~10万円
3 新しい賃貸物件の初期費用 敷金、礼金、仲介手数料、前家賃、保証会社利用料、火災保険料など 15万~37万円
合計 22万~52万円

筆者調べ
 

新家賃と回収期間

次に、現在の家賃10万円から「家賃9万円(1万円引き)」、「家賃8万円(2万円引き)」および「家賃7万円(3万円引き)」の物件へ引っ越した場合の回収期間を試算してみます。
 
図表2:新家賃と回収期間

項目 新家賃
家賃7万円 家賃8万円 家賃9万円
毎月の家賃節約額(A) 3万円/月 2万円/月 1万円/月
住み替え時の費用(B)
(新家賃の5ヶ月分で計算)
35万円 40万円 45万円
回収期間(B÷A) 約1年 1年8ヶ月 約3年9ヶ月

筆者作成
 
図表2の通り、現在の家賃から下がった分で、住み替え時の費用を回収することができますが、節約額が大きくなれば回収期間が短くなります。
 
本ケースでは、お父さまが亡くなられたあとに引っ越しで生活環境が変わることに加え、お母さまの体力面や精神的なストレスを考慮すると回収期間が短いほうがよいと思われます。
 
また、高齢者であることを踏まえ、具体的な住み替えにあたっては、コスト面だけでなく、医療機関やスーパーやドラッグストア、銀行、公共交通機関などの周辺環境や立地なども配慮する必要があります。
 
なお、実際に住み替えるにあたって、高齢で、年金受給者の場合、単身での入居審査が厳しくなり、入居先がなかなか見つからない場合があります。
 
したがって、一般の賃貸物件だけでなく、独立行政法人都市再生機構(UR)が管理・提供している高齢者向け賃貸住宅や高齢者向けの公営住宅なども選択肢として検討するとよいでしょう。礼金・仲介手数料ゼロなど、初期費用を抑えられる可能性があります。
 

まとめ

住み替えの判断基準の一つに、住み替えにかかる費用を、家賃が安くなった分で何ヶ月(何年)で回収できるか(回収期間)があります。当然ですが、家賃が安くなればなるほど回収期間は短くなり、住み替えのメリットが大きいといえます。また、初期費用を抑えるには、UR賃貸住宅や公営住宅なども選択肢に入れるとよいでしょう。
 
なお、実際の住み替えにあたっては、高齢者の一人暮らしであることを踏まえ、費用面だけでなく、周辺環境や立地なども配慮することを推奨します。
 
執筆者 : 堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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