60歳の夫が「退職金で1000万円の中古マンションを現金購入したい」と言い出しました。私は賃貸のままでいいと思うのですが、老後25年間の住居費はどちらが安く済むのでしょうか?

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60歳の夫が「退職金で1000万円の中古マンションを現金購入したい」と言い出しました。私は賃貸のままでいいと思うのですが、老後25年間の住居費はどちらが安く済むのでしょうか?
60歳の夫から「退職金で1000万円の中古マンションを現金購入したい」と提案されたものの、賃貸のままでよいのではないかと悩む方もいるかもしれません。
 
老後の住まいを考える際は、購入費用だけでなく、住み続けるために必要なお金も確認することが大切です。
 
今回は、中古マンションを現金購入する場合と、賃貸住宅に住み続ける場合の25年間の住居費を比較します。
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老後は持ち家に住む人が多い? 高齢夫婦の家計事情も確認

総務省統計局の「家計調査(家計収支編)2025年」によると、二人以上の世帯における持ち家率は、世帯主が60歳未満で79.4%、60歳以上で94.0%、75歳以上で95.9%です。高齢になるほど持ち家率は高くなりますが、持ち家だからといって老後の生活に余裕があるとは限りません。
 
また、「家計調査報告[家計収支編]2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、1ヶ月の実収入が25万4395円、税金や社会保険料を差し引いた可処分所得が22万1544円、消費支出が26万3979円となっています。
 
つまり、毎月約4万2000円の赤字です。この状態が25年間続くと、不足額は約1273万円に達します。あくまで平均値ですが、退職金で住宅を購入する際は、生活費の不足にも備える必要があるでしょう。
 

1000万円の中古マンション購入と賃貸では、25年間の住居費にいくら差が出る?

1000万円の中古マンションを現金購入する場合と、賃貸住宅に住み続ける場合を比較してみましょう。
 
今回は、賃貸の家賃を月6万円、マンションの管理費・修繕積立金を月3万円、固定資産税・都市計画税を年8万円と仮定します。また、購入時の諸費用を80万円、25年間の室内設備の修繕費などを200万円とします。
 
なお、金額は試算用の仮定です。賃貸の更新料や引っ越し代、購入後の保険料などは含めず、各費用は25年間変わらないものとします。
 
表1

費用項目 購入 賃貸
購入費用 1000万円 0円
購入時の諸費用 80万円 0円
家賃(25年間) 0円 1800万円
管理費・修繕積立金(25年間) 900万円 0円
固定資産税など(25年間) 200万円 0円
室内設備の修繕費など 200万円 0円
合計 2380万円 1800万円

※筆者作成
 
今回の試算では、賃貸のほうが580万円安くなりました。
 
ただし、家賃が月8万円なら25年間で2400万円となり、購入した場合の2380万円を上回ります。また、購入したマンションは25年後も資産として残る可能性があります。将来売却できれば、費用の一部を回収できるでしょう。
 

退職金で中古マンションを購入する前に確認したいこと

中古マンションを購入する場合、注意したいのが建物の老朽化です。
 
築年数が古い物件では、配管やエレベーターなどの修繕が必要になることがあります。修繕積立金が不足すると、毎月の負担が増えたり、追加費用を求められたりする可能性もあります。購入前には、長期修繕計画や修繕積立金の残高を確認しましょう。
 
また、退職金を住宅購入に使うと、手元の預貯金が減ります。
 
例えば、退職金が1500万円で、ほかに貯蓄がない場合、1000万円の物件を購入すると残りは500万円です。さらに購入時の諸費用も必要になります。
 
老後は医療費や介護費など、予想外の出費が発生することもあります。購入後も十分な生活資金を確保できるか、慎重に判断しましょう。
 

住居費だけでなく、老後資金の残高も考えて住まいを選ぼう

今回の試算では、25年間の住居費は中古マンション購入が2380万円、賃貸が1800万円となり、賃貸のほうが580万円安い結果でした。
 
ただし、実際の費用は家賃や物件の維持費などによって異なります。購入すれば家賃はなくなりますが、管理費や修繕積立金などの支払いは続きます。一方、賃貸ならまとまった購入資金を手元に残せます。
 
夫婦で意見が分かれている場合は、現在の家賃と購入予定物件の維持費を比較し、年金収入や貯蓄額も確認しましょう。住居費だけでなく、老後に必要な資金を十分に残せるかどうかも考え、夫婦で納得できる住まいを選ぶことが大切です。
 

出典

e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査/家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 表番号3-2 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 世帯主の年齢階級別
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2025年(令和7年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2025年-(18ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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