亡くなった父が毎年通っていた温泉宿に、母をもう一度連れて行きたいと思っています。家族3人で20万円ほどかかりますが、兄は「そのお金は母の老後資金に残した方がいい」と言います…思い出のための出費はどう考えるべきでしょうか?
お金を「残す」ことと「使う」ことのどちらが正しいかは、金額だけでは決められません。母の今後の生活資金に無理がないかを確認したうえで、その旅行が家族にとってどのくらい大切な意味を持つのかを考える必要があります。
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20万円を老後資金として見れば大きいが、旅行は一度きりの機会かもしれない
兄が「老後資金に残した方がいい」と考えるのは合理的です。年齢を重ねると、医療、介護、住宅設備の修理など予想外の支出が出る可能性があります。20万円を現金で残しておけば、そうしたときの安心材料になります。
一方、母の体力や健康状態は将来変わる可能性があります。「いつか行こう」と先延ばしにしているうちに、長距離移動が難しくなることも考えられます。
お金は後から使えますが、家族全員が同じ条件で旅行できる時間は戻らないことがあります。
まず母の老後資金に余裕があるか確認する
感情だけで20万円を使う前に、母の家計を簡単に確認しましょう。毎月の年金収入と生活費、預貯金、今後予定されている大きな支出を整理します。
例えば、生活防衛資金が十分あり、20万円を使っても数年分の生活費や医療・介護への備えが残るなら、旅行費を出しやすくなります。反対に、毎月赤字で貯金を取り崩している、住宅修繕が近いなどの事情があるなら、旅行の予算を抑える方が安心です。
「母のため」と言いながら、母の希望を置き去りにしない
家族が旅行を企画するときに最も大切なのは、母自身が行きたいと思っているかです。父との思い出が強すぎて「今は行きたくない」と感じる場合もあれば、「もう一度だけ行きたい」と願っている場合もあります。
まず母に「またあの宿に行ってみたい?」と聞いてみましょう。母が強く望んでいるなら、その気持ちは支出の価値を考える重要な材料になります。反対に本人が乗り気でなければ、20万円を使う意味は小さくなります。
20万円を全額母の資産から出す必要もない
家族3人で行く旅行なら、母の老後資金から全額20万円を出す必要はありません。子ども2人が自分の分を負担する、母の宿泊代だけ兄妹で贈るなど、負担の仕方はいくつもあります。
例えば3人で20万円なら、子ども2人がそれぞれ6万円ずつ負担し、母の負担を8万円に抑える方法もあります。これなら母の資産を大きく減らさず、家族の思い出もつくれます。
旅行の予算自体を下げ、平日や閑散期を選ぶこともできます。「行くか、行かないか」の二択ではなく、老後資金を守りながら実現できる金額を探すのが現実的です。
まとめ
亡くなった父との思い出の宿へ母を連れて行く20万円は、単なる娯楽費とは言い切れません。母が望み、家族にとって大切な時間になるなら、意味のある支出になる可能性があります。
ただし、老後資金を減らして生活が不安になるほど使うべきではありません。まず母の年金・預貯金・今後の支出を確認し、旅行しても十分な備えが残るかを見ましょう。
そのうえで子どもも費用を分担したり、予算を下げたりすれば、安心と今しかできない経験の両方を取りやすくなります。お金を残すことだけでなく、「元気なうちに何に使いたいか」を家族で話し合うことが大切です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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