2019.03.06 年金

年金に不安が残る自営業者やフリーランスが、年金額を増せる「付加年金」とは

老後の生活資金の中心になるのが、老齢基礎年金などの年金収入です。
 
ただ、将来的に年金受給額の減額が予想されていることや、とくに自営業者やフリーランスなど老齢厚生年金を受給できない人のなかには、自分が受け取る年金で本当に大丈夫なのかと不安を感じている人も少なくありません。
 
今回は、老齢基礎年金の年金額を増やすことができる付加年金について、お話しします。
 

付加年金と付加保険料の納付対象者

付加年金は、第1号被保険者(自営業者・フリーランス・農業者・学生など/日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の任意加入被保険者を含む)を対象とした独自の上乗せ年金で、月額400円の付加保険料を国民年金の保険料に追加して納付します。
 
付加年金の1年間の受給年金額は、納付した保険料の2分の1の金額です(老齢基礎年金の上乗せ年金として受給できます)。
 
1年間に受給できる付加年金額の計算式は、以下のとおりです。
200円 × 付加保険料納付期間(月数)=受給額
 
例)20歳から60歳までの40年間、付加保険料を納めた場合、1年間に受給できる付加年金額
200円 × 480月(40年) = 9万6000円
1年間に受給する年金額に「9万6000円」が上乗せされます。
 
ただし、付加保険料の納付対象者は先述のとおり第1号被保険者に限られます。第2号被保険者(民間の会社員・公務員など)や第3号被保険者(専業主婦など)、第1号被保険者でも国民年金基金に加入している人は「対象外」ですので、注意が必要です。
 

付加年金の主なメリット・デメリット

付加年金の主なメリットとデメリットは以下のとおりです。
 
1、2年間で元が取れる(メリット)
月額400円の付加保険料の納付に対して、付加年金の受給額は月額200円ですので、計算上は受給開始から2年間以上が経過すれば、元が取れることになります。つまり、老齢基礎年金の受給期間が長くなればなるほどお得になります。
 
例)付加保険料を3年間納付した場合の付加保険料納付額と付加年金受給額
付加保険料納付額: 400円 × 36月(3年間) = 1万4400円
 
付加年金受給額(1年目):200円 × 36月(3年分) = 7200円
付加年金受給額(2年目):200円 × 36月(3年分) = 7200円
(2年間の付加年金受給額の合計:1万4400円 = 3年間の付加保険料納付額)
付加年金受給額(3年目):200円 × 36月(3年分) = 7200円
(3年間の付加年金受給額の合計:2万1600円 > 3年間の付加保険料納付額)
 
2、付加年金受給額は定額(メリット・デメリット)
老齢基礎年金の受給年金額は、原則として賃金や物価の変動に合わせて改定されます。
 
年金加入者の減少率や平均余命の伸び率などを反映して毎年の給付水準を調整するマクロ経済スライドが適用されることで、毎年の受給年金額が増額・減額しますが、付加年金受給額は定額のため、物価スライドによる増額・減額はありません。
 
3、老齢基礎年金の繰上げ(繰下げ)受給に連動(メリット・デメリット)
老齢基礎年金の受給開始は原則65歳からですが、本人の希望により、60歳から64歳の間で受給を開始する繰上げ受給と、66歳から70歳まで受給を先延ばしする繰下げ受給を選ぶことができます。
 
繰上げ受給は受給時期が1月繰上がるごとに受給年金額が「0.5%」ずつ減額、繰下げ受給は受給時期が1ヶ月繰下がるごとに受給年金額が「0.7%」ずつ増額され、この割合は一生涯続きます。そして、付加年金受給額についても、上記の増額率・減額率が適用されます。
 
付加保険料の納付対象者は、第1号被保険者で、国民年金基金に未加入の人などに限られますが、メリット・デメリットを理解したうえで付加保険料の納付を選択肢の1つとして検討しても良いかもしれませんね。
 
執筆者:中田真(なかだ まこと)
CFP(R)認定者、終活アドバイザー
 
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中田真

執筆者:中田真(なかだ まこと)

CFP(R)認定者、終活アドバイザー

中田FP事務所 代表
NPO法人ら・し・さ 正会員

給与明細は「手取り額しか見ない」普通のサラリーマンだったが、お金の知識のなさに漠然とした不安を感じたことから、CFP®資格を取得。
現在、終活・介護・高齢期の生活資金の準備や使い方のテーマを中心に、個別相談、セミナー講師、執筆などで活動中。
https://nakada-fp.com/



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