最終更新日: 2020.02.19 公開日: 2020.02.20
年金

「重婚的緑関係の場合、入籍していなくても遺族年金はもらえる」これって本当?

執筆者 : 大泉稔

まずは、「扶養」について考えてみましょう。税金における扶養とは「入籍」が前提です。しかし、社会保険における扶養(=国民年金の第三号被保険者や健康保険の被保険者)では、「入籍」を前提としていません。
 
つまり、いわゆる事実婚や同棲の場合でも扶養に入れることができます。では、「遺族年金の受け取り」場合は、どうでしょうか?本稿では、いわゆる重婚的内縁関係の場合についてみてみます。
 
大泉稔

執筆者:

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

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大泉稔

執筆者:

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

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重婚的内縁関係とは

A子さんと同棲中のBさん。しかしBさんには、戸籍上の妻C子さんがいます。BさんはC子さんとの話し合いの結果、離婚する方向で話がまとまっています。
 
しかし、離婚の届けは出さずにA子さんと同棲を開始してしまったため、Bさんは戸籍上の妻C子さんがいるにもかかわらず、A子さんと同棲をしているという状況に……これが重婚的内縁関係です。
 
A子さんとBさんは、重婚的内縁関係を20年もの間続けたそうです。その20年の間、Bさんと妻C子さんとは音信不通だったので、A子さんはBさんの介護を行い、その最期をみとったそうです。

重婚的内縁関係のA子さんへの遺族年金は?

20年もの間、重婚的内縁関係が続き、その最期をみとったA子さんは、Bさんの死亡による遺族年金を受け取ることができるのでしょうか?結論を申し上げますと、Bさんの死亡による遺族年金をA子さんは受け取ることができます。
 
Bさんが戸籍上の配偶者C子さんを有する場合であっても、その婚姻関係がカタチだけとなり、かつ、別居をしており、婚姻関係がカタチだけのものである状態が長いこと続く。
 
つまり、もう離婚の状態と等しい場合には、BさんにとってC子さんは配偶者とはいえず、重婚的内縁関係のA子さんが配偶者に当たると判断されました。
(※)以上の一例は、大阪地方裁判所・平成27年10月2日の判決をベースにしています。

厚生労働省では……

ところで、先述の大阪地方裁判所の判例に先立つ平成23年3月23日に、厚生労働省より「本来は戸籍上の配偶者を優先すべきだが、その婚姻の実態が失われている場合に限って、重婚的内縁関係を事実婚として認める」という趣旨の通知が出されています(平成23年3月23日年発0323第1号厚生労働省年金局長通知)。
 
また、前述の通知には「婚姻の実態が失われている」場合として、以下の1または2のいずれかを満たすことが主な要件として記されています。
 
1.離婚に合意の上、共同生活が行われていないこと。
2.離婚に合意はしていないものの、10年以上、共同生活が行われておらず、仕送りなどの経済的な支援もお互いの訪問がないのはもちろん、音信不通のこと。
 
また、戸籍上の配偶者(=上述の例で言えば、C子さん)に対して、年金機構による調査が行われ、「婚姻の実態が失われていること」を確認するのだそうです。
(※)この調査はあくまでも「任意」で、本人のプライバシーに関することでもあるので「慎重に行う」という趣旨のことが書かれています。
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役

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