更新日: 2020.09.25 iDeCo(確定拠出年金)

老後資金の準備はどちらがお得?個人年金保険と個人型確定拠出年金(iDeCo)の違い

執筆者 : 新美昌也

老後資金の準備はどちらがお得?個人年金保険と個人型確定拠出年金(iDeCo)の違い
「老後の生活費が2000万円不足する」という金融庁の報告書は、多くの人が漠然と抱えていた老後不安を顕在化しましました。
 
この報告書が出たあと、「個人型確定拠出年金(iDeCo)」の口座開設が急増したという記事を目にしました。老後資金の準備の方法としては、生保の「個人年金保険」もポピュラーです。
 
老後資金の準備は、「個人年金保険」と「個人型確定拠出年金(iDeCo)」のどちらがお得でしょうか。
 

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新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

個人年金保険とは

保険料の中から資金が積み立てられ、契約時に定めた年齢になるとそれを原資として年金を受け取れるのが生命保険会社の「個人年金保険」です。
 
年金受取開始日前に死亡した場合は、一般的にそれまでに払い込んだ保険料相当額の死亡給付金を受け取れます。災害で死亡した場合には、通常の死亡給付金の110%など割増しがされた災害死亡給付金を受け取れるものもあります。
 
個人年金保険は、死亡保障の機能は限定的な貯蓄機能を重視した保険といえます。なお、保険料払込期間中に所定の高度障害状態に該当すると、一般的に以後の保険料払い込みが免除されます。
 
年金の受取り方には、「確定年金」「有期年金」「保証期間付終身年金」などがあります。
 
「確定年金」の場合、年金受取開始後、被保険者の生死に関係なく契約時に定めた5年などの一定期間、年金を受け取れます。一方、年金受取開始後、契約時に定めた10年などの一定期間中、被保険者が生存している限り年金を受け取れるのが「有期年金」です。
 
保証期間付有期年金であれば、保証期間中は被保険者の生死に関係なく年金を受け取れます。「保証期間付終身年金」は、年金受取開始後、保証期間中は被保険者の生死に関係なく年金を受け取れ、その後は被保険者が生存している限り一生涯年金を受け取れます。
 
確定年金や有期年金は、退職から公的年金の支給開始までの「つなぎ年金」として生活資金を確保するのに役立ちます。長生きリスクに備えるのは「(保証期間付)終身年金」が良いでしょう。支払った保険料は、生命保険料控除の対象となります。
 
(1)保険料の払込期間が10年以上
(2)年金の受け取り開始が60歳以降で期間が10年以上

などの条件を満たせば「個人年金保険料控除」、満たさなければ「一般生命保険料控除」の対象です。

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個人型確定拠出年金(iDeCo)とは

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、銀行や証券会社などに口座を開設して加入します。国民年金や厚生年金の加入者で、20歳以上60歳未満のすべての方が加入できます。掛金は、職業などによって拠出限度額があり、その範囲内で自由に決めることができます。毎月定額拠出のほか、月毎に掛金の拠出を設定することも可能です。
 
拠出した掛け金は、用意された投資信託などの商品を自ら選択・運用し、将来、拠出額と運用益の合計額を受け取ります。運用商品は、定期預金・保険といった「元本確保型」と投資信託があります。
 
積み立てた資産は、原則、60歳から受け取ることができます(60歳までは引き出せません)。資産の受け取りは
(1)年金として分割で受け取る
(2)一時金として一括で受け取る
(3)年金と一時金を組み合わせて受け取る

という方法があります。70歳になるまでの間であれば、老後の生活設計に合わせて希望する時期から受け取りを開始できます。
 
なお、一定以上の障害の状態になった場合は、70歳に達する日の前日までに運営管理機関に請求することにより「障害給付金」を受け取ることができます。また、加入者等が死亡したときは、その遺族に「死亡一時金」が支給されます。
 
個人型確定拠出年金(iDeCo)の最大のメリットは3つの税制優遇にあります。
(1)供出する掛け金は全額所得控除になる
(2)運用益が非課税
(3)給付金を受け取るとき、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金として受け取る場合は「退職所得控除」が適用される

個人型確定拠出年金(iDeCo)と個人年金保険の比較

個人年金保険は、契約時の予定利率で将来の年金資産の原資が決まりますので、現在の低金利時代に加入するのは貯蓄商品として魅力がありません。個人型確定拠出年金(iDeCo)は、投資信託で運用すれば資産を大きく増やすことが期待できます。
 
個人型確定拠出年金(iDeCo)は資産を、原則60歳まで引き出せませんが、個人年金保険では、解約や契約者貸付といった方法で使うことができます。
 
税制優遇にも大きな違いがあります。保険料も拠出額も所得控除の対象ですが、保険料は所得控除できる金額が限定的です。また、個人年金保険は「公的年金等控除」や「退職所得控除」の対象外です。
 
老後の資金の準備なので、個人型確定拠出年金(iDeCo)の資産が60歳まで引き出せないことはデメリットとはいえません。節税効果を考えたら、個人型確定拠出年金(iDeCo)がお得といえます。
 

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執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー