更新日: 2021.01.25 年金

共済年金が一元化されてから5年。公務員の年金はどう変わった?

執筆者 : 遠藤功二

2015年10月に公務員が加入していた共済年金は、厚生年金に一元化されました(以下、当該制度改正のことを「一元化」と呼びます)。
 
もともと公務員の年金制度は充実しているというイメージがあった方からすると、制度変更によって不利になってしまったのではないか、と不安に思う方も少なくないと思います。
 
実は公務員の年金制度は制度変更前と実質的には大きな違いはなく、引き続き充実したものになっています。
 
この記事では、公務員の現状の年金制度について解説します。
 
遠藤功二

執筆者:

執筆者:遠藤功二(えんどう こうじ)

1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)

三菱UFJモルガン・スタンレー証券とオーストラリア・ニュージーランド銀行の勤務経験を生かし、お金の教室「FP君」を運営。
「お金のルールは学校では学べない」ということを危惧し、家庭で学べる金融教育サービスを展開。お金が理由で不幸になる人をなくすことを目指している。

遠藤功二

執筆者:

執筆者:遠藤功二(えんどう こうじ)

1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)

三菱UFJモルガン・スタンレー証券とオーストラリア・ニュージーランド銀行の勤務経験を生かし、お金の教室「FP君」を運営。
「お金のルールは学校では学べない」ということを危惧し、家庭で学べる金融教育サービスを展開。お金が理由で不幸になる人をなくすことを目指している。

3階建てといわれる公務員年金制度とは

公務員の年金制度は「3階建て」といわれており、国民年金のみ(1階建て)の自営業者、国民年金と厚生年金(2階建て)の民間企業の会社員と比較すると年金制度が手厚くなっています。
 
一元化の前は、公務員の年金制度は国民年金(1階部分)、退職共済年金(2階部分)、共済年金の職域部分(3階部分)で構成されていました。
 
一元化によって、2階部分が会社員と同じ厚生年金に統一され、3階に位置する職域部分が無くなり、「年金払い退職給付」という新しい制度が3階部分として登場しました。制度変更によって、「3階部分が無くなり年金制度が手薄になるのでは?」と心配した公務員の方はホッとしたことでしょう。
 
一部の民間企業では、退職金を社外に積み立てる「確定給付企業年金」という企業年金制度がありますが、公務員の3階部分である「年金払い退職給付」は同じような役割で設けられています。
 

1階部分と2階部分は会社員と同じ

一元化とは関係なく、1階部分の国民年金制度は、全国民に共通しています。年金保険料を納めた方は、納付期間(最大480ヶ月)によって65歳から最大約78万円/年を受け取れます。
 
厚生年金は、報酬額と保険料の納付期間によって受給金額が変わります。例えば、現行の制度で、賞与も含めた月額の収入が平均的に50万円の方が40年間勤務した場合の厚生年金の受取額は約131万円になります。会社員も公務員もここまでは同じです。
 

3階部分は積立方式

もともとの共済年金の職域部分は賦課方式という制度でしたが、「年金払い退職給付」は積立方式を採用しています。
 
賦課方式は、年金受給者が受け取っている年金を現役の人たちが払っている年金保険料で支えるという制度ですが、積立方式は、自分の年金資産を自分で積み立てるという制度です。年金としての支給開始は、65歳からであり、60歳まで繰り上げ請求をすることも可能です。
 
有期年金と終身年金を両方受け取ることができ、有期年金部分は、10年、20年、一時金から選ぶことが可能です。受給者が亡くなった場合は、有期年金は残余部分が遺族に一時金として支払われますが、終身年金部分は終了してしまいます。
 

公務員もiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入できる

2017年からiDeCoの加入対象者が公務員にも拡大しました。この制度改正で、公務員の年金は3階にさらにもう1段積み上げることができるようになったということです。
 
年金制度が3階まであるのに、iDeCoにまで加入する必要があるのか? と疑問に思われる方もいるかもしれませんが、公務員の方こそiDeCoの恩恵が受けられます。
 
公務員は、一般的に収入が安定している傾向があり、一定の所得税を納めている方は少なくありません。iDeCoの最大のメリットが掛け金と同額を所得控除できることです。
 
仮に、所得税率20%の公務員がiDeCoを掛け金の上限額(2020年12月時点1万2000円/月、14万4000円/年)で行った場合、14万4000円×20%=2万8800円の税還付が受けられることになります。
 
また、資産運用で得られた運用益が非課税になるので、効率的に資産を形成できます。
 

まとめ

公務員の年金制度は手厚いから不公平だ、という意見を耳にすることがありますが、大手企業のケースでは、企業年金制度が確定給付企業年金と企業型確定拠出年金の2階建てになっており、公的年金と合わせると4階建てになっていることも少なくありません。
 
公務員よりも年金制度が優遇されている企業は存在します。年金制度の充実した勤め先を選ぶことはライフプラン上、大切な観点であることはいうまでもありません。
 
出典
国家公務員共済組合連合会 共済年金は厚生年金に統一されます
地方職員共済組合 年金払い退職給付について
 
執筆者:遠藤功二
1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)