最終更新日:2019.03.21 公開日:2018.04.08
年金

厚生年金保険料の算出方法を知っていれば給与明細見ても驚かない!

会社員をしていると、毎月の給与や、賞与から厚生年金保険料が引かれています。

「こんなにも引かれているのか」と思われるかもしれませんが、その計算方法はどのようになっているのでしょう。

標準報酬月額と標準賞与額を用いて計算

毎月の給与、夏や冬の賞与から差し引かれている厚生年金保険料ですが、給与の額や賞与の額に保険料率を掛けて、それを2で割った額が自身の負担する保険料額となります。
 
2で割るのは、厚生年金保険料は、会社員として勤めをしている自身と、会社が半分ずつ負担するからです。
 
ここで使う給与の額とは標準報酬月額、賞与の額とは標準賞与額になります。標準報酬月額とは、実際に受け取っている報酬月額(給与の額)に応じて、第1等級〜第31等級に区分された額で、保険料計算に用いる給与の額とイメージできるでしょう(図表1)。
 


 
報酬月額(給与の額)には基本給だけでなく、通勤手当など各種手当も含まれます。一方、祝金、見舞金など臨時的なものは含まれません(下記参照)。また、報酬のうち3カ月を超える期間ごとに受けるものも除かれます(ただし、後述の賞与に含まれます)。
 
●報酬に含まれるもの
基本給、通勤手当、残業手当、家族手当、住宅手当、役付手当、宿日直手当、勤務地手当など
 
●報酬に含まれないもの
結婚祝い金、見舞金など臨時に受けるもの、3カ月を超える期間ごとに受けるもの
 
そして、これに保険料率を掛けることになりますが、保険料率は18.3%(平成29年9月〜)で、会社員である自身と会社の半分ずつの負担ですので、自身の負担は9.15%分です。
 
例えば、標準報酬月額が220,000円である場合、220,000円×18.3%÷2となり、給与から引かれる保険料は20,130円ということになります。当然、220,000円より高い標準報酬月額であれば、負担する保険料も高くなり、低い標準報酬月額であれば、負担する保険料も低くなります。
 
平成27年10月の被用者年金一元化により、公務員や私学教職員として共済に加入している場合も厚生年金被保険者となりますが、保険料率は会社員の厚生年金被保険者と若干異なる数字となります(保険料率を段階的に引き上げており、国家公務員、地方公務員については平成30年9月から、私学教職員については平成39年4月から会社員と同じ18.3%となります。)。
 

賞与の上限は150万円

3カ月を超える期間ごとに支給されるものは賞与となり、標準賞与額を用いて計算します。標準賞与額とは受け取った賞与の額から1,000円未満の額を切り捨てた額です。
 
これに先ほどの保険料率(18.3%、自身の負担分は9.15%)を掛けて計算した額が保険料となります。
 
ただし、賞与の額には上限額があり、1回の賞与につき150万円となります。150万円を超える賞与を受け取る人はあまりいないかもしれませんが、200万円の賞与をもらっていても150万円の標準賞与額になり、150万円に保険料率を掛けることになります。
 
このように、給与や賞与の額に応じて保険料を負担することになりますが、負担した保険料が多ければ、その分将来受け取る厚生年金の額も多いことになるでしょう。
 
 
※2019/03/21 内容を一部修正させていただきました。
 
Text:井内 義典(いのうち よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー
 
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井内義典

執筆者:井内義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

1982年生まれ。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役。

資格学校勤務時代には教材編集等の制作業務や学習相談業務に従事し、個人開業の社会保険労務士・FPとしては公的年金に関する研修講師を務め、また、公的年金の相談業務も経験してきている。

これらの経験を活かして、専門誌で年金に関する執筆を行っている。2018年に、年金やライフプランに関する相談・提案、教育研修、制作、調査研究の各事業を行うための株式会社よこはまライフプランニングを設立、横浜を中心に首都圏で活動中。日本年金学会会員、日本FP学会準会員。



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