更新日: 2021.03.09 その他年金
令和3年度の年金額の改定。65歳以上で働く人の年金額に影響はある?
執筆者:杉浦詔子(すぎうらのりこ)
ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント
「働く人たちを応援するファイナンシャルプランナー/カウンセラー」として、働くことを考えている方からリタイアされた方を含めた働く人たちとその家族のためのファイナンシャルプランニングやカウンセリングを行っております。
2005年にCFP(R)資格を取得し、家計相談やセミナーなどのFP活動を開始しました。2012年に「みはまライフプランニング」を設立、2013年よりファイナンシャルカウンセラーとして活動しています。
令和3年度の老齢基礎年金額
令和3年度の年金額が、厚生労働省から令和3年1月22日に公表されました。令和3年度は前年の令和2年度から0.1%の減額となり、受け取れる老齢基礎年金は令和3年4月から満額で年間78万900円となりました。
これは月額に換算すると6万5075円となります。令和2年度は満額で年間78万1700円でしたので、年額で800円少なくなりました。このように老齢基礎年金などの公的年金の金額は、前年の物価変動率や賃金変動率によって毎年見直しがされているのです。
65歳以降に老齢基礎年金を満額受け取るには、基本的に20歳から60歳までの40年間(480ヶ月)保険料を納めます。老齢基礎年金は原則として保険料を10年(120ヶ月)以上を納めれば受け取れますが、納めた期間に応じて受け取れる金額が変わります。
免除期間や合算期間などを考慮しない場合、例えば10年間(120ヶ月)納めた方は40年間(480ヶ月)納めた方と比較して、保険料納付期間が4分の1ですから、令和3年度に年間で受け取れる年金額も満額の4分の1となる19万5225円、20年間(240ヶ月)納めた方は満額の2分の1の39万450円と計算できます。
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納める国民年金保険料は少なくなったか
納める国民年金保険料については、令和3年度は月額1万6610円で、令和2年度の1万6540円と比較して70円上がりました。令和4年度になると令和3年より20円安くなり月額1万6590円となります。
なお、給与や賞与から厚生年金保険料が天引きされている場合、厚生年金保険料に国民年金保険料も含まれていますので、国民年金保険料を別途支払う必要はありません。
厚生年金保険料を納めていると、老齢基礎年金に加え、老齢厚生年金も受け取ることができます。老齢厚生年金は、納付期間の長短と毎月の納付額の大小が受け取る年金額に影響します。自分が受け取れる老齢厚生年金の額は、ねんきん定期便などで確認しておきましょう。
働き続けるともらえる年金が少なくなるって本当?
70歳まで働き続けられるように、令和3年4月には一部が改正された高年齢者雇用安定法が施行されます。
昭和36年4月2日以降に生まれた男性(女性は昭和41年4月2日以降)は、65歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金が受け取れるようになりますが、老齢厚生年金には従前から在職老齢年金という制度があり、収入が一定額より多くなると、収入に応じて老齢厚生年金の支給額が減額されたり、支給停止されたりします。
令和3年度の65歳以上の方の在職老齢年金の支給停止の調整額は、令和2年度と同じ47万円です。
在職老齢年金を簡単に説明すると、給与と賞与を合わせて12等分して、1ヶ月の平均額を算出した総報酬月額相当額に、受け取れる老齢厚生年金の1ヶ月相当分を合算した額が47万円を超えると受け取れる老齢厚生年金額が減額されるという制度です。65歳を過ぎて働き続ける場合は、在職老齢年金についても確認しておきましょう。
出典
厚生労働省 令和3年度の年金額改定について
執筆者:杉浦詔子
ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント