厚生年金保険料は年収によってどれくらいの差がある?

配信日: 2021.03.12

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厚生年金保険料は年収によってどれくらいの差がある?
厚生年金の保険料は年収によって変動します。では、その差は一体どれくらいの金額になるのでしょうか。年収ごとに大まかな厚生年金保険料を算出し、簡単にシミュレーションして比較してみましょう。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

厚生年金の保険料は、そもそもどう決まる?

厚生年金の保険料は収入に比例して高くなります。具体的には、毎年4月から6月までの給与によって報酬月額を算出し、そこに当てはまる等級と標準報酬月額を基に本人負担分の保険料が決まります。
 
ここでいう給与とは、基本給や残業代の他、各種手当、通勤時の交通費なども含まれます。なお、一度決定された標準報酬月額は原則9月から翌年8月までの適用されます。
 
また、厚生年金保険料は賞与(ボーナス)にも発生します。税引き前の賞与から1000円未満を切り捨てたものが標準賞与となり、標準賞与の額に応じた保険料率をかけて算出します。
 

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保険料の具体的な金額は?

保険料が年収に応じて高くなるといっても、なかなかイメージがつきづらいかもしれません。そこで、いくつかの年収モデルを例にシミュレーションをしてみます。基本的に賞与は月収と同額を年2回支給されると仮定し(年収は月収の14ヶ月分)、令和2年9月分からの厚生年金保険料額表を基に計算します。
 

年収250万円の場合

新卒の平均的な年収ともいえる250万円ですが、このあたりの年収レンジでは賞与が少なかったり、寸志であることも多いため、賞与については省いて考えると月収はおおむね20万円程度でしょう。
 
標準報酬月額を20万円とした場合、月々の厚生年金の保険料(本人負担分)は1万8300円です。従って、年間での厚生年金の保険料は合計21万9600円となります。

 

年収300万円の場合

年収300万円になると、賞与を除いた月収は21万円から22万円といったところでしょう。仮に月収を21万5000円とすれば、標準報酬月額は22万円となり、月々の保険料は2万130円となります。年間での厚生年金保険料は28万1820円となります。

 

年収400万円の場合

よくいわれる平均的なサラリーマンの年収が400万円程度です。月収が30万円、月収の1ヶ月分相当の賞与が年2回出ると想定すると、標準報酬月額は30万円で月々の厚生年金保険料は2万7450円、年間の保険料は38万4300円となります。

 

年収600万円の場合

ある程度の役職に就いたり、勤続年数が長くなったころに到達するであろう年収600万円。この年収での厚生年金保険料はどのくらいになるのでしょうか。仮に月収が42万円程度と想定すると、標準報酬月額は41万円となり、月々の厚生年金保険料は3万7515円、年間の保険料は52万5210円です。

 

年収800万円の場合

年収800万円までいくと、月収は57万円程度だと想定されます。標準報酬月額は56万円、月々の厚生年金保険料は5万1240円、賞与分を含めた年間での保険料の総額は71万7360円となります。

 

年収1000万円の場合

年収が大台の1000万円になると、月収は71万円程度でしょう。標準報酬月額は上限である65万円となり、月々の厚生年金保険料は5万9475円、年間の保険料総額は83万2650円です。

 

厚生年金保険料は高収入ほど負担額が大きくなる

厚生年金保険料は保険料率こそ一律であり、上限額も設定されているものの、基本的に月収や賞与の金額が大きい高所得者ほど負担額も高額になります。
 
厚生年金の保険料を下げるには、4月から6月の間は給与を下げるために残業を減らすといった方法もあります。しかし、現役時代に支払う厚生年金の保険料は、将来受け取る年金の金額や、ケガや病気にかかってしまった際の保障を受ける場合の基準になります。
 
厚生年金の保険料については、どのくらい支払うのか把握しておくことはもちろんですが、その金額に対して後ろ向きに考えるのではなく、前向きに考えた方が建設的ではないでしょうか。
 
出典
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表
 
執筆者:柘植輝
行政書士
 

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