年金証書とは? 年金手帳との違いなどをFPが解説

配信日: 2021.03.13

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年金証書とは? 年金手帳との違いなどをFPが解説
年金手帳は聞いたことがあるけど、年金証書との違いが分からない、という方もいると思います。そこでこれらが、どういったものかについて解説します。
伏見昌樹

執筆者:伏見昌樹(ふしみ まさき)

ファイナンシャル・プランナー

大学卒業後公認会計士試験や簿記検定試験にチャレンジし、公認会計士試験第二次試験短答式試験に合格や日本商工会議所主催簿記検定1級に合格する。その後、一般企業の経理や県税事務所に勤務する。なお、ファイナンシャル・プランナーとして、2級ファイナンシャル・プランニング技能士・AFP合格した後、伏見FP事務所を設立し代表に就き今日に至る。

年金証書と年金手帳の違いは何?

年金証書と年金手帳は、以下のような相違点があります。
 

年金証書は年金の受給資格を証明するもの

年金は、たとえ受給資格を満たしても、請求の手続きをしない限り受け取ることはできません。年金を受け取るには原則ご自身で年金の支払いを請求する必要があり、請求手続き後、受給する権利の証明として交付されるのが年金証書です。

 

年金手帳は納めた記録を残したもの

年金手帳は、何らかの理由で仕事が変わった際や退職した際に重要な役割を果たすものです。これは加入する年金区分が変わるため(会社を退社して、第2号被保険者から第1号被保険者に変わる。結婚して専業主婦になり第1号被保険者から第3号被保険者になるなど)、その記録を手元に残すことが年金手帳の役割といえるからです。

 

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年金証書や年金手帳をなくした場合

前述したように年金証書は、年金を受け取る権利を証明するもので、年金手帳は、これまで納めてきた年金の記録で、年金区分の変更の変遷をたどることができるものといえます。
 
では、年金証書や年金手帳をなくした場合、どのようになるのでしょうか?
 
答えは、所轄の年金事務所や各市区町村役場の国民年金課で手続きをすれば、再発行することが可能です。
 

年金証書と年金手帳の注意点

ここまで、年金証書と年金手帳の相違点を見てきましたが、ここで両者を取り扱うにあたっての注意点を解説します。
 

年金証書を繰り上げ、繰り下げてもらう

年金は、原則65歳になってから支給されますが、最大で60歳まで繰り上げてもらうことが可能です。60歳に年金をもらうとした場合、60歳に年金証書をもらうことになります。この場合、65歳から年金をもらう場合と比べて、月0.5%減額されます(令和4年4月以降は、減額率が0.4%へ緩和されます)。
 
これに対し、年金支給開始時期を最大70歳まで繰り下げることも可能です(令和4年4月からは75歳まで繰り下げることも可能)。70歳に年金をもらうとした場合、70歳に年金証書をもらうことになります。この場合、65歳から年金をもらう場合と比べて、月0.7%増額されます。
 

年金手帳がどうしても必要となった場合の対処法

前述のように年金手帳は、自分のこれまでの転職や退職時に変更された年金区分に関する記録が記載されています。紛失など、手元に年金手帳がないときに、転職先などから「年金手帳を持ってきて」と言われた際の対処法を紹介します。
 
会社への確認事項は以下の2つになります
 

(1)基礎年金番号が分かればよいか
 
(2)代わりにマイナンバーでもよいか

 

●このうち、(2)のマイナンバーでよければマイナンバーカードの提示で一件落着
 
●(1)の基礎年金番号のみで、年金手帳でなくてもいいと言われた場合、ねんきんネットで自分の基礎年金番号を確認する
または、住所地の市区町村役場の国民年金課や年金事務所に直接出向いて番号を調べてもらう

 

まとめ

年金証書も年金手帳も、自分の年金に関する重要な情報が含まれるものです。いずれも再発行することが可能ですが、窓口となる市区町村役場の国民年金課や年金事務所は平日のみの業務となっていることが多く、ご自身で申請ができない場合には委任状が必要となります。
 
特に年金証書に記載されている基礎年金番号や住所氏名などは、第3者に対して安易に伝えないように心がけたいものです。
 
年金証書や年金手帳は、個人情報の宝庫と自覚して管理には十分配慮しましょう。
 
執筆者:伏見昌樹
ファイナンシャル・プランナー
 

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