年金証書をなくしたり、汚したりしたときはどうすればいいの？

年金証書は、年金を受給するために必要な証明書です。しかし、普段使用するものではないため、どこに保管しているのか忘れてしまったり、汚してしまったりする人もいるのではないでしょうか。
 
本記事では、年金証書をなくしたり、汚してしまったらどうすればよいのかを解説します。年金証書を再交付するときの注意点も紹介しますので、年金事務所に相談する前にしっかりと確認しておきましょう。

年金証書とは

年金証書は、年金の受給資格を満たした人が、年金事務所で請求手続きを行ったときに交付される「年金を受給する権利の証明書」です。
 
年金手帳と名前は似ていますが、年金手帳は年金の記録を手元に残すための手帳であり、仕事を辞めたり転職したりするときに必要なもので、年金証書とは異なります。
 

年金証書をなくしたり、汚したりしたらどうすればいい？

年金証書をもらったあと、なくしたり汚したりした場合はどうすればよいのでしょうか。年金事務所に行けば、再発行してもらえるのでしょうか。
 
なくしたからといってそのままにするのではなく、早めにしかるべき手続きを取りましょう。この見出しでは、なくした場合と汚した場合の2つのケースに分けて、手続き方法を解説します。
 

年金証書をなくした場合

年金証書をなくした場合、年金事務所もしくは年金相談センターに行けば、再発行手続きが可能です。なお、国民年金を受けている人は、市・区役所か町村役場の国民年金窓口でも、再交付申請用紙をもらえます。
 
近くに年金事務所や年金相談センターがない場合は、ねんきんダイヤルに問い合わせすれば、再交付申請書を郵送してくれるでしょう。
 
申請には、運転免許証やマイナンバーカードなど、「本人確認ができるもの」と「印鑑」が必要です。
 
必要事項に記入のうえ、再交付申請書を提出すれば、原則として日本年金機構で管理している申請者の住所あてに年金証書が送られてきます。緊急性を要する理由がないかぎり、窓口での再発行はしていませんので、気を付けてください。
 
また、年金証書は、ねんきんネットからの再発行は受け付けていません。ねんきんネットで再発行申請できるものは、社会保険料（国民年金保険料）控除証明書や公的年金等の源泉徴収票、年金額改定通知書などです。
 

年金証書を汚した場合

年金証書は、ひどく汚れてしまったり破れてしまったりした場合も、再発行は可能です。ただし、その場合は再交付申請用紙と一緒に、汚れてしまった年金証書も提出しなくてはいけません。
 
汚れたからといって、勝手に捨ててしまうことだけはしないでください。万が一、捨ててしまった場合は、年金事務所に相談しましょう。
 

年金証書を再発行するときの注意点

年金証書の再発行は、日本年金機構で管理している本人の住所・氏名で行われます。特別な事情があって、本人以外の住所に送付を希望する人は、委任状と申請者の本人確認ができるものが必要です。
 
なお、年金証書の再発行は、死亡している人の分はできません。また、年金担保融資を受けている人も再発行できませんので気を付けましょう。
 
年金証書の再交付申請書は、日本年金機構のホームページからダウンロードが可能です。記入例もありますので、自宅で印刷できる人は活用してみてください。
 
年金証書を外で紛失した場合、知らない人に悪用される可能性があります。その場合は、再交付申請だけではなく、必ず警察に連絡をして遺失届を出しましょう。
 

年金証書は大切に保管しよう

年金証書は、年金を受けている人の身分証明書と言えるものなので、交付されたら大切に保管しましょう。年金証書には、基礎年金番号が記載されており、年金に関する手続きを行う際に必要です。
 
もし、紛失したり汚したりした場合は、速やかに年金事務所や年金相談センターで再発行手続きをしてください。外で紛失した場合は、警察への連絡も忘れないようにしましょう。
 
年金請求の手続きをしてから、年金証書を見ていない人は、今一度自宅でしっかりと保管されているか確認してみてください。普段使うものではありませんが、大切なものですので、定期的な確認を心がけましょう。
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
 
監修：新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員