国民年金は、支払いかたを変えるだけで、こんなにおトクに!

配信日: 2016.12.10 更新日: 2021.07.29

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国民年金は、支払いかたを変えるだけで、こんなにおトクに!
国民年金の保険料は義務だからと、ただなんとなく支払っている人もいるかもしれません。けれども、「支払い方」を変えるだけで、支払い額が違うのはご存じでしょうか? しかも平成29年からは、おトクな支払い方の選択肢がさらに広がります。
 
国民年金は、長期間払い続けていくもの。少しの差に見えても積もり積もって大きな差につながります。この機会に、国民年金の支払い方を見直してみませんか?
 
福島えみ子

執筆者:福島えみ子(ふくしま えみこ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
マネーディアセオリー株式会社 代表取締役
リュクスセオリーFPサロン 代表
大学卒業後、都市銀行に入行。複数の銀行、法律事務所勤務中に、人生の悩みは結局のところお金と密接に関係することを痛感、人生をより幸せで豊かにするお手伝いがしたいとファイナンシャルプランナーに。FP会社にて勤務後、独立。これまで500件以上の個人相談を担当すると共に、セミナー、執筆と幅広く活動。相続・資産運用・住宅相談・リタイヤメントプラン等を得意とし、個人相談にも力を入れる一方で、セミナーや企業研修、執筆を通じてわかりやすくお金の知識を発信することに注力している。

http://mdtheory.co.jp/

まずは国民年金の支払いかたのバリエーションをチェック

国民年金の最もオーソドックスな払い方は、送られてくる納付書で毎月現金払いする方法です。それ以外にも銀行口座から自動的に引き落とされる「口座振替」、クレジットカードで定期的に支払う「クレジットカード納付」、「電子納付」があります。電子納付はインターネットバンキングやモバイルバンキング等を使って定められた手順で納付する方法です。

国民年金の保険料を支払うといっても、その手段にはこれだけあるのです。

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まとめて支払うとこんなにおトクに!

こうした複数の「支払う手段」だけでなく、前もってまとめて納付する制度も用意されています。それが「前納制度」で、前納すると保険料が割引になるメリットがあります。6か月前納、1年前納、2年前納とあり、前納する期間が長いほど割引額も大きくなるしくみです。

保険料額が変われば割引額も変わるため、上記は平成28年度を例として挙げていますが、1年につき数千円単位の割引額は見逃せません。ましてや、国民年金保険料は、基本的に60歳になるまでずっと支払っていくもの。長い目で見れば数万円もの大きな差になります。例えば平成28年度の割引額でいうなら、10年分で約3万4000円、20年分で約6万8000円もおトクになります。

手続きのチャンスは年1回。期限に注意

この前納制度を利用するには、前もって前納の申込みをしておく必要があります。口座振替の場合、「国民年金保険料口座振替納付(変更)申出書兼国民年金保険料口座振替依頼書」を、引き落としをしたい金融機関あるいは年金事務所へ提出して手続をします。(用紙は日本年金機構HP からもダウンロード可能)

ちなみに、2年前納はこれまで口座振替のみでしか利用できませんでしたが、平成29年からは、クレジットカードや現金でも2年前納での支払が可能になります。クレジットカードで支払ってポイントも貯めたいけれど、2年前納の割引額も魅力…と悩んでいた人にとっては朗報ですね。2年前納の手続方法は、平成28年12月現在、まだ発表されておらず年明け発表のようです。前納したい人は今後の発表をチェックしておいてください。

いずれの前納でも、気をつけるべきはその期限です。期限を過ぎると、どんなに前納したくても前納することはできません。しかも、口座振替の場合、引き落とし日よりも数か月も前に申込み期限が設定されているので要注意です。1年前納と2年前納であれば、毎年2月末日までが手続きの期限となっています。

前納しておいた場合の社会保険料控除は?

2年前納なら割引額が大きいことをご紹介しましたが、まとめて2年分支払うなら「社会保険料控除」の扱いはどうなるのか疑問に思った人もいるはずです。社会保険料控除は、”その年に”支払った社会保険料を税金の計算の際に所得から差し引ける控除です。2年分を前納したら、以下のどちらで控除すべきでしょうか?

1)支払った年に2年分全額の控除を受ける
2)それぞれの年分に相当する額を、年ごとに控除を受ける

正解は、じつは両方です。いずれにするかを自分で選択できます。ある年に大きく所得が上がって税金が高くなりそうというときは、1)の控除方法を使って、一気に2倍の大きな控除額を使う手もあります。そのかわり翌年は国民年金分の社会保険料控除はなくなるので、注意が必要です。

いかがでしょうか?支払い方を変えるだけでおトクになる国民年金、どのみち支払わなければいけないものなら、少しでもおトクに支払いたいものです。

執筆者:福島えみ子
CFP(R)認定者

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